3 / 11
報告会
しおりを挟む
ふわぁ…今日も良く寝た!
皆様、おはこんにちこんばんは!私、九天神の一角であり『製造者』LvMAXの『ツー』と申します!
今日も今日とて、いっぱい発明していきますよー!
なんて、思いながら起きるは、このセント・クリヌゥス王国で三分の一を占めている工業地帯の責任者であり、九天神最年少の天才であるツーだった。
「ツー、朝ごはん出来てるわよー。起きなさーい」
「あ!はーい、お母さーん」
キッチンの方から、水道を捻る音が聞こえる。
ツーは、自身のいつも着ている作業服に着替え、キッチンの方に向かうと、そこには、髪の毛を後ろで束ね、清潔なエプロン姿でフライパンを洗っている
ツーの働く職場でもある『工業地帯』の立場上No.2のである『製造者』Lv30の『ジルコン』の姿があった。
「今日のご飯はなーん……げっ…お母さーん。私トマト食べれないよー」
「もう、昔はバクバク食べれてたのに、何言ってるの」
「昔はあれしか食べ物が無かったからでしょー!もー」
その昔、ジルコンが栽培していたトマトを他家族と皆で分け合っていたのだが、身体が一番小さいツーは皆からトマトを与えられ食べ過ぎ、そこからトマトが苦手となったのである。
「ほら、早く食べちゃいなさい。今日は報告会に出てからの出勤でしょ?」
「報告会……?…あ…時間は!」
「大丈夫よ~、ちゃんと二時間前には起こしてますから」
「…ふぅ、良かった。ありがとうお母さん!」
そう、お礼を言いながら、ツーは朝食を摂るのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「それじゃあお母さん!行ってきます!」
「はい、行ってらっしゃい。気を付けてね」
「はーい!」
元気よく、部屋から出たツーは、報告会を行うホールへと向かった。
『報告会とは!』
それぞれの九天神とそれぞれの部下代表一人を入れた十八名での定期報告会である。
隣国からの要請や貿易に関する内容。今月の資金や魔法薬開発、民の様子や他国の戦争の様子。
様々な事を話あうのだ。
そして、九天神の一角であり『工業地帯責任者』であるツーは、いつもこの報告会に一番乗りで来ている偉い子なのだ!
「…ねー、ジェムー。やっぱりこの前の全自動卵割り機持ってきた方が良かったんじゃないのー?」
「いやいやいやいや、ツーちゃん?この前工業地帯各リーダーで話し合って決めたでしょ?」
白布が被った台車にもたれ掛かりながら、ツーと話すこの人物は、ツーと同じ工業地帯で働いている、いつも柄物の半袖のシャツと短パンを履いているNO.3の実力と生産製を誇る男。
『製造者』Lv83であり、武器製造工場ライン長の『ジェム』である。
この際だから、セント・クリヌゥス王国の三分の一を占める、工業地帯と『製造者』について説明もしておこう。
まず最初に『製造者』とは、様々な製造分野の才能を一個に纏めた物の事を指す役職である。
例えば、『製造者A』と『製造者B』がいたとして、片方の『製造者A』が様々な料理を作れる才能がある『製造者』だとしても
その料理の才能を『製造者B』は持っているとは限らないという話である。
この才能は法則性は無く、完全ランダムで決まっているらしく、その種類は現在確認されているものでも
『料理』『武器』『防具』『機械』『農作物』『畜産物』『建築』『道具』の八個である。
どれもが何かを『生み出している』という点で、判断されているらしい。
そして、その八個のラインを区切り、日々の研究や民への販売、輸出品製造とし毎日働いているのが、ツー率いる工業地帯である。
そして、『製造者』LvMAXであるツーにだけ許されたのは、全ての製造者としての才能が備わっているという点である。
(ホント…越えられない壁ってね…。僕より年下なのになぁ)
「うふふ、相変わらずお二人は早いわね」
「あっ!チウさん!」
そんな事をしていると、突然。このホール唯一の出入り口が開き、チウ率いる『酪農住民課』が現れた。
酪農住民課とは、文字通り酪農と住民の問題を中心に解決する課である。
酪農とは言うものの、その酪農の中には様々な意味が詰まっており、文字通り民や貿易で出す用のチーズや牛乳を作る酪農。
精肉店などの人間が食べる用から、肉食の動物、魔物に与える様の肉を作る畜産
魔物の生態やその行動の意味を研究し、レポートにまとめる魔物対策本部などがある。
酪農や畜産は、製造者の役職にも入っているので、力仕事など、武闘家が出来る仕事を振り分けながら行っているとのこと…。
