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初めての旅 〜ダグスク〜
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昔々、国という概念が無かった時代。
1人の男が現れた。その名をマテオ・アースガイルという。
マテオは各地で起きている飢饉や争い、それについてまわる迫害に心を痛めていた。
世界を見て回ったマテオはまだ小さい港街で1人の男に出会った。
その男は風変わりな姿をしており自分の事を“ブシ”や“サムライ”と言った。
その男は、マテオがこれまで見て来た強き猛者達とは違う志しを持っていた。
弱者を救い強き者へ挑む、男の考え方に感銘を受けたマテオは是非に自分の仲間になって平和な時代をつくる手伝いをして欲しいと願った。
男はマテオに問いかけた。
《平和とは何だ?》
マテオは答えた。
《飢饉や争いをなくしたい。
何よりも迫害をなくしたい。
エルフも獣人も・・・人間も平等な世界を・・・。》
男は再び問いかけた。
《それを成し遂げて何とする?》
マテオは答えた。
《いく歳月が過ぎようとも、私の想いが続く世にしたい。》
男はマテオに向けていた鋭い目を和ませ言った。
《ならば、国を作るしかあるまい。
国を作り、お前が王になれ
そして、法を作れ。
お前が死しても想いは法と共に残る。
しかし、子孫に伝えべくは法のみにあらず想いも一緒に受け継がせよ。
それが、お前が何かを成し遂げたという事だ。》
マテオは男に誓った。
《成し遂げよう。いかいかなる苦難があろうとも、この美しき海とお前と出会ったこの地にかけて・・・。》
マテオはあらゆる苦難をなしとげ、国を作り初代アースガイル国王となった。
止めるのも聞かず港街に帰って行った友に友情の証にと“あの時”誓った場所に教会を建てた。
《忘れてくれるな友よ。私達は2人で1つであった》
_________
「フー!中々、高い所にあるね。教会。」
途中から登山の様な傾斜になった教会までの道のりを終え、振り向くと海がキラキラと光っているのが美しかった。
「宝石みたい!」
スコルと手を繋いで歩いて来たナギが嬉しそうに呟いた。
「確かに宝石が散りばめられたみたいだね。」
ジュウゾウはこの景色に故郷を思い馳せたのかなと、イオリは考え深げに見つめた。
「おーりーろー!」
視線の先には胸にニナを抱き、背にはパティが巻きついていたヒューゴが喚きながら登って来た。
「キャハハハ」と降りるパティはニナに手を出しイオリ達の所まで一緒にやって来た。
1人疲れているのはヒューゴだった。
坂を登ってくる間、子供達が代わる代わるよじ登ってきたのを相手してきたのだから、しょうがない。
イオリは腰バックから水筒を出すと一番にヒューゴに飲ませた。
「お疲れ様でした。」
「悪いな。・・・・美味い。
アイツら、捕まえようとすると俺の頭から足まで移動して逃げるんだもんよ。
普通のトレーニングよりキツイぞ。」
「ハハハハ!」
イオリが笑うと白い教会の扉が開いた。
「おや?お客さんですかな??」
ヒョロっと背の高い男性が現れた。
イオリは近づき会釈をした。
「冒険者をしています。イオリと言います。
旅の報告をリュオン様にしたいのですが祈りをしても良いですか?」
そんなイオリに男性は微笑むと頷き扉を大きく開いてくれた。
「どうぞどうぞ。中は涼しいのです。
遠慮なさらずお入りなさい。」
イオリ達が入ると中ではシスターが祭壇を拭き掃除をしているところだった。
イオリ達に気づくとニッコリとして場所を開けてくれた。
「お掃除中でしたか?すみません。」
「いいえ。いつでも歓迎します。」
イオリ達は祭壇まで行き膝をつきヒューゴは1人並べられた椅子に座り目を閉じた。
昔々、国という概念が無かった時代。
1人の男が現れた。その名をマテオ・アースガイルという。
マテオは各地で起きている飢饉や争い、それについてまわる迫害に心を痛めていた。
世界を見て回ったマテオはまだ小さい港街で1人の男に出会った。
その男は風変わりな姿をしており自分の事を“ブシ”や“サムライ”と言った。
その男は、マテオがこれまで見て来た強き猛者達とは違う志しを持っていた。
弱者を救い強き者へ挑む、男の考え方に感銘を受けたマテオは是非に自分の仲間になって平和な時代をつくる手伝いをして欲しいと願った。
男はマテオに問いかけた。
《平和とは何だ?》
マテオは答えた。
《飢饉や争いをなくしたい。
何よりも迫害をなくしたい。
エルフも獣人も・・・人間も平等な世界を・・・。》
男は再び問いかけた。
《それを成し遂げて何とする?》
マテオは答えた。
《いく歳月が過ぎようとも、私の想いが続く世にしたい。》
男はマテオに向けていた鋭い目を和ませ言った。
《ならば、国を作るしかあるまい。
国を作り、お前が王になれ
そして、法を作れ。
お前が死しても想いは法と共に残る。
しかし、子孫に伝えべくは法のみにあらず想いも一緒に受け継がせよ。
それが、お前が何かを成し遂げたという事だ。》
マテオは男に誓った。
《成し遂げよう。いかいかなる苦難があろうとも、この美しき海とお前と出会ったこの地にかけて・・・。》
マテオはあらゆる苦難をなしとげ、国を作り初代アースガイル国王となった。
止めるのも聞かず港街に帰って行った友に友情の証にと“あの時”誓った場所に教会を建てた。
《忘れてくれるな友よ。私達は2人で1つであった》
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「フー!中々、高い所にあるね。教会。」
途中から登山の様な傾斜になった教会までの道のりを終え、振り向くと海がキラキラと光っているのが美しかった。
「宝石みたい!」
スコルと手を繋いで歩いて来たナギが嬉しそうに呟いた。
「確かに宝石が散りばめられたみたいだね。」
ジュウゾウはこの景色に故郷を思い馳せたのかなと、イオリは考え深げに見つめた。
「おーりーろー!」
視線の先には胸にニナを抱き、背にはパティが巻きついていたヒューゴが喚きながら登って来た。
「キャハハハ」と降りるパティはニナに手を出しイオリ達の所まで一緒にやって来た。
1人疲れているのはヒューゴだった。
坂を登ってくる間、子供達が代わる代わるよじ登ってきたのを相手してきたのだから、しょうがない。
イオリは腰バックから水筒を出すと一番にヒューゴに飲ませた。
「お疲れ様でした。」
「悪いな。・・・・美味い。
アイツら、捕まえようとすると俺の頭から足まで移動して逃げるんだもんよ。
普通のトレーニングよりキツイぞ。」
「ハハハハ!」
イオリが笑うと白い教会の扉が開いた。
「おや?お客さんですかな??」
ヒョロっと背の高い男性が現れた。
イオリは近づき会釈をした。
「冒険者をしています。イオリと言います。
旅の報告をリュオン様にしたいのですが祈りをしても良いですか?」
そんなイオリに男性は微笑むと頷き扉を大きく開いてくれた。
「どうぞどうぞ。中は涼しいのです。
遠慮なさらずお入りなさい。」
イオリ達が入ると中ではシスターが祭壇を拭き掃除をしているところだった。
イオリ達に気づくとニッコリとして場所を開けてくれた。
「お掃除中でしたか?すみません。」
「いいえ。いつでも歓迎します。」
イオリ達は祭壇まで行き膝をつきヒューゴは1人並べられた椅子に座り目を閉じた。
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