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初めての旅 〜ダグスク〜
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「ギルマス。イオリさん、いらっしゃいましたよ。」
「そう。すぐに通して頂戴。」
「あぁ・・・。少し時間かかるかもしれません。」
受付の男性は扉から覗かせた顔を苦笑させると頬を掻いた。
「? 何かあったの?」
「珊瑚の小箱のビルデさんから軽食を預かって来たそうで、ギルドの職員に配ってくれているんです。
クラーケンの回収組もギリギリ貰えたらしくて、ブルックさんは勿論ハンラン・コージュン・リンファ親子も嬉しそうに貰って行きましたよ。」
それを聞いたソフィアンヌは笑うと頬杖をついた。
「本当に可笑しな子。真っ先に報酬を取りに来ないなんて・・・。
良いわ。配り終わったら来る様に伝えてね。
アナタも少し休憩して軽食、貰いなさいね。」
「はい。失礼します。」
しばらく時間が経った時、扉の向こうが騒がしくなったのに気づいたソフィアンヌは微笑むと自ら扉を開けに行った。
「随分ゆっくりしたじゃない?Sランクさん。」
「あっ!ギルマス!!ビルデさんからギルマスにも食べさせてって言われてるんです。
お持ちしましたよ。」
小さなニナが差し出すとソフィアンヌは蹲み込んで受け取った。
「ありがとう。いただくわね。」
さぁ、食べろとジェスチャーするニナに笑うとソフィアンヌは部屋に入りソファーに座って食べ始めた。
「美味しい。お腹減っていたの。
軽食配ってくれたって聞いわ。ありがとう。あとでビルデにもお礼を行っておくわね。」
「朝食代の代わりに請け負ったんですよ。」
「あら。ギルド外で仕事を受けたの?違法よ?」
「えー!見逃してくださいよ!」
フフフと笑うソフィアンヌは完食するとイオリが入れたお茶を飲んだ。
「美味しいわ。紅茶じゃないのね?」
「「ハーブティーだよ。」」
ソフィアンヌはハーブの説明を受けてニコニコと飲み干した。
「あぁ。疲れが取れた。さぁ、ここからは仕事の話をしましょう。
大方はブルックから聞いてるわ。
貴方達が気づいた事は他にあるかしら?」
イオリがゼンとアウラに目線を送ると2匹は子供達を連れて廊下で遊び始めた。
「聞かせなくても良い事がありますから。」
「よく出来た従魔ね。それで?」
イオリはブルックから聞いているであろう事がからクラーケンの出現が突然だった事について語り出した。
「俺はあの現象を2度ほど見ています。
一度は“明けない魔の森”の闇落ちしたトロール。もう一度はポーレットを襲った“パライソ”の主・アマメ。
闇落ちトロールはナギと出会った事件でして、ナギが目撃したところによると煙の人型が丸い光玉を投げたら出て来たそうです。
アマメは子供が人間に攫われた為に探すうちに闇に染まっていきました。
子供を返すと元に戻り話を聞いたところ、パライソの森を探しても探しても感知できなかった子供が突然感じる事ができる様になり気づいた時に魔の森にいたと言うことでした。
この2つと、いるはずのない入江に突然現れたクラーケンの出現方法は自ずと・・・。」
「誰かに仕組まれた・・・と考える方が正しいわね。」
・・・・。
静まり返ったギルマスの部屋で最初に声を出したのはヒューゴだった。
「双子が踏んづけた男達はどうなってるんです?」
「騎士団が連れて行って尋問中よ。レイナードはトカゲの尻尾切りだって言ってたけど、いつもそれじゃすまされないわよね。」
腕を組むソフィアンヌは歯痒い顔をした。
「関わってる貴族って誰なんですか?
