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新たな旅 ーミズガルドー
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《思惑が外れた・・・まぁ、仕方がないか!》
心で思っていた事が漏れたのだろう、遠くにいたオーブリーの鋭い視線に気づきギルバートは肩を竦めながらも微笑んで手を振った。
「イオリ殿の言葉を覚えているとは・・・恐れ入った。
私はイグナート・カレリン。
御両親の身に起こった事を先程、ヴァルト殿から聞いた。
大変、申し訳無かった。
ミズガルドの貴族として・・・いや、この地に住む1人の人間として謝罪する。
愛する者を失う悲しみは人一倍知っているつもりであった。
その後、私には支えてくれる者達がいた。
其方達がイオリ殿と出会ったのは絶対神の思し召しだろう。
ミズガルドの貴族として君達に誓う。
獣人に対する迫害をやめさせる。
人種関係なく、弱き者達も住みやすい国を作ってみせる。
そして、フードなど気にせずに自由に歩ける様になった暁には、またこの国に来て欲しい。」
膝をついて双子に頭を下げるイグナート・カレリンに双子は戸惑った。
そして、イオリがニコニコと頷くのを見てイグナートの肩をポンポンと叩き
「「気にすんな。頑張って。」」
と言ったのであった。
紅茶を煎れ、煎餅と琥珀糖を並べたテーブルでイオリ達はクスクスと笑いが止まらないでいた。
「ククク・・・気にすんなって・・・。」
「流石、双子ですね。」
「カレリン公爵の顔を見たか?」
「はい。必死に笑いを堪えておいででしたね。」
「あははははは!」
そんな大人達を双子がキョトンとしながらも煎餅に手を伸ばす。
「あの人が言った様に、ミズガルドも優しい国になるかな?
アースガイルには優しい人が多いいもん。」
パティの言葉にギルバートは頷いた。
「新しく王になったトーレチカ国王なら、やってくれるだろう。
私達はアースガイルから見守ろう。」
「「うん!」」
コンコンコンっ。
ノックと共にリルラとラックが顔を出し、部屋を覗き込んでいた。
「「ラック!!元気?」」
双子の声にラックは微笑むと嬉しそうに子供達の元へ行った。
「みんながいるって聞いたんだ。」
「今日来たんだよ。ラックもお菓子食べる?」
ラックとスコルの会話を聞き、トゥーレがラックの前に紅茶をおいた。
「ありがとうございます。
美味しそう!!食べて良いの?」
「良いよ。」
イオリはニッコリとすると、ラックとは別にリルラにお菓子を持って行った。
「ありがとう。残りのみんながアースガイルの王太子に会いたいって。いい?」
「構わんぞ。私も会いたいと思っていたんだ。」
ギルバートの許可を得たリルラが扉を開けるとゾロゾロと人が入って来た。
驚く子供達にラックはニッコリとした。
「僕たちの同胞だよ。
大丈夫。みんな優しい人だから。」
リルラは一人一人をギルバート達に紹介した。
エルブ改めゴヴァンはエルフの男で細い双剣の使い手だ。
ブールジョン改めコナーは鳥の獣人で空を飛ぶのが自慢だ。武器は弓を得意としている。
フェブ改めケネスはハーフエルフで母の能力を受け継ぎ魔法が使えた。中でも水魔法の使い手だ。
アガット改めサミーは熊の獣人で腕力に自信がある。
ベイブ改めホセはウサギの獣人で瞬発力がある。
リラ改めシャロットは犬の獣人で小さい体から小回りが効く、いつも短剣を忍ばしている。
コメット改めエメリーはエルフでエルフの里の出身だった。しかし、赤子の時に売られ記憶はない。
「彼らが助けられたヴァハマンの元暗部だ。
今回、イオリに奴隷印を消してもらい、今回、私達の力になってくれた。」
ゴヴァンは前に出るとギルバートに頭を下げた。
「アースガイル国王をはじめ、皆さんには大変お世話になりました。
辛い闇の中でいつ死ぬとも知れない環境下で生きているも死んでいるも同じでございました。
御恩は一生忘れません。」
「気軽にせよ。
自由はお前達に与えられた当然の権利だ。
お前達を縛っていたヴァハマンは現在、牢獄に入っている。
裁判によってこの国の法律で裁かれるであろう。
さて、お前達はこれからどうする?」
ゴヴァンはみんなと顔を見合わせ、頷いた。
「許されるならば、いつかはイオリ様の手足となって働きたい。
しかし、私達には忘れてはいけない人達がいる。
ヴァハマン達の商売で売られていった者達を助けたい。
今は消息も分からない者ばかりで、見つけ出すのも難しいでしょう。
しかし・・・。」
「許す!ミズガルドには私から言おう。
お前達を拘束していたのは、紛れもないミズガルドの貴族だ。
文句も言えまいよ。
それに、新国王は奴隷の解放も口にされた。
お前達と共に売られていった者達だって、助ける口実になるだろう。
どうだ、イオリ?」
意見を求められて驚くイオリは腕を組んで考えた。
「うーん。
俺の手足って・・・俺は冒険者だから、そんなのいらないんですよ?
