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新たな旅 ー王都ー
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しおりを挟む 4人が戻ってくるとギルド内はザワザワとしていて、一気に視線を受けた。
「何だ?随分と騒がしいな。」
細かい事は気にしない強い心の持ち主ザックスはズカズカとSランク冒険者の受付にいたミラにカードを差し出した。
「終わったぞ。結局はイオリが1番だろうがな。
で?この騒ぎはなんだ?」
呆れ顔のミラはイオリやヒューゴ、ミラからもカードを受け取ると4人を見渡した。
「他にもゴブリン退治に向かっていた冒険者達がこぞって帰ってきて、目撃した事を噂し始めたのさ。
お前さん達の事だよ。
大剣を振り回す筋肉ダルマに細剣でゴブリンの眉間を的確に刺す乙女やら、ゴブリンを引きつけては束で倒すワイルド剣士に森の木々を素早く移動する黒い猿とかね。
全く、騒がしいったらありゃしない。
それで?集落でもあったのかい?」
「俺だけ猿ってひどく無いですか?
ありましたよ。大所帯の集落が。
ゴブリンロードがまとめていました。
あっ、これゴブリン達が溜めていた貴金属です。襲った商人からとったんでしょうね。」
「ゴブリンロード!!」
「先の件で人通りが制限されているじゃないですか。
それによってゴブリン達が生息域を広げたんだって言うのが俺らの意見なんですけどね。
とりあえず、殲滅はしましたよ。
できれば、浄化させとくと良いと思いますよ。」
イオリの話を真摯に受け止めたミラは巡回を強化すると請け負った。
「浄化だけどね。お前さんのとこのエルフの子。ほら」
「ナギですか?一応、本人に聞いておきますよ。
やりたく無いって言えば、俺は強制はしないんで。」
一応は了解をしたミラはそれぞれのカードを確認した。
「なっ・・・。
なんだい?この数は・・・。
はぁ、そりゃ他のが騒ぐわけだよ。」
4位がミラで155匹。
3位がヒューゴで330匹。
2位がザックスで741匹。
堂々の1位がイオリで2012匹と桁外れの数だった。
特にザックスはジェネラル。イオリはジェネラル、キング、ロードの殲滅と驚くべき記録だった。
「やっぱりイオリか・・・。
なんだよ2012って・・・。あの集落を一気に落としたのが決めてか。」
ザックスの言葉にミラが驚いた。
「何っ!?集落はイオリが1人でやったのかい?」
「俺たちが着いたときには残ったロードと対峙してましたよ。
そのロードも一発で仕留めたんで、危なげもなく。」
肩を竦めるヒューゴの言葉にミラは体を震わせた。
「ぷっ!あはははははは!
そうかい。そうかい。
新たなSランクは伊達じゃないね。
あー、可笑しい。」
爆笑するミラを不思議そうに見つめたイオリは報酬を受け取ると受付を後にした。
「あー!負けた!
仕方ねーな。」
負けはしたものの満足そうなザックスは酒場で4人分の飲み物を頼むとイオリ達に渡した。
「お疲れさん!!」
「「「お疲れ様でした!」」」
側でチラチラと見ていた冒険者は、その後噂をする。
《黒狼がアースガイルの鬼将ザックス・ヒルに勝っちまった。》
《ゴブリンの大集落を殲滅してロードを一撃だってよ。》
《あいつのパーティーは他にも粒揃いだからな。ポーレット公爵の専属ってのもすげぇもんだ。》
《この間のギガントベアーもあいつの仕事らしいぜ。》
イオリが意識していなくても、功績の噂などは知らずと広まるものである。
そんな冒険者達の話など知らないイオリは今日も呑気なものだった。
「今日の晩ご飯は何にしようかな~。」
『ヤキニク丼!ヤキニクが良いよ!』
ゼンの催促に微笑むイオリだった。
「焼肉ね・・・。よし!野菜でソースを作ろう。決めた!」
「何だ?随分と騒がしいな。」
細かい事は気にしない強い心の持ち主ザックスはズカズカとSランク冒険者の受付にいたミラにカードを差し出した。
「終わったぞ。結局はイオリが1番だろうがな。
で?この騒ぎはなんだ?」
呆れ顔のミラはイオリやヒューゴ、ミラからもカードを受け取ると4人を見渡した。
「他にもゴブリン退治に向かっていた冒険者達がこぞって帰ってきて、目撃した事を噂し始めたのさ。
お前さん達の事だよ。
大剣を振り回す筋肉ダルマに細剣でゴブリンの眉間を的確に刺す乙女やら、ゴブリンを引きつけては束で倒すワイルド剣士に森の木々を素早く移動する黒い猿とかね。
全く、騒がしいったらありゃしない。
それで?集落でもあったのかい?」
「俺だけ猿ってひどく無いですか?
ありましたよ。大所帯の集落が。
ゴブリンロードがまとめていました。
あっ、これゴブリン達が溜めていた貴金属です。襲った商人からとったんでしょうね。」
「ゴブリンロード!!」
「先の件で人通りが制限されているじゃないですか。
それによってゴブリン達が生息域を広げたんだって言うのが俺らの意見なんですけどね。
とりあえず、殲滅はしましたよ。
できれば、浄化させとくと良いと思いますよ。」
イオリの話を真摯に受け止めたミラは巡回を強化すると請け負った。
「浄化だけどね。お前さんのとこのエルフの子。ほら」
「ナギですか?一応、本人に聞いておきますよ。
やりたく無いって言えば、俺は強制はしないんで。」
一応は了解をしたミラはそれぞれのカードを確認した。
「なっ・・・。
なんだい?この数は・・・。
はぁ、そりゃ他のが騒ぐわけだよ。」
4位がミラで155匹。
3位がヒューゴで330匹。
2位がザックスで741匹。
堂々の1位がイオリで2012匹と桁外れの数だった。
特にザックスはジェネラル。イオリはジェネラル、キング、ロードの殲滅と驚くべき記録だった。
「やっぱりイオリか・・・。
なんだよ2012って・・・。あの集落を一気に落としたのが決めてか。」
ザックスの言葉にミラが驚いた。
「何っ!?集落はイオリが1人でやったのかい?」
「俺たちが着いたときには残ったロードと対峙してましたよ。
そのロードも一発で仕留めたんで、危なげもなく。」
肩を竦めるヒューゴの言葉にミラは体を震わせた。
「ぷっ!あはははははは!
そうかい。そうかい。
新たなSランクは伊達じゃないね。
あー、可笑しい。」
爆笑するミラを不思議そうに見つめたイオリは報酬を受け取ると受付を後にした。
「あー!負けた!
仕方ねーな。」
負けはしたものの満足そうなザックスは酒場で4人分の飲み物を頼むとイオリ達に渡した。
「お疲れさん!!」
「「「お疲れ様でした!」」」
側でチラチラと見ていた冒険者は、その後噂をする。
《黒狼がアースガイルの鬼将ザックス・ヒルに勝っちまった。》
《ゴブリンの大集落を殲滅してロードを一撃だってよ。》
《あいつのパーティーは他にも粒揃いだからな。ポーレット公爵の専属ってのもすげぇもんだ。》
《この間のギガントベアーもあいつの仕事らしいぜ。》
イオリが意識していなくても、功績の噂などは知らずと広まるものである。
そんな冒険者達の話など知らないイオリは今日も呑気なものだった。
「今日の晩ご飯は何にしようかな~。」
『ヤキニク丼!ヤキニクが良いよ!』
ゼンの催促に微笑むイオリだった。
「焼肉ね・・・。よし!野菜でソースを作ろう。決めた!」
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