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新たな旅 ー王都ー
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「こちらがイオリ様達のお部屋にございます。
皆さま同室にさせていただいております。
湯あみはこちらにございます。
従魔の皆様には毛布などをご用意しておりますが宜しかったでしょうか?」
案内をしてくれたメイドさんが部屋の説明をしてくれた。
「十分です!ありがとうございます。
とても綺麗なお部屋ですね。」
「ご滞在中は気兼ねなくお過ごしくださいますように、何なりとお申し付け下さい。」
頭を下げてくれたメイドさんに申し訳なさを感じながらもイオリは微笑んだ。
「さぁ、旅の汚れを落とそう。みんなお風呂に入っておいで。」
「「「「はーい!」」」」
メイドと共にお風呂に行く子供達を見送りイオリは窓から顔を出した。
「王立騎士団とポーレット騎士団が配備されてるから、ここ以上に安全な場所はないが気になる事でもあるのか?」
イオリに次いで窓から顔を出すヒューゴは庭を見渡した。
「普通はないよね。でも屋根とかは大丈夫かな?
それに、アマメとかクラーケンみたいに巨大な魔獣を使われたんじゃ意味がないし・・・。」
その時ノックの音がしてハミルトンが部屋に入って来た。
「何かありましたか?」
イオリ達が窓から顔を出しているのを不思議そうな顔でハミルトンは見つめた。
「騎士団さん達の警備は信頼しているんですけど、俺たちの目から見て警備の穴はないかと考えていました。
屋根なんて登れませんよね?」
そんなイオリの言葉に頷くようにしてハミルトンは顎に手をやり考えた。
「シールドと対人感知魔法はかけられていますが、何事にも完璧などございませんね。
お仕度が整いましたら、公爵が謁見されている間に離宮の屋敷をご案内いたしましょう。
その際に屋根に繋がる階段もご紹介します。」
「助かります。仮にも護衛の任を受けてますからね。
しっかり働かないと・・・。」
そんなイオリにクスクスとハミルトンは笑った。
「兄が言っておりました。
イオリさんは希有な方であると。
どうぞ、王都でのご滞在が楽しいものでありますようにお手伝いさせてください。」
ハミルトンの存在により王都での生活も何とかなりそうだと安堵するイオリであった。
________
王城にある謁見の間。
ここは王が他国の来賓や大切な客などを迎える時に使われる部屋である。
ザワザワと集まった貴族達が今か今かと待っていると1人の男が現れ玉座に座ると一瞬で静かになった。
周りが恭しく頭を下げた、その男こそ現王アルフレッド・アースガイルである。
国王が座るとすぐに謁見の間の扉が開かれ1人の男を先頭に一団が入場して来た。
男の少し後ろに妻が立ちその後ろに息子達、その一列後ろにそれぞれの従者が並び膝をついた。
「表をあげよ。長旅ご苦労だった。ポーレット公爵。」
「お久しぶりにございます。
陛下におかれましてはお健勝なご様子。安堵いたしました。
この度は思いもかけず、王妃殿下の茶会に招待いただき馳せ参じましてございます。」
「うむ。久々に弟と語らいたいと思ったのだ。
我儘を許せよ。オルガも息災で何よりだ。」
「有り難きお言葉に存じます。
陛下のご尊顔拝しまして光栄にございます。」
「ニコライ。ヴァルトもよく来た。
王都滞在を楽しむが良い。」
「「はっ!有難き幸せ。」」
「テオルド。久しぶりじゃ。
後ほど語りおうぞ。」
「はっ。それでは、これにて失礼を・・・。」
もう一度頭を下げるとポーレット公爵一行は謁見の間を後にした。
「久々にお揃いになるところを見たな。」
「確かに・・・。ポーレット公爵が王都へいらっしゃる事も少ないですからな。」
「いやいや、オルガ夫人も相変わらず美しい。」
「何よりも、御子息の御2人の立派になられた事だ。
我が家に妙齢の娘がいないのが口惜しい。」
「今は王太子妃の選出中・・・。多くの令嬢が王都に集まっておる。
あぶれた令嬢が狙っているのではないか?」
「確かに確かに・・・。」
ポーレット公爵が出て行ってから、コソコソと話す貴族の中、壇上に座る国王だけは隠した口元を緩めていた。
皆さま同室にさせていただいております。
湯あみはこちらにございます。
従魔の皆様には毛布などをご用意しておりますが宜しかったでしょうか?」
案内をしてくれたメイドさんが部屋の説明をしてくれた。
「十分です!ありがとうございます。
とても綺麗なお部屋ですね。」
「ご滞在中は気兼ねなくお過ごしくださいますように、何なりとお申し付け下さい。」
頭を下げてくれたメイドさんに申し訳なさを感じながらもイオリは微笑んだ。
「さぁ、旅の汚れを落とそう。みんなお風呂に入っておいで。」
「「「「はーい!」」」」
メイドと共にお風呂に行く子供達を見送りイオリは窓から顔を出した。
「王立騎士団とポーレット騎士団が配備されてるから、ここ以上に安全な場所はないが気になる事でもあるのか?」
イオリに次いで窓から顔を出すヒューゴは庭を見渡した。
「普通はないよね。でも屋根とかは大丈夫かな?