そして、住民も文字通りの意味になっており、国に住んでいる殆どの住民の問題をチウ率いる住民課で問題点を話し合い、どう解決すればいいかを導き出し、解決するを繰り返し行う場であり
国の治安維持、犯罪者の投獄や監視をするのも『武闘家』揃う酪農住民課の仕事となっている。
「うーっす!ツーちゃん、ジェムさんおはようございますっす!」
その後ろから出てきたのは、チウが息抜きの為に経営しているカマバーで従業員として働いている女性で、元気と根性が取り柄で酪農住民課の重要資料を取り扱い纏めている
『武闘家』Lv1であり、自称『バー カマ男の癒し』と言われている『ニョーナイ』である。
元々、彼女は自身の生まれつきのLvの低さに嘆き、家に引きこもってしまったのだが、そこへチウに諭され今の環境で仕事に励んでいる。
「ニョーナイ!おはようございます!」
「おはようございます、チウさん…ニョーナイ」
「んー?どうしたんですかー?ジェムさんどもっちゃってぇ、むさ苦しい工業地帯で女の子耐性でも低くなりましたかー?」
ジェムがニョーナイに挨拶すると、ニョーナイは煽り言葉でジェムに言ってくる。
そう、実は彼女が彼の事が好きなのである!
…え?反応からしてジェムが好きでどもったとでも言いたそうな顔してるね?
いいえ、ジェムはニョーナイのそういうウザったいことを言うところに腹を立てている位ニョーナイのことが嫌いである。
「はっはっは、ぶん殴るぞ?」
「まぁまぁ、殴らないどいてあげて」
チウに続き入ってきたのは、大量の魔法薬が入っている瓶が1ダース位入っている木箱を持って現れた『魔術師』LvMAXのセイと、大きな魔法道具を持ってたコレールだった。
そもそも、セイが所属しているのは魔術魔法薬研究開発局という、国の為に日々新たな魔法の作成をしたり、民に与えるための魔法薬を生産するの所である。
魔術師といえば、魔術攻撃力が高いのにその他のほとんどが低いし、延昌もいちいち長いから戦闘系では弱いのだが、生産系では魔法薬開発とこの世界においてとてもとても大事な役職ではある。
「はー、しんど…。チウさん手伝ってよ」
「嫌よ、席近いんだからちゃんと自分で持っていきなさい」
「ちぇ」
「セイ様!チウ様に頼らないでちゃんと自分でやりなさい!」
「はい、貸して」
と、横からヒョイっと表れ、セイの荷物を持ってセイの場所に置いたのは『狙撃者』LvMAXであり、『狙撃部隊隊長』である『ピャーチ』だった。
ピャーチが所属している狙撃部隊とは、部隊の全員が『狙撃者』の集まりでおり、様々な戦闘を後方や中距離で支える部隊となっている。
普段は平和すぎて自主トレしてるか趣味に走ってるかなのだが、この部隊が動くこと=戦争の始まりだと言われている。
「あ、ピャーチ。すまん」
「いや、べ、別に」
「おーーい、ピャーチさまーー」
ドタドタと背中に大盾を背負い、大きな紙を片手に走ってきたのは、ピャーチと同じ『狙撃者』でありLvは75の『中距離狙撃部隊隊長』兼『狙撃部隊副団長』の『ビェールィ』である。
中距離武器を得意とし、所謂アサルトライフルと体が隠れるようなでかい盾を身につけ戦う、前線に出るタイプの狙撃者である。
「はぁ、目を離した途端に消えてるんだから…びっくりしたよー」
「……はぁ」
「あ!溜め息ついた!なんでなんでなんでー!」
「おい、うっせーぞビェールィ!」
ビェールィを蹴りながら、部屋に入ってきたのは『守護者』LvMAXであり『王国守護者兵団団長』の『トロワ』だった。
王国守護者兵団の主な仕事は、国外での巡回警備の他に、貿易船や陸路で別国に取引に行く民の護衛。そして、日々の鍛錬が仕事となっている。
この国は、ほぼほぼ丸の形になっており、南、南西、南東以外は歩いて一時間もかからずに山となっている。
北からは、山おろしの風が毎日のように来る。
それに捕まった低Lvの魔物が強引に国に攻めるように来るので、守護者兵団の四割はその魔物の討伐に出ている。
民を守り国を守り己を守るのをモットーとしているのが王国守護者兵団なのである。
「あ、トロワ様…それにじっちゃん!」
「ほっほっほ、相変わらず元気しかないのぉ」
そして、その後ろからいくつもの紙を持って来たぽっちゃりめのおじいちゃんは『元王国守護者兵団団長』であり『現王国守護者兵団副団長』を務めている『守護者』Lv88の『ブクリエ』。
彼は、トロワの師匠としてこの王国を、先代国王と共に守ってきたが、流石に歳で腰が痛くなってきたため引退。現在は後方で新人教育に当たっている。