ただ、手伝って欲しい時に助けて下さい。
皆さんが大変な時には俺も駆けつけますよ。
皆さんの家族や仲間が見つかる事を祈っています。」
各々が目に涙を溜めて頷いた。
心で思っていた事が漏れたのだろう、遠くにいたオーブリーの鋭い視線に気づきギルバートは肩を竦めながらも微笑んで手を振った。
「イオリ殿の言葉を覚えているとは・・・恐れ入った。
私はイグナート・カレリン。
御両親の身に起こった事を先程、ヴァルト殿から聞いた。
大変、申し訳無かった。
ミズガルドの貴族として・・・いや、この地に住む1人の人間として謝罪する。
愛する者を失う悲しみは人一倍知っているつもりであった。
その後、私には支えてくれる者達がいた。
其方達がイオリ殿と出会ったのは絶対神の思し召しだろう。
ミズガルドの貴族として君達に誓う。
獣人に対する迫害をやめさせる。
人種関係なく、弱き者達も住みやすい国を作ってみせる。
そして、フードなど気にせずに自由に歩ける様になった暁には、またこの国に来て欲しい。」
膝をついて双子に頭を下げるイグナート・カレリンに双子は戸惑った。
そして、イオリがニコニコと頷くのを見てイグナートの肩をポンポンと叩き
「「気にすんな。頑張って。」」
と言ったのであった。
紅茶を煎れ、煎餅と琥珀糖を並べたテーブルでイオリ達はクスクスと笑いが止まらないでいた。
「ククク・・・気にすんなって・・・。」
「流石、双子ですね。」
「カレリン公爵の顔を見たか?」
「はい。必死に笑いを堪えておいででしたね。」
「あははははは!」
そんな大人達を双子がキョトンとしながらも煎餅に手を伸ばす。
「あの人が言った様に、ミズガルドも優しい国になるかな?
アースガイルには優しい人が多いいもん。」
パティの言葉にギルバートは頷いた。
「新しく王になったトーレチカ国王なら、やってくれるだろう。
私達はアースガイルから見守ろう。」
「「うん!」」
コンコンコンっ。
ノックと共にリルラとラックが顔を出し、部屋を覗き込んでいた。
「「ラック!!元気?」」
双子の声にラックは微笑むと嬉しそうに子供達の元へ行った。
「みんながいるって聞いたんだ。」
「今日来たんだよ。ラックもお菓子食べる?」
ラックとスコルの会話を聞き、トゥーレがラックの前に紅茶をおいた。
「ありがとうございます。
美味しそう!!食べて良いの?」
「良いよ。」
イオリはニッコリとすると、ラックとは別にリルラにお菓子を持って行った。
「ありがとう。残りのみんながアースガイルの王太子に会いたいって。いい?」
「構わんぞ。私も会いたいと思っていたんだ。」
ギルバートの許可を得たリルラが扉を開けるとゾロゾロと人が入って来た。
驚く子供達にラックはニッコリとした。
「僕たちの同胞だよ。
大丈夫。みんな優しい人だから。」
リルラは一人一人をギルバート達に紹介した。
エルブ改めゴヴァンはエルフの男で細い双剣の使い手だ。
ブールジョン改めコナーは鳥の獣人で空を飛ぶのが自慢だ。武器は弓を得意としている。
フェブ改めケネスはハーフエルフで母の能力を受け継ぎ魔法が使えた。中でも水魔法の使い手だ。
アガット改めサミーは熊の獣人で腕力に自信がある。
ベイブ改めホセはウサギの獣人で瞬発力がある。
リラ改めシャロットは犬の獣人で小さい体から小回りが効く、いつも短剣を忍ばしている。
コメット改めエメリーはエルフでエルフの里の出身だった。しかし、赤子の時に売られ記憶はない。
「彼らが助けられたヴァハマンの元暗部だ。
今回、イオリに奴隷印を消してもらい、今回、私達の力になってくれた。」
ゴヴァンは前に出るとギルバートに頭を下げた。
「アースガイル国王をはじめ、皆さんには大変お世話になりました。
辛い闇の中でいつ死ぬとも知れない環境下で生きているも死んでいるも同じでございました。
御恩は一生忘れません。」
「気軽にせよ。
自由はお前達に与えられた当然の権利だ。
お前達を縛っていたヴァハマンは現在、牢獄に入っている。
裁判によってこの国の法律で裁かれるであろう。
さて、お前達はこれからどうする?」
ゴヴァンはみんなと顔を見合わせ、頷いた。
「許されるならば、いつかはイオリ様の手足となって働きたい。
しかし、私達には忘れてはいけない人達がいる。
ヴァハマン達の商売で売られていった者達を助けたい。
今は消息も分からない者ばかりで、見つけ出すのも難しいでしょう。
しかし・・・。」
「許す!ミズガルドには私から言おう。
お前達を拘束していたのは、紛れもないミズガルドの貴族だ。
文句も言えまいよ。
それに、新国王は奴隷の解放も口にされた。
お前達と共に売られていった者達だって、助ける口実になるだろう。
どうだ、イオリ?」
意見を求められて驚くイオリは腕を組んで考えた。
「うーん。
俺の手足って・・・俺は冒険者だから、そんなのいらないんですよ?
ただ、手伝って欲しい時に助けて下さい。
皆さんが大変な時には俺も駆けつけますよ。
皆さんの家族や仲間が見つかる事を祈っています。」
各々が目に涙を溜めて頷いた。
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