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新たな旅 ー王都ー
400 〜記念・小話〜
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ホクホクとした顔で部屋に戻ってきたミラに冒険者ギルド本部マスター・ハンターは首を傾げた。
「どうしたんです?良い事でもありました?」
「ちょっとね。」
いそいそとお茶を入れ始めるミラにハンターは益々眉間にシワを寄せた。
「ちょっとって何ですか?」
「煩い男だね。イオリがお土産を持ってきたんだよ!」
「ほう・・・。その箱ですね?興味深い。
でっ、何です?」
ミラは舌打ちをするとハンターを手招きした。
「甘いもんらしいよ。アンタも休憩にしたらどうだい?」
「えぇ、ご相伴に預かりましょう。」
紅茶を入れたミラが中央に木箱おいた。
開けてみれば、綺麗な赤い花や黄色い月に真っ黒な玉が並べられていた。
「美しいですね・・・。初めて見ました。」
ハンターが感嘆すると、ミラも目を輝かせていた。
「メモ紙が入ってるよ。何々?
真っ黒なのが“おはぎ”と言うらしいよ。豆を甘く煮てペーストにした“あんこ”で餅米を包んであるって書いてあるよ。
その他のは“練り切り”ってんで色は花で着色してあるから安心だと・・・。
《故郷の味です。祖母が大好きでした。ご賞味下さい》だってさ。
あれ?この袋は・・・《甘いのに飽きたら、こちらもどうぞ。“かき餅”といってお煎餅です。》って気の利く子だよ。」
「フフフ。イオリ君らしいですね。
それでは頂きましょう。」
その後、2人は甘味の世界に入っていき職員が仕事で訪れると恍惚とした表情でボーッとした姿を見せてしまったらしい。
「「ワガシ、美味!!」」
同じく王城では王妃シシリアを筆頭にポーレット公爵夫人オルガと小さなお友達達がイオリの新たなお菓子の虜になっていたのである。
「「「「「「「ワガシ、最高!!」」」」」」
しかし、このワガシは流行る事がなかった。
作らなかったのでは無い。作れなかったのだ。
他の貴族がワガシの噂を聞きつけて他方に探し求めるも終ぞ、手に入れることができなかった。
イオリの指導の元、その技術を手に入れたのはポーレット公爵家の料理人達と王城の1人の若い料理人のみだった。
この芸術のようなお菓子は国王兄弟の特別なメニューとして歴史に残った。
《ポーレット公爵家から教授を受けたワガシは歴代のアースガイル国王が王妃に管理を任せた特別なる茶菓子である。
これらのレシピは門外不出により、表に出た場合は世の中に混乱を起こすと心えよ。》
「どうしたんです?良い事でもありました?」
「ちょっとね。」
いそいそとお茶を入れ始めるミラにハンターは益々眉間にシワを寄せた。
「ちょっとって何ですか?」
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「ほう・・・。その箱ですね?興味深い。
でっ、何です?」
ミラは舌打ちをするとハンターを手招きした。
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「えぇ、ご相伴に預かりましょう。」
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「美しいですね・・・。初めて見ました。」
ハンターが感嘆すると、ミラも目を輝かせていた。
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真っ黒なのが“おはぎ”と言うらしいよ。豆を甘く煮てペーストにした“あんこ”で餅米を包んであるって書いてあるよ。
その他のは“練り切り”ってんで色は花で着色してあるから安心だと・・・。
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あれ?この袋は・・・《甘いのに飽きたら、こちらもどうぞ。“かき餅”といってお煎餅です。》って気の利く子だよ。」
「フフフ。イオリ君らしいですね。
それでは頂きましょう。」
その後、2人は甘味の世界に入っていき職員が仕事で訪れると恍惚とした表情でボーッとした姿を見せてしまったらしい。
「「ワガシ、美味!!」」
同じく王城では王妃シシリアを筆頭にポーレット公爵夫人オルガと小さなお友達達がイオリの新たなお菓子の虜になっていたのである。
「「「「「「「ワガシ、最高!!」」」」」」
しかし、このワガシは流行る事がなかった。
作らなかったのでは無い。作れなかったのだ。
他の貴族がワガシの噂を聞きつけて他方に探し求めるも終ぞ、手に入れることができなかった。
イオリの指導の元、その技術を手に入れたのはポーレット公爵家の料理人達と王城の1人の若い料理人のみだった。
この芸術のようなお菓子は国王兄弟の特別なメニューとして歴史に残った。
《ポーレット公爵家から教授を受けたワガシは歴代のアースガイル国王が王妃に管理を任せた特別なる茶菓子である。
これらのレシピは門外不出により、表に出た場合は世の中に混乱を起こすと心えよ。》
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