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新たな旅 ー王都ー
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「王太子殿下でいらっしゃいましたか、冒険者をしていますイオリと申します。
無作法者故、無礼はご容赦を」
膝をついて挨拶をするとギルバートはニコライに似た笑い方でイオリの肩を叩いた。
「硬くならないで良いぞ。
君がイオリか。父上も私たちも会えるのを楽しみにしていたんだ。」
イオリが立ち上がり照れた笑顔を向けると満足そうに頷いた。
「想像していたよりも若いな。
沢山の知識を持った優れた冒険者と聞いた。
ポーレットの危機を助けてくれたとか。
父より先に礼を言おう。
叔父や従兄弟、そしてアースガイルの民を助けてくれて感謝する。」
頭を下げるギルバートにイオリは慌てた。
「仕事でしたことです。お礼はすでに公爵からいただいています。
どうかお気になさらずに。
ヴァルトさん!笑ってないで、止めてください!!」
「イオリ。諦めろ。ギル兄様はこんなお人だ。
貴族だろうと民だろうと頭を下げられる心の強い人だ。」
どうだ!と胸を張るヴァルトに眉を下げイオリは溜息を吐いた。
「殿下のお礼、しかと受け取りました。
今後もお力になれるように励みます。」
「そうか!良かった!
それにしても、ヴァルトは名前で私は殿下か・・・。
ヨシッ!イオリ。私の事はギルと呼べ!」
ギルバートの有難いお言葉にもイオリは顔を歪めた。
「おい。ヴァルト、イオリがものすごーく嫌そうな顔をしているぞ・・・?」
「あははははは!!」
「ヴァルトさん!!」
3人のやり取りを聞いていたハミルトンがギルバートに言った。
「イオリ様は聡明な方。
殿下を名前呼びして、後々面倒に巻き込まれる事まで分かっておいでなのでしょう。
だからこそ、このお顔なのでございます。」
「そうか・・・。
ヨシっ!身内だけの時はギルと呼べ。
人前では殿下で良いぞ。」
継続して嫌そうな顔をするイオリにハミルトンは咳払いをして近づいた。
「殿下の譲歩でございます。
イオリさん、諦めましょう。」
「はぁぁぁぁぁー。分かりました。ギルさん。
どうぞ、よろしくお願いします。」
「よしっ!」
エトワールの庭にはヴァルトとギルバートの笑い声とイオリの大きな溜息が響いた。
「ついでだ。叔父上にも挨拶をしてこよう。」
「殿下。ポーレット公爵は本日、どなたともお会いになりません。
国王陛下でさえもです。
それに、殿下もお暇ではないはず。あちらに・・・。」
ハミルトンが手を差し伸ばす先には3人の男が怒った顔で走っていた。
「ギルバーーーーート!!!」
「まずい!ではな!イオリ。
また会おう。」
そそくさと逃げるギルバートを2人の従者が追いかけ、1人の青年は立ち止まって溜息を吐いた。
「全く兄さんは・・・。ハァ。
ヴァルト久しぶりだね。元気だった?」
眼鏡をかけなおした青年はヴァルトに向かい笑顔で挨拶をした。
「やあ、ディー。
元気だよ。相変わらず、ギル兄様の後始末?」
「あの人はいつになっても変わらないんだ。
それで?真っ黒な君がイオリかい?」
単刀直入に聞いてきた眼鏡の青年は先程とは違う真剣な眼差しをイオリに向けてきた。
無作法者故、無礼はご容赦を」
膝をついて挨拶をするとギルバートはニコライに似た笑い方でイオリの肩を叩いた。
「硬くならないで良いぞ。
君がイオリか。父上も私たちも会えるのを楽しみにしていたんだ。」
イオリが立ち上がり照れた笑顔を向けると満足そうに頷いた。
「想像していたよりも若いな。
沢山の知識を持った優れた冒険者と聞いた。
ポーレットの危機を助けてくれたとか。
父より先に礼を言おう。
叔父や従兄弟、そしてアースガイルの民を助けてくれて感謝する。」
頭を下げるギルバートにイオリは慌てた。
「仕事でしたことです。お礼はすでに公爵からいただいています。
どうかお気になさらずに。
ヴァルトさん!笑ってないで、止めてください!!」
「イオリ。諦めろ。ギル兄様はこんなお人だ。
貴族だろうと民だろうと頭を下げられる心の強い人だ。」
どうだ!と胸を張るヴァルトに眉を下げイオリは溜息を吐いた。
「殿下のお礼、しかと受け取りました。
今後もお力になれるように励みます。」
「そうか!良かった!
それにしても、ヴァルトは名前で私は殿下か・・・。
ヨシッ!イオリ。私の事はギルと呼べ!」
ギルバートの有難いお言葉にもイオリは顔を歪めた。
「おい。ヴァルト、イオリがものすごーく嫌そうな顔をしているぞ・・・?」
「あははははは!!」
「ヴァルトさん!!」
3人のやり取りを聞いていたハミルトンがギルバートに言った。
「イオリ様は聡明な方。
殿下を名前呼びして、後々面倒に巻き込まれる事まで分かっておいでなのでしょう。
だからこそ、このお顔なのでございます。」
「そうか・・・。
ヨシっ!身内だけの時はギルと呼べ。
人前では殿下で良いぞ。」
継続して嫌そうな顔をするイオリにハミルトンは咳払いをして近づいた。
「殿下の譲歩でございます。
イオリさん、諦めましょう。」
「はぁぁぁぁぁー。分かりました。ギルさん。
どうぞ、よろしくお願いします。」
「よしっ!」
エトワールの庭にはヴァルトとギルバートの笑い声とイオリの大きな溜息が響いた。
「ついでだ。叔父上にも挨拶をしてこよう。」
「殿下。ポーレット公爵は本日、どなたともお会いになりません。
国王陛下でさえもです。
それに、殿下もお暇ではないはず。あちらに・・・。」
ハミルトンが手を差し伸ばす先には3人の男が怒った顔で走っていた。
「ギルバーーーーート!!!」
「まずい!ではな!イオリ。
また会おう。」
そそくさと逃げるギルバートを2人の従者が追いかけ、1人の青年は立ち止まって溜息を吐いた。
「全く兄さんは・・・。ハァ。
ヴァルト久しぶりだね。元気だった?」
眼鏡をかけなおした青年はヴァルトに向かい笑顔で挨拶をした。
「やあ、ディー。
元気だよ。相変わらず、ギル兄様の後始末?」
「あの人はいつになっても変わらないんだ。
それで?真っ黒な君がイオリかい?」
単刀直入に聞いてきた眼鏡の青年は先程とは違う真剣な眼差しをイオリに向けてきた。
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