「なんでお前は二度寝するんだ馬鹿!」
「いいじゃん!僕の可愛さに免じてよ…あっ!ごめっーん!!遅れちゃった!てへっ!」
ドタバタと走って部屋に入ってきたのは、この王国にある教会の守護、整備をしている少数団体『セント・ゴット』の司教であり『聖職者』LvMAXの『アハト』だった。
「てへっじゃないだろ!みな、遅れて申し訳ない」
「あでっ…もー、ラヴちゃんがぶったーー!!」
「大丈夫ですよラヴクラフト。エムパト様や王もまだ来ておりませんので」
「そうか、だが遅刻は遅刻だ。すまなかった」
アハトの頭にゲンコツを入れ、謝った少女は、アハト率いるセント・ゴットの司祭の地位にいる『ラヴクラフト』
容姿は、幼く、金髪であるため、まさに美少女と言われても申し分ない位の美少女なのだが、彼女はこの国の生まれでは無い。
他国から流れ流れで来た彼女がアハトに捕まり、入国したら流れ流れで司祭をやることになったかなり可哀想な子である。
「しかし、城も中々肌寒いな…扉を閉めてもいいか?」
「えぇ、ありがと、ラヴちゃん」
「いやいや、これくらいな」
「まだやってますか!」
「ブッ!?」
バキッ!と音を立て、扉を閉めようとしたラヴクラフトと扉を蹴飛ばし、何かを抱えて入ってきたのは
チウとは別に商店街などの小売店や居酒屋などの食事処をまとめ、経営や問題解決をになっている、黒髪ロングをサイドに纏め、エムパトと同じこれまた大胆な格好をしている
エムパト率いる『チーム踊り子』で『商店街雑貨店舗責任者』を務めている『舞踊者』Lv90の『ンナァ』だった。
チーム踊り子は、国の大通りから、路地裏の酒場居酒屋全てのお金が関わる店を纏めている団体である。
そこで自身の花屋兼八百屋を経営しているンナァは、商店街雑貨店舗責任者を務めており、民に聞いた『チーム踊り子のリーダーは誰?』によると、七割がエムパトではなくンナァだと言われるほどしっかりしているリーダー格なのだ。
「あー…ンナァ。ツッコミたい所が数箇所あるけど、まずはラヴクラフトに謝っとけ」
「落ち着いてラヴちゃん!間違い!間違いなのよ!」
「そうだよラヴちゃん!ンナァちゃんもワザとやってる訳ないよ!!」
「黙れ!!アイツは!アイツだけは絶対廃人にしてくれる!!」
セイが指をさしながらンナァに謝罪するように言う。
セイの指さしている部屋の奥を見ると、チウとツーに止められ、分厚い本を持ち、殺してやると言わんばかりの眼をしているラヴクラフトの姿があった。
「…ん!ラヴクラフト、どうしたんだその顔の怪我!鼻血も出てるじゃないか!」
「んんーーーーーーーー!!!!!!!!!」
「ちょ!ダメよラヴちゃん!貴女のスキルは冗談抜きでヤバいんだから!」
「知るかぁ!!!!」
ダンダンと地団駄を踏むラヴクラフトは、自身の本に魔力をこめ、自身のスキルを発動しようとする。
「落ち着け、ラヴクラフト」
「あぁ?…ッチ…あぁ分かったよ王様」
そこに、ラヴクラフトを止めながら、部屋に入ってくるもの。
この国の王であり、九天神の一角である『イチ』が入ってきたのだ。
その後ろには、セント・クリヌゥス王国の唯一の貿易国である『大和』の女王であり、現在はイチの元で秘書を行っている『侍』LvMAXであり、九天神の一角である『セプテム』の姿と
イチ専属のメイドであり、ツインテールや小柄といった子供っぽさも残している容姿わしているが、この城の清掃から調理までそつなくこなす無敵双子の姉である『侍』Lv92の『王国直属メイド部隊』のメイド長『桜』
そして、この王国と大和を行き来し、クリヌゥスの貿易品を更に別の国へと貿易する中間拠点を任されているオレンジ色の眩しい髪色をした左腕の無い彼女は、表向きでは大和の女王をしている『騎乗者』Lv68の『ミッシレ』がそこにいた。
「…ん?ふぁあ…ンナァもうついたの?」
「あぁついてるぞ、エムパト」
ンナァが担いでいた、先程まで寝ていたエムパトも起き、それぞれが自身の座る椅子の目の前まで行き、右腕を曲げ腹の前で…
例えるなら、今じゃ主人公が闇落ちしてるのかどうか分からないあの某漫画、進〇の巨人の「心〇を捧げよ」ポーズの手を握り拳を開き、その開いた手を左脇腹に添える…ポーズである。
これには、国への敬意と裏切りの切腹を表していると言われているらしい知らないよそんなの。
「…みんな集まってくれてありがとう。ではここに、九天神定期報告会を始める!」
皆様、おはこんにちこんばんは!私、九天神の一角であり『製造者』LvMAXの『ツー』と申します!
