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帰還 ー王都ー
480 ーマテオの回顧録⑦ー
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かつて、世界を己の物にしようとした“ダークエルフ・ルミエール”
元々、精霊魔法をはじめとした自然界の力を使って生活していたエルフ達がこの男の出現により武装化し始めたのは数百年前・・・。
終結はしたものの、あの大戦争により人間達の生活は変わってしまった。
多くの傷が残る土地は作物がならず人が生きていく上で厳しいと言わざるおえない場所が出来た。
そこに住んでいた人間達は他の豊かな土地を求め、その土地に根付いていた者達と激しい戦った。
その繰り返しで、人はバラバラになっていった。
ダークエルフは戦いにより大怪我を負い、エルフの里に篭っていると聞く。
不可侵の条約は守られている様に見えていた。
しかし、実際は食べる物に飢えたエルフの里の者達は戦いをやめた訳ではなかった。
旅をして聴こえてきたのは、盗賊達がエルフだったと言う目撃談。
実りの良い場所を襲っては姿を消していくと言う。
エルフの立場は今の時代危うい。
ダークエルフの出現は人間だけでなく、戦いを好まない他のエルフ達にも影響を及ぼした。
エルフの里から離反したエルフ達が獣人達以上に迫害を受けているのだ。
《ダークエルフ・ルミエールが他の種族に宣戦布告をした為に戦争が始まり、自身たちが貧困になった。》
他の種族・・・特に人族はその責任を、戦争に反対したエルフにまで押し付け迫害をしているのだ。
そんなエルフの中には己の出自が知られるのを恐れて尖った耳を削ぐ者もいた。
痛ましい話だった。
そして、私の街にもやってきたのだ。
エルフの里の戦士達が・・・。
旅の途中で引き返した私は煙が上がっている街を見て涙を流した。
この風景を見たくなくて造ったのに・・・また手から希望が溢れていく・・・。
そんな私の肩をジュウゾウが叩いた。
「泣いている暇はないぞ。
立て。
踏ん張れ!皆んなが、お前の帰りを待っている。」
私は涙を拭き、ジュウゾウと仲間と共に街に戻った。
大いに荒らされた街並みは変わり果てていた。
私の帰還に皆んなが涙を流し謝ってきた。
「街を守れなかった・・・。」
「畑も全部やられちゃった。」
「エルフの孤児達が連れ去られた。」
「任せてくれたのに御免なさい。」
言葉の一つ一つに私は答えた。
「もっと強固な街を作り直そう。」
「もう一度畑を作り直そう。」
「子供達は取り返す。」
「生きていてくれて有難う。」
防衛団の踏ん張りで人の殺害こそ少なかったが、多くの人間が傷つけられていた。
それでも、街を離れると言う者はいなかった。
私が立ち上がると皆も立ち上がった。
「私はこの地を皆んなが安心して暮らせる国にしたくて戦っている。
皆んなにはそれぞれの戦いがある。
街を・・・人を守る者。
畑や狩猟で、食べる物を守る者。
愛する子を守る者。
私は許さない。
我々の努力を踏みにじり、欲しい物を略奪する輩を!
エルフだからではない!略奪者を私は断じて許さない!!
子供の未来を守る!街を守る!皆んなの笑顔を守る!
それが、私の成したい国造りだ!
私は神ではない・・・1人では何も成し得ないのだ。
だから私は出来る事をする。
例え、また略奪者が来ようと、私は何度でも戦う!
だからこそ、皆に問う!私に力を貸してくれ!」
私の言葉に住人達の目に炎が灯った。
1人、また1人と立ち上がり、私に賛同してくれたのだ。
彼らの声は波のようにうねりを上げていた。
心を揺さぶる歓声は私の心を鼓舞してくれたのだ。
「行こう。
我らの仲間が助けを待っている。」
そんな私の後ろにジュウゾウが立っていた。
私の背中を守る為に・・・。
かつて、世界を己の物にしようとした“ダークエルフ・ルミエール”
元々、精霊魔法をはじめとした自然界の力を使って生活していたエルフ達がこの男の出現により武装化し始めたのは数百年前・・・。
終結はしたものの、あの大戦争により人間達の生活は変わってしまった。
多くの傷が残る土地は作物がならず人が生きていく上で厳しいと言わざるおえない場所が出来た。
そこに住んでいた人間達は他の豊かな土地を求め、その土地に根付いていた者達と激しい戦った。
その繰り返しで、人はバラバラになっていった。
ダークエルフは戦いにより大怪我を負い、エルフの里に篭っていると聞く。
不可侵の条約は守られている様に見えていた。
しかし、実際は食べる物に飢えたエルフの里の者達は戦いをやめた訳ではなかった。
旅をして聴こえてきたのは、盗賊達がエルフだったと言う目撃談。
実りの良い場所を襲っては姿を消していくと言う。
エルフの立場は今の時代危うい。
ダークエルフの出現は人間だけでなく、戦いを好まない他のエルフ達にも影響を及ぼした。
エルフの里から離反したエルフ達が獣人達以上に迫害を受けているのだ。
《ダークエルフ・ルミエールが他の種族に宣戦布告をした為に戦争が始まり、自身たちが貧困になった。》
他の種族・・・特に人族はその責任を、戦争に反対したエルフにまで押し付け迫害をしているのだ。
そんなエルフの中には己の出自が知られるのを恐れて尖った耳を削ぐ者もいた。
痛ましい話だった。
そして、私の街にもやってきたのだ。
エルフの里の戦士達が・・・。
旅の途中で引き返した私は煙が上がっている街を見て涙を流した。
この風景を見たくなくて造ったのに・・・また手から希望が溢れていく・・・。
そんな私の肩をジュウゾウが叩いた。
「泣いている暇はないぞ。
立て。
踏ん張れ!皆んなが、お前の帰りを待っている。」
私は涙を拭き、ジュウゾウと仲間と共に街に戻った。
大いに荒らされた街並みは変わり果てていた。
私の帰還に皆んなが涙を流し謝ってきた。
「街を守れなかった・・・。」
「畑も全部やられちゃった。」
「エルフの孤児達が連れ去られた。」
「任せてくれたのに御免なさい。」
言葉の一つ一つに私は答えた。
「もっと強固な街を作り直そう。」
「もう一度畑を作り直そう。」
「子供達は取り返す。」
「生きていてくれて有難う。」
防衛団の踏ん張りで人の殺害こそ少なかったが、多くの人間が傷つけられていた。
それでも、街を離れると言う者はいなかった。
私が立ち上がると皆も立ち上がった。
「私はこの地を皆んなが安心して暮らせる国にしたくて戦っている。
皆んなにはそれぞれの戦いがある。
街を・・・人を守る者。
畑や狩猟で、食べる物を守る者。
愛する子を守る者。
私は許さない。
我々の努力を踏みにじり、欲しい物を略奪する輩を!
エルフだからではない!略奪者を私は断じて許さない!!
子供の未来を守る!街を守る!皆んなの笑顔を守る!
それが、私の成したい国造りだ!
私は神ではない・・・1人では何も成し得ないのだ。
だから私は出来る事をする。
例え、また略奪者が来ようと、私は何度でも戦う!
だからこそ、皆に問う!私に力を貸してくれ!」
私の言葉に住人達の目に炎が灯った。
1人、また1人と立ち上がり、私に賛同してくれたのだ。
彼らの声は波のようにうねりを上げていた。
心を揺さぶる歓声は私の心を鼓舞してくれたのだ。
「行こう。
我らの仲間が助けを待っている。」
そんな私の後ろにジュウゾウが立っていた。
私の背中を守る為に・・・。
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