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新たな旅
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「渓谷が見えて来ます!」
先頭を走る騎士から報告が上がった。
「どうだ?イオリの様子は?」
テオルドは馬車の横を走るノアに声をかけた。
「まだ合図はありません。このまま進みますか?」
「大丈夫。イオリを信じて下さい。ほら。」
馬車を運転しているヒューゴが指をさすと木々の中から大きな白い狼が顔を出した。
横からイオリが姿を表すと手を振っている。
「主、大丈夫なようです。進みます。」
ノアはテオルドに伝えると騎士団の数名と共に走り出した。
「ゼン。下に降りようかう。」
『この人達はどうする??』
振り向いて縛り上げている盗賊達を見たイオリは考え込むと
「ノアさんに相談しよう。」
そう言ってゼンに跨り下に降りた。
すると、すぐにノアがやって来た。
「イオリ!何かあったか?」
「盗賊がここで網を張ってたみたいです。
上に縛り上げてますけど、どうしましょう?」
ノアは後ろに控える騎士に頷くと3人の騎士は山を駆け上って行った。
「あの者達がポーレットまで連行する。
我々はこのまま進むもう。」
「了解です。」
再びポーレット公爵一行と合流すると、この日のキャンプ地へ向かって行った。
「今日は皆、ご苦労だった。明日の旅も宜しく頼む。」
そう言うと、テオルドは公爵にもかかわらず野営の準備を進める騎士団に加わっていた。
「あんなところがテオさんの良いところだよね・・・。」
イオリが呟くとゼンとヒューゴは頷いていた。
「お前らの準備はもう良いのか?」
横から歩いてきたヴァルトが手を払いながらやって来た。
「俺達はテントを張るだけなんで・・・。ヴァルトさんは何してたんですか?」
「ずっと馬車だったからな。連れて来ていた愛馬に水と餌をやってきていた。
クロムスも飽きたろう?今なら、ゼンと遊んでいて良いぞ?」
それを聞くとクロムスはゼンの顔に飛びつくと大はしゃぎで喜んでいた。
「さてと・・・夕飯の準備でもしますかね!」
腰を伸ばすとイオリは馬車の後ろを開けて、いつもの通り準備を始めた。
テントに入り冷蔵庫から大きな寸胴を取り出すと外の焚き火にくべた。
「焦げやすいから、弱火でね。
俺はコッチで米炊いてるから、頼むね。」
スコルに火の番を頼むとイオリは土鍋の準備を始めた。
「何をしてんだ?飯なら、みんなそれぞ干し肉とか持って来ているぞ?
まさか、夕飯まで準備していたのか?」
ヴァルトは驚くようにイオリとスコルを見つめると2人のニッコリ顔に唖然とした。
「もう、昨日のうちに仕込みは出来てるんですよ。今は、米を炊いて温めているだけ。
ずっと試していた料理が出来たんで、皆さんで食べましょう。
さぁ、ヴァルトさん!ボーッとしてないで皆さんに声かけて下さい。」
「おぉ・・・。行ってくる。」
慌てて去るヴァルトを見送るとイオリはパティを呼んだ。
「モーナさんに声をかけて、オルガ夫人をお風呂に案内してくれるかい?
ニナとパティも一緒に入っておいで。」
「了解!!任せて!ニナ行こう。」
「俺は、ノアさんに声かけて周辺にシールド張ってくるわ。
デニさんにばかり任せてられないからな。」
そう言うと、ヒューゴは公爵のテントへ向かって行った。
テントから顔を出すナギは自分は何をしようかとソワソワしているとイオリから何か曲をと言われニッコリ笑い頷いた。
ナギが奏でる曲に野営の準備を進める騎士達は穏やかな気持ちになり微笑んで聞いていた。
先頭を走る騎士から報告が上がった。
「どうだ?イオリの様子は?」
テオルドは馬車の横を走るノアに声をかけた。
「まだ合図はありません。このまま進みますか?」
「大丈夫。イオリを信じて下さい。ほら。」
馬車を運転しているヒューゴが指をさすと木々の中から大きな白い狼が顔を出した。
横からイオリが姿を表すと手を振っている。
「主、大丈夫なようです。進みます。」
ノアはテオルドに伝えると騎士団の数名と共に走り出した。
「ゼン。下に降りようかう。」
『この人達はどうする??』
振り向いて縛り上げている盗賊達を見たイオリは考え込むと
「ノアさんに相談しよう。」
そう言ってゼンに跨り下に降りた。
すると、すぐにノアがやって来た。
「イオリ!何かあったか?」
「盗賊がここで網を張ってたみたいです。
上に縛り上げてますけど、どうしましょう?」
ノアは後ろに控える騎士に頷くと3人の騎士は山を駆け上って行った。
「あの者達がポーレットまで連行する。
我々はこのまま進むもう。」
「了解です。」
再びポーレット公爵一行と合流すると、この日のキャンプ地へ向かって行った。
「今日は皆、ご苦労だった。明日の旅も宜しく頼む。」
そう言うと、テオルドは公爵にもかかわらず野営の準備を進める騎士団に加わっていた。
「あんなところがテオさんの良いところだよね・・・。」
イオリが呟くとゼンとヒューゴは頷いていた。
「お前らの準備はもう良いのか?」
横から歩いてきたヴァルトが手を払いながらやって来た。
「俺達はテントを張るだけなんで・・・。ヴァルトさんは何してたんですか?」
「ずっと馬車だったからな。連れて来ていた愛馬に水と餌をやってきていた。
クロムスも飽きたろう?今なら、ゼンと遊んでいて良いぞ?」
それを聞くとクロムスはゼンの顔に飛びつくと大はしゃぎで喜んでいた。
「さてと・・・夕飯の準備でもしますかね!」
腰を伸ばすとイオリは馬車の後ろを開けて、いつもの通り準備を始めた。
テントに入り冷蔵庫から大きな寸胴を取り出すと外の焚き火にくべた。
「焦げやすいから、弱火でね。
俺はコッチで米炊いてるから、頼むね。」
スコルに火の番を頼むとイオリは土鍋の準備を始めた。
「何をしてんだ?飯なら、みんなそれぞ干し肉とか持って来ているぞ?
まさか、夕飯まで準備していたのか?」
ヴァルトは驚くようにイオリとスコルを見つめると2人のニッコリ顔に唖然とした。
「もう、昨日のうちに仕込みは出来てるんですよ。今は、米を炊いて温めているだけ。
ずっと試していた料理が出来たんで、皆さんで食べましょう。
さぁ、ヴァルトさん!ボーッとしてないで皆さんに声かけて下さい。」
「おぉ・・・。行ってくる。」
慌てて去るヴァルトを見送るとイオリはパティを呼んだ。
「モーナさんに声をかけて、オルガ夫人をお風呂に案内してくれるかい?
ニナとパティも一緒に入っておいで。」
「了解!!任せて!ニナ行こう。」
「俺は、ノアさんに声かけて周辺にシールド張ってくるわ。
デニさんにばかり任せてられないからな。」
そう言うと、ヒューゴは公爵のテントへ向かって行った。
テントから顔を出すナギは自分は何をしようかとソワソワしているとイオリから何か曲をと言われニッコリ笑い頷いた。
ナギが奏でる曲に野営の準備を進める騎士達は穏やかな気持ちになり微笑んで聞いていた。
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