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帰還 〜ポーレット〜
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「いーやー!」
「ほんの少しで良いんだ。ちょっとだけだから。お願い!!」
「いーやー!」
先程から行われているのはバートとニナによる、ぬぐるみリュック争奪戦である。
と言ってもニナがバートに貸すのを嫌がっていると言う事に尽きるが、周りは微笑んで見ていた。
「驚きましたね。突然、話し始めるんですから・・・。
アーベルさんに会いたかったんですかね。」
イオリの言葉にヒューゴも頷いた。
「何にしても、嬉しいよ。これからは、あの子の声が聞けるんだな。」
「良かったな。なんて可愛い声なんだ。テオルド様もオルガ様もお喜びいただけるだろう。」
ニナの一言目が自分に向けてだった事にまんざらでもなく喜ぶアーベルはすでに、自分の孫の様にニナを見つめていた。
ニナとバートの間をゼンとアウラが防護壁になり、双子が両手を広げて守っていた。
「ニナ。ぼくの飴余ってるからあげるね。」
ナギは飴を3つ差し出すとニナは嬉しそうにゼンちゃん2号のポケットにしまい。
「ありあとー。」
と笑顔でナギにお礼を言っていた。
「あー。ちょっと!ちょっとだけだから!」
焦るバートに双子が首を横に振った。
「「ニナが嫌ならダメだよ!」」
「うーーー・・・。」
唸るバートを無視してハンスは床に座っているニナに近づき小さな声で声を掛けた。
「ニナちゃん。可愛らしいお人形ですね。」
「うん。ゼンちゃん2ごうなの。」
「ゼンさんそっくりですね。
イオリ様がお作りになったとか?」
「そうだよ!イオリがニナの為に作ったんだ。
ねー。」
「ねー。」
ナギとニナが顔を合わすとハンスに笑顔を向けた。
ニナはハンスにゼンちゃん2号を差し出すとお腹を見せた。
「アメはココ。クッキーもあるの。」
「それは素晴らしい。
少し見せていただいても構いませんか?」
「あい。」
ゼンちゃん2号を受け取るとハンスは色んな角度から見つめ、出来の良さに驚いた。
「本当にイオリ様は器用ですね。
縫い目も目立たないように工夫されていますし、これは・・・。
背負う紐の長さの調節ができるようになっているのですか?
ありがとうございました。」
ハンスはすぐにニナに返すと、ぬいぐるみを大事そうに抱きしめるニナに礼を言いつつイオリに顔を向けた。
「はい。子供ってすぐに大きくなるじゃないですか。
特にニナは物を大切に使うので、長く使ってくれるんじゃないかと思いまして。」
後々の事まで考えるイオリにアーベルは頷いた。
「良い考えだ。
どうだ?ハンス。構造は理解したか?」
「はい。いかに軽く製造し、形が崩れないようにするかを考えるべきです。
マジックボックスは背中側につける事で盗みの心配もありません。
子供に持たせるには良いと思います。」
「なんで・・・。なんで・・・。」
落ち込むバートは床に膝をついていた。
「どうしてハンスは良くて、私はダメなんだ・・・。」
ハンスはバートの肩を叩き眉を下げた。
「バート様は威圧があり、しつこいんですよ。」
「!!!!!そんな!
私は、人生で威圧があるなんて言われた事ないぞ!」
「大人と子供の反応は違いますから。」
恨めしい目をニナに送ると、ニナはぬいぐるみをギュッと抱きしめ首をイヤイヤと振った。
「まぁ、いつか貸してくれますよ。
バートさんが悪い人でない事は分かってると思うので。」
「すみません。」
笑うイオリと申し訳なさそうに頭を下げるヒューゴに溜息を吐いたバートである。
「ほんの少しで良いんだ。ちょっとだけだから。お願い!!」
「いーやー!」
先程から行われているのはバートとニナによる、ぬぐるみリュック争奪戦である。
と言ってもニナがバートに貸すのを嫌がっていると言う事に尽きるが、周りは微笑んで見ていた。
「驚きましたね。突然、話し始めるんですから・・・。
アーベルさんに会いたかったんですかね。」
イオリの言葉にヒューゴも頷いた。
「何にしても、嬉しいよ。これからは、あの子の声が聞けるんだな。」
「良かったな。なんて可愛い声なんだ。テオルド様もオルガ様もお喜びいただけるだろう。」
ニナの一言目が自分に向けてだった事にまんざらでもなく喜ぶアーベルはすでに、自分の孫の様にニナを見つめていた。
ニナとバートの間をゼンとアウラが防護壁になり、双子が両手を広げて守っていた。
「ニナ。ぼくの飴余ってるからあげるね。」
ナギは飴を3つ差し出すとニナは嬉しそうにゼンちゃん2号のポケットにしまい。
「ありあとー。」
と笑顔でナギにお礼を言っていた。
「あー。ちょっと!ちょっとだけだから!」
焦るバートに双子が首を横に振った。
「「ニナが嫌ならダメだよ!」」
「うーーー・・・。」
唸るバートを無視してハンスは床に座っているニナに近づき小さな声で声を掛けた。
「ニナちゃん。可愛らしいお人形ですね。」
「うん。ゼンちゃん2ごうなの。」
「ゼンさんそっくりですね。
イオリ様がお作りになったとか?」
「そうだよ!イオリがニナの為に作ったんだ。
ねー。」
「ねー。」
ナギとニナが顔を合わすとハンスに笑顔を向けた。
ニナはハンスにゼンちゃん2号を差し出すとお腹を見せた。
「アメはココ。クッキーもあるの。」
「それは素晴らしい。
少し見せていただいても構いませんか?」
「あい。」
ゼンちゃん2号を受け取るとハンスは色んな角度から見つめ、出来の良さに驚いた。
「本当にイオリ様は器用ですね。
縫い目も目立たないように工夫されていますし、これは・・・。
背負う紐の長さの調節ができるようになっているのですか?
ありがとうございました。」
ハンスはすぐにニナに返すと、ぬいぐるみを大事そうに抱きしめるニナに礼を言いつつイオリに顔を向けた。
「はい。子供ってすぐに大きくなるじゃないですか。
特にニナは物を大切に使うので、長く使ってくれるんじゃないかと思いまして。」
後々の事まで考えるイオリにアーベルは頷いた。
「良い考えだ。
どうだ?ハンス。構造は理解したか?」
「はい。いかに軽く製造し、形が崩れないようにするかを考えるべきです。
マジックボックスは背中側につける事で盗みの心配もありません。
子供に持たせるには良いと思います。」
「なんで・・・。なんで・・・。」
落ち込むバートは床に膝をついていた。
「どうしてハンスは良くて、私はダメなんだ・・・。」
ハンスはバートの肩を叩き眉を下げた。
「バート様は威圧があり、しつこいんですよ。」
「!!!!!そんな!
私は、人生で威圧があるなんて言われた事ないぞ!」
「大人と子供の反応は違いますから。」
恨めしい目をニナに送ると、ニナはぬいぐるみをギュッと抱きしめ首をイヤイヤと振った。
「まぁ、いつか貸してくれますよ。
バートさんが悪い人でない事は分かってると思うので。」
「すみません。」
笑うイオリと申し訳なさそうに頭を下げるヒューゴに溜息を吐いたバートである。
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