分かってるんでしょ?」
イオリの視線を受けソフィアンヌは首を振った。
「確実じゃないもの。無理はできないわ。相手は貴族よ?」
「じゃあ、ミケルセン伯爵と仲がいい貴族を教えて下さいよ。」
「・・・。教えてどうするの?」
伺う様にソフィアンヌがイオリを見るとイオリは青い目をキラつかせて言った。
「大体において忘れているんですよ。
俺の家族を狙った。実行犯を捕まえただけで俺が放っておくと思います??」
「そう。すぐに通して頂戴。」
「あぁ・・・。少し時間かかるかもしれません。」
受付の男性は扉から覗かせた顔を苦笑させると頬を掻いた。
「? 何かあったの?」
「珊瑚の小箱のビルデさんから軽食を預かって来たそうで、ギルドの職員に配ってくれているんです。
クラーケンの回収組もギリギリ貰えたらしくて、ブルックさんは勿論ハンラン・コージュン・リンファ親子も嬉しそうに貰って行きましたよ。」
それを聞いたソフィアンヌは笑うと頬杖をついた。
「本当に可笑しな子。真っ先に報酬を取りに来ないなんて・・・。
良いわ。配り終わったら来る様に伝えてね。
アナタも少し休憩して軽食、貰いなさいね。」
「はい。失礼します。」
しばらく時間が経った時、扉の向こうが騒がしくなったのに気づいたソフィアンヌは微笑むと自ら扉を開けに行った。
「随分ゆっくりしたじゃない?Sランクさん。」
「あっ!ギルマス!!ビルデさんからギルマスにも食べさせてって言われてるんです。
お持ちしましたよ。」
小さなニナが差し出すとソフィアンヌは蹲み込んで受け取った。
「ありがとう。いただくわね。」
さぁ、食べろとジェスチャーするニナに笑うとソフィアンヌは部屋に入りソファーに座って食べ始めた。
「美味しい。お腹減っていたの。
軽食配ってくれたって聞いわ。ありがとう。あとでビルデにもお礼を行っておくわね。」
「朝食代の代わりに請け負ったんですよ。」
「あら。ギルド外で仕事を受けたの?違法よ?」
「えー!見逃してくださいよ!」
フフフと笑うソフィアンヌは完食するとイオリが入れたお茶を飲んだ。
「美味しいわ。紅茶じゃないのね?」
「「ハーブティーだよ。」」
ソフィアンヌはハーブの説明を受けてニコニコと飲み干した。
「あぁ。疲れが取れた。さぁ、ここからは仕事の話をしましょう。
大方はブルックから聞いてるわ。
貴方達が気づいた事は他にあるかしら?」
イオリがゼンとアウラに目線を送ると2匹は子供達を連れて廊下で遊び始めた。
「聞かせなくても良い事がありますから。」
「よく出来た従魔ね。それで?」
イオリはブルックから聞いているであろう事がからクラーケンの出現が突然だった事について語り出した。
「俺はあの現象を2度ほど見ています。
一度は“明けない魔の森”の闇落ちしたトロール。もう一度はポーレットを襲った“パライソ”の主・アマメ。
闇落ちトロールはナギと出会った事件でして、ナギが目撃したところによると煙の人型が丸い光玉を投げたら出て来たそうです。
アマメは子供が人間に攫われた為に探すうちに闇に染まっていきました。
子供を返すと元に戻り話を聞いたところ、パライソの森を探しても探しても感知できなかった子供が突然感じる事ができる様になり気づいた時に魔の森にいたと言うことでした。
この2つと、いるはずのない入江に突然現れたクラーケンの出現方法は自ずと・・・。」
「誰かに仕組まれた・・・と考える方が正しいわね。」
・・・・。
静まり返ったギルマスの部屋で最初に声を出したのはヒューゴだった。
「双子が踏んづけた男達はどうなってるんです?」
「騎士団が連れて行って尋問中よ。レイナードはトカゲの尻尾切りだって言ってたけど、いつもそれじゃすまされないわよね。」
腕を組むソフィアンヌは歯痒い顔をした。
「関わってる貴族って誰なんですか?
分かってるんでしょ?」
イオリの視線を受けソフィアンヌは首を振った。
「確実じゃないもの。無理はできないわ。相手は貴族よ?」
「じゃあ、ミケルセン伯爵と仲がいい貴族を教えて下さいよ。」
「・・・。教えてどうするの?」
伺う様にソフィアンヌがイオリを見るとイオリは青い目をキラつかせて言った。
「大体において忘れているんですよ。
俺の家族を狙った。実行犯を捕まえただけで俺が放っておくと思います??」
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