それに、アマメとかクラーケンみたいに巨大な魔獣を使われたんじゃ意味がないし・・・。」
その時ノックの音がしてハミルトンが部屋に入って来た。
「何かありましたか?」
イオリ達が窓から顔を出しているのを不思議そうな顔でハミルトンは見つめた。
「騎士団さん達の警備は信頼しているんですけど、俺たちの目から見て警備の穴はないかと考えていました。
屋根なんて登れませんよね?」
そんなイオリの言葉に頷くようにしてハミルトンは顎に手をやり考えた。
「シールドと対人感知魔法はかけられていますが、何事にも完璧などございませんね。
お仕度が整いましたら、公爵が謁見されている間に離宮の屋敷をご案内いたしましょう。
その際に屋根に繋がる階段もご紹介します。」
「助かります。仮にも護衛の任を受けてますからね。
しっかり働かないと・・・。」
そんなイオリにクスクスとハミルトンは笑った。
「兄が言っておりました。
イオリさんは希有な方であると。
どうぞ、王都でのご滞在が楽しいものでありますようにお手伝いさせてください。」
ハミルトンの存在により王都での生活も何とかなりそうだと安堵するイオリであった。
________
王城にある謁見の間。
ここは王が他国の来賓や大切な客などを迎える時に使われる部屋である。
ザワザワと集まった貴族達が今か今かと待っていると1人の男が現れ玉座に座ると一瞬で静かになった。
周りが恭しく頭を下げた、その男こそ現王アルフレッド・アースガイルである。
国王が座るとすぐに謁見の間の扉が開かれ1人の男を先頭に一団が入場して来た。
男の少し後ろに妻が立ちその後ろに息子達、その一列後ろにそれぞれの従者が並び膝をついた。
「表をあげよ。長旅ご苦労だった。ポーレット公爵。」
「お久しぶりにございます。
陛下におかれましてはお健勝なご様子。安堵いたしました。
この度は思いもかけず、王妃殿下の茶会に招待いただき馳せ参じましてございます。」
「うむ。久々に弟と語らいたいと思ったのだ。
我儘を許せよ。オルガも息災で何よりだ。」
「有り難きお言葉に存じます。
陛下のご尊顔拝しまして光栄にございます。」
「ニコライ。ヴァルトもよく来た。
王都滞在を楽しむが良い。」
「「はっ!有難き幸せ。」」
「テオルド。久しぶりじゃ。
後ほど語りおうぞ。」
「はっ。それでは、これにて失礼を・・・。」
もう一度頭を下げるとポーレット公爵一行は謁見の間を後にした。
「久々にお揃いになるところを見たな。」
「確かに・・・。ポーレット公爵が王都へいらっしゃる事も少ないですからな。」
「いやいや、オルガ夫人も相変わらず美しい。」
「何よりも、御子息の御2人の立派になられた事だ。
我が家に妙齢の娘がいないのが口惜しい。」
「今は王太子妃の選出中・・・。多くの令嬢が王都に集まっておる。
あぶれた令嬢が狙っているのではないか?」
「確かに確かに・・・。」
ポーレット公爵が出て行ってから、コソコソと話す貴族の中、壇上に座る国王だけは隠した口元を緩めていた。
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