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帰還 〜ポーレット〜
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朝の時間、目覚めたポーレットは人の数も増えていた。
イオリ達は初めにパウロ&カーラのお店に入って行った。
「あら!イオリさん。
お帰りなさい。お久しぶりですね!」
久しぶりのカーラは変わらずに華やかに店先に立っていた。
「カーラさん。ただいま帰りました。
お元気そうで何よりです。
新しい家族が増えまして、いつもの通りカップを見に来ました。」
「そうですか!有難うございます。
どうぞ、お好きに見て下さいな。」
カーラの言葉に子供達はヒューゴとニナ、そしてソルを連れてマグカップエリアに向かった。
「パウロさんはお忙しいですか?」
「ふふふ。あの後、耐熱の鍋やお皿に夢中なんです。
今、呼んできますね。」
すぐに顔を出したパウロは嬉しそうにイオリに挨拶をした。
「お帰りなさい。旅はどうでした?」
「ただいま帰りました。面白かったですよ。
アンティティラへ行ったんです。
職人の街だけあって、見るもの全てが興味深かったです。
途中のダンジョンで手に入れたペタライト鉱石なんですけど、お土産に持ってきました。
今も耐熱の研究をしていただいている様で・・・。使って下さい。」
驚いたパウロは首を横に振った。
「ダンジョンなんて危険な場所で得た宝なんて貰えませんよ!
どうぞ、ギルドで売って下さい。」
「ギルドにはギルドに持っていくものがあるんです。
これ、鑑定によると以前のより純度が高いんですよ。
是非、もらって下さい。」
そんな変わりないイオリにパウロは微笑むと袋ごとペタライトを受け取った。
「ありがとうございます。大切に使いますね。
本当に貴方は面白い方です。
また、会えて嬉しいですよ。イオリさん。」
パウロとイオリが続けて土鍋について話していると、ゼンがイオリの袖をクィっと引っ張った。
ヒューゴが黄色がベースのペンドルトンのカップを選び、ニナは小さなピンクベースのカップを選んでいた。
「良いですね。2人に合ってますよ。カーラさん、これらを下さい。ソルは、その可愛いカップでいいんだろ?」
同じ赤でもパティのとは違い、オレンジ色に近い可愛らし小さなカップをソルは気に入ったのか突っついていた。
「まぁ、ありがとうございます!本当に皆さんはご自分にピッタリのを選びますね。ふふふ」
他にも、2人の新しい食器などを購入するとパウロ&カーラの扉を開けた。
「それじゃ、また来ます!」
「ありがとうございました。
またの起こしをお待ちしております。」
「また、顔を出して下さい。土鍋の出来を見て欲しいので。」
頷くイオリを送り出して夫婦は嬉しそうに微笑みあった。
「あのお店にはお世話になっているんですよ。
ガラス瓶から土鍋まで、俺の我儘に答えてくれて。」
「なるほどな。でも、良いのか?俺たちまで買ってもらって。」
マグカップを入れた腰バックをさすりながら聞くヒューゴにイオリは頷いた。
「最初にお店に行った時に双子と決めたんです。
家族でお揃いにしようって。」
嬉しそうにしているニナの頭を撫でながら微笑むイオリにヒューゴも笑うしかなかった。
「ほら。見えてきましたよ。あれがグラトニー商会ポーレット支部ですよ。」
イオリが指差す建物見てヒューゴの顔が固まった・・・。
イオリ達は初めにパウロ&カーラのお店に入って行った。
「あら!イオリさん。
お帰りなさい。お久しぶりですね!」
久しぶりのカーラは変わらずに華やかに店先に立っていた。
「カーラさん。ただいま帰りました。
お元気そうで何よりです。
新しい家族が増えまして、いつもの通りカップを見に来ました。」
「そうですか!有難うございます。
どうぞ、お好きに見て下さいな。」
カーラの言葉に子供達はヒューゴとニナ、そしてソルを連れてマグカップエリアに向かった。
「パウロさんはお忙しいですか?」
「ふふふ。あの後、耐熱の鍋やお皿に夢中なんです。
今、呼んできますね。」
すぐに顔を出したパウロは嬉しそうにイオリに挨拶をした。
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「ただいま帰りました。面白かったですよ。
アンティティラへ行ったんです。
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途中のダンジョンで手に入れたペタライト鉱石なんですけど、お土産に持ってきました。
今も耐熱の研究をしていただいている様で・・・。使って下さい。」
驚いたパウロは首を横に振った。
「ダンジョンなんて危険な場所で得た宝なんて貰えませんよ!
どうぞ、ギルドで売って下さい。」
「ギルドにはギルドに持っていくものがあるんです。
これ、鑑定によると以前のより純度が高いんですよ。
是非、もらって下さい。」
そんな変わりないイオリにパウロは微笑むと袋ごとペタライトを受け取った。
「ありがとうございます。大切に使いますね。
本当に貴方は面白い方です。
また、会えて嬉しいですよ。イオリさん。」
パウロとイオリが続けて土鍋について話していると、ゼンがイオリの袖をクィっと引っ張った。
ヒューゴが黄色がベースのペンドルトンのカップを選び、ニナは小さなピンクベースのカップを選んでいた。
「良いですね。2人に合ってますよ。カーラさん、これらを下さい。ソルは、その可愛いカップでいいんだろ?」
同じ赤でもパティのとは違い、オレンジ色に近い可愛らし小さなカップをソルは気に入ったのか突っついていた。
「まぁ、ありがとうございます!本当に皆さんはご自分にピッタリのを選びますね。ふふふ」
他にも、2人の新しい食器などを購入するとパウロ&カーラの扉を開けた。
「それじゃ、また来ます!」
「ありがとうございました。
またの起こしをお待ちしております。」
「また、顔を出して下さい。土鍋の出来を見て欲しいので。」
頷くイオリを送り出して夫婦は嬉しそうに微笑みあった。
「あのお店にはお世話になっているんですよ。
ガラス瓶から土鍋まで、俺の我儘に答えてくれて。」
「なるほどな。でも、良いのか?俺たちまで買ってもらって。」
マグカップを入れた腰バックをさすりながら聞くヒューゴにイオリは頷いた。
「最初にお店に行った時に双子と決めたんです。
家族でお揃いにしようって。」
嬉しそうにしているニナの頭を撫でながら微笑むイオリにヒューゴも笑うしかなかった。
「ほら。見えてきましたよ。あれがグラトニー商会ポーレット支部ですよ。」
イオリが指差す建物見てヒューゴの顔が固まった・・・。
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