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新たな旅 ー王都ー
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アースガイル国、王都にある教会の祭壇に光が降り注いでいるのをディマルコ枢機卿は感嘆した面持ちで見つめていた。
「美しいものだな・・・。」
後ろから声をかけたのは同じく教会の中枢を担うミゲル枢機卿であった。
「以前いらした時よりも、今日の方が輝きが増しています。
最初は何やら悩んでいるようで心配しましたが、どうやら一つの道筋が見えたのではないでしょうか?」
ディマルコ枢機卿は微笑むとイオリが立ち上がるまで見守っていた。
「ありがとうございました。」
ニッコリとしたイオリの顔に安堵するとディマルコ枢機卿は隣に立つミゲル枢機卿を紹介した。
「初めまして、ミゲル枢機卿。
朝早くからお邪魔して申し訳ありません。」
「いいえ。構いません。
教会はいつ何時でも開かれています。」
ミゲル枢機卿と握手をしたイオリは思い出したように言った。
「そういえば、ミゲル枢機卿は孤児の育成をされているんですよね?」
「ええ。そうです。
絵本の話ですね。ポーレットのエドバルドからの報告で興味を持っていいたんです。
グラトニー商会からの話には考えさせられました。
その後、ディビット殿下からも書状が届き私個人としても思案中です。」
「興味を持っていただけて良かった。
是非とも、お力を貸してください。
ただ・・・。
俺自身は少し王都を離れるかもしれません。」
眉を下げて微笑むイオリにミゲル枢機卿は頷いた。
「お戻りになるまで、私も絵本の勉強をしておきましょう。
それについてはディビット殿下の婚約者であられるココ・クラーク嬢が相談に乗ってくださるでしょう。」
「良かった・・・。
ココさんには、いくつかの話を聞いてもらっています。
制作にも力を貸してくれるでしょう。」
ディマルコ枢機卿は訪れた時とは違う表情のイオリに微笑んだ。
「悩みは解消されましたか?」
そんなイオリは苦笑した。
「いいえ。まだです。
でもヒントを貰えた気がします。
もう少し自分で考えてみます。」
「それが良いでしょう。
私も悩んでいた時期に、師である以前の枢機卿に言われた事があります。
《視野を広く持ちなさい。》と。
時には答えは一つではない。
そして時に答えが一つである場合は、行き着くまでには何通りもの道筋がある事を忘れるな。
そんな事を言われました。」
ディマルコ枢機卿はイオリの側に立つゼンの頭を撫でると微笑んだ。
「賢い子ですね。お利口に主人が動き出すのを待っている。
凝り固まった考えの中では休息も重要です。
視点を変えて考えてみるのも良いでしょう。」
ディマルコ枢機卿の言葉を聞いていたイオリは頭の中が動き始めたのを感じ取った。。
「・・・そうか。
答えは一つではないですね!
答えが分かっていれば、進むべき方向もわかる・・・。
思いつきました!できるか分からないけど、行って来ます!!
お世話になりました!」
答えが見つかったのか、爽やかな顔付きで教会を後にするイオリに2人の枢機卿は微笑んだ。
その後ろでは祭壇へ当たる光が輝きを増していた。
「美しいものだな・・・。」
後ろから声をかけたのは同じく教会の中枢を担うミゲル枢機卿であった。
「以前いらした時よりも、今日の方が輝きが増しています。
最初は何やら悩んでいるようで心配しましたが、どうやら一つの道筋が見えたのではないでしょうか?」
ディマルコ枢機卿は微笑むとイオリが立ち上がるまで見守っていた。
「ありがとうございました。」
ニッコリとしたイオリの顔に安堵するとディマルコ枢機卿は隣に立つミゲル枢機卿を紹介した。
「初めまして、ミゲル枢機卿。
朝早くからお邪魔して申し訳ありません。」
「いいえ。構いません。
教会はいつ何時でも開かれています。」
ミゲル枢機卿と握手をしたイオリは思い出したように言った。
「そういえば、ミゲル枢機卿は孤児の育成をされているんですよね?」
「ええ。そうです。
絵本の話ですね。ポーレットのエドバルドからの報告で興味を持っていいたんです。
グラトニー商会からの話には考えさせられました。
その後、ディビット殿下からも書状が届き私個人としても思案中です。」
「興味を持っていただけて良かった。
是非とも、お力を貸してください。
ただ・・・。
俺自身は少し王都を離れるかもしれません。」
眉を下げて微笑むイオリにミゲル枢機卿は頷いた。
「お戻りになるまで、私も絵本の勉強をしておきましょう。
それについてはディビット殿下の婚約者であられるココ・クラーク嬢が相談に乗ってくださるでしょう。」
「良かった・・・。
ココさんには、いくつかの話を聞いてもらっています。
制作にも力を貸してくれるでしょう。」
ディマルコ枢機卿は訪れた時とは違う表情のイオリに微笑んだ。
「悩みは解消されましたか?」
そんなイオリは苦笑した。
「いいえ。まだです。
でもヒントを貰えた気がします。
もう少し自分で考えてみます。」
「それが良いでしょう。
私も悩んでいた時期に、師である以前の枢機卿に言われた事があります。
《視野を広く持ちなさい。》と。
時には答えは一つではない。
そして時に答えが一つである場合は、行き着くまでには何通りもの道筋がある事を忘れるな。
そんな事を言われました。」
ディマルコ枢機卿はイオリの側に立つゼンの頭を撫でると微笑んだ。
「賢い子ですね。お利口に主人が動き出すのを待っている。
凝り固まった考えの中では休息も重要です。
視点を変えて考えてみるのも良いでしょう。」
ディマルコ枢機卿の言葉を聞いていたイオリは頭の中が動き始めたのを感じ取った。。
「・・・そうか。
答えは一つではないですね!
答えが分かっていれば、進むべき方向もわかる・・・。
思いつきました!できるか分からないけど、行って来ます!!
お世話になりました!」
答えが見つかったのか、爽やかな顔付きで教会を後にするイオリに2人の枢機卿は微笑んだ。
その後ろでは祭壇へ当たる光が輝きを増していた。
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