今日も今日とて、いっぱい発明していきますよー!
なんて、思いながら起きるは、このセント・クリヌゥス王国で三分の一を占めている工業地帯の責任者であり、九天神最年少の天才であるツーだった。
「ツー、朝ごはん出来てるわよー。起きなさーい」
「あ!はーい、お母さーん」
キッチンの方から、水道を捻る音が聞こえる。
ツーは、自身のいつも着ている作業服に着替え、キッチンの方に向かうと、そこには、髪の毛を後ろで束ね、清潔なエプロン姿でフライパンを洗っている
ツーの働く職場でもある『工業地帯』の立場上No.2のである『製造者』Lv30の『ジルコン』の姿があった。
「今日のご飯はなーん……げっ…お母さーん。私トマト食べれないよー」
「もう、昔はバクバク食べれてたのに、何言ってるの」
「昔はあれしか食べ物が無かったからでしょー!もー」
その昔、ジルコンが栽培していたトマトを他家族と皆で分け合っていたのだが、身体が一番小さいツーは皆からトマトを与えられ食べ過ぎ、そこからトマトが苦手となったのである。
「ほら、早く食べちゃいなさい。今日は報告会に出てからの出勤でしょ?」
「報告会……?…あ…時間は!」
「大丈夫よ~、ちゃんと二時間前には起こしてますから」
「…ふぅ、良かった。ありがとうお母さん!」
そう、お礼を言いながら、ツーは朝食を摂るのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「それじゃあお母さん!行ってきます!」
「はい、行ってらっしゃい。気を付けてね」
「はーい!」
元気よく、部屋から出たツーは、報告会を行うホールへと向かった。
『報告会とは!』
それぞれの九天神とそれぞれの部下代表一人を入れた十八名での定期報告会である。
隣国からの要請や貿易に関する内容。今月の資金や魔法薬開発、民の様子や他国の戦争の様子。
様々な事を話あうのだ。
そして、九天神の一角であり『工業地帯責任者』であるツーは、いつもこの報告会に一番乗りで来ている偉い子なのだ!
「…ねー、ジェムー。やっぱりこの前の全自動卵割り機持ってきた方が良かったんじゃないのー?」
「いやいやいやいや、ツーちゃん?この前工業地帯各リーダーで話し合って決めたでしょ?」
白布が被った台車にもたれ掛かりながら、ツーと話すこの人物は、ツーと同じ工業地帯で働いている、いつも柄物の半袖のシャツと短パンを履いているNO.3の実力と生産製を誇る男。
『製造者』Lv83であり、武器製造工場ライン長の『ジェム』である。
この際だから、セント・クリヌゥス王国の三分の一を占める、工業地帯と『製造者』について説明もしておこう。
まず最初に『製造者』とは、様々な製造分野の才能を一個に纏めた物の事を指す役職である。
例えば、『製造者A』と『製造者B』がいたとして、片方の『製造者A』が様々な料理を作れる才能がある『製造者』だとしても
その料理の才能を『製造者B』は持っているとは限らないという話である。
この才能は法則性は無く、完全ランダムで決まっているらしく、その種類は現在確認されているものでも
『料理』『武器』『防具』『機械』『農作物』『畜産物』『建築』『道具』の八個である。
どれもが何かを『生み出している』という点で、判断されているらしい。
そして、その八個のラインを区切り、日々の研究や民への販売、輸出品製造とし毎日働いているのが、ツー率いる工業地帯である。
そして、『製造者』LvMAXであるツーにだけ許されたのは、全ての製造者としての才能が備わっているという点である。
(ホント…越えられない壁ってね…。僕より年下なのになぁ)
「うふふ、相変わらずお二人は早いわね」
「あっ!チウさん!」
そんな事をしていると、突然。このホール唯一の出入り口が開き、チウ率いる『酪農住民課』が現れた。
酪農住民課とは、文字通り酪農と住民の問題を中心に解決する課である。
酪農とは言うものの、その酪農の中には様々な意味が詰まっており、文字通り民や貿易で出す用のチーズや牛乳を作る酪農。
精肉店などの人間が食べる用から、肉食の動物、魔物に与える様の肉を作る畜産
魔物の生態やその行動の意味を研究し、レポートにまとめる魔物対策本部などがある。
酪農や畜産は、製造者の役職にも入っているので、力仕事など、武闘家が出来る仕事を振り分けながら行っているとのこと…。
そして、住民も文字通りの意味になっており、国に住んでいる殆どの住民の問題をチウ率いる住民課で問題点を話し合い、どう解決すればいいかを導き出し、解決するを繰り返し行う場であり
国の治安維持、犯罪者の投獄や監視をするのも『武闘家』揃う酪農住民課の仕事となっている。
「うーっす!ツーちゃん、ジェムさんおはようございますっす!」
その後ろから出てきたのは、チウが息抜きの為に経営しているカマバーで従業員として働いている女性で、元気と根性が取り柄で酪農住民課の重要資料を取り扱い纏めている
『武闘家』Lv1であり、自称『バー カマ男の癒し』と言われている『ニョーナイ』である。
元々、彼女は自身の生まれつきのLvの低さに嘆き、家に引きこもってしまったのだが、そこへチウに諭され今の環境で仕事に励んでいる。
「ニョーナイ!おはようございます!」
「おはようございます、チウさん…ニョーナイ」
「んー?どうしたんですかー?ジェムさんどもっちゃってぇ、むさ苦しい工業地帯で女の子耐性でも低くなりましたかー?」
ジェムがニョーナイに挨拶すると、ニョーナイは煽り言葉でジェムに言ってくる。
そう、実は彼女が彼の事が好きなのである!
…え?反応からしてジェムが好きでどもったとでも言いたそうな顔してるね?
いいえ、ジェムはニョーナイのそういうウザったいことを言うところに腹を立てている位ニョーナイのことが嫌いである。
「はっはっは、ぶん殴るぞ?」
「まぁまぁ、殴らないどいてあげて」
チウに続き入ってきたのは、大量の魔法薬が入っている瓶が1ダース位入っている木箱を持って現れた『魔術師』LvMAXのセイと、大きな魔法道具を持ってたコレールだった。
そもそも、セイが所属しているのは魔術魔法薬研究開発局という、国の為に日々新たな魔法の作成をしたり、民に与えるための魔法薬を生産するの所である。
魔術師といえば、魔術攻撃力が高いのにその他のほとんどが低いし、延昌もいちいち長いから戦闘系では弱いのだが、生産系では魔法薬開発とこの世界においてとてもとても大事な役職ではある。
「はー、しんど…。チウさん手伝ってよ」
「嫌よ、席近いんだからちゃんと自分で持っていきなさい」
「ちぇ」
「セイ様!チウ様に頼らないでちゃんと自分でやりなさい!」
「はい、貸して」
と、横からヒョイっと表れ、セイの荷物を持ってセイの場所に置いたのは『狙撃者』LvMAXであり、『狙撃部隊隊長』である『ピャーチ』だった。
ピャーチが所属している狙撃部隊とは、部隊の全員が『狙撃者』の集まりでおり、様々な戦闘を後方や中距離で支える部隊となっている。
普段は平和すぎて自主トレしてるか趣味に走ってるかなのだが、この部隊が動くこと=戦争の始まりだと言われている。
「あ、ピャーチ。すまん」
「いや、べ、別に」
「おーーい、ピャーチさまーー」
ドタドタと背中に大盾を背負い、大きな紙を片手に走ってきたのは、ピャーチと同じ『狙撃者』でありLvは75の『中距離狙撃部隊隊長』兼『狙撃部隊副団長』の『ビェールィ』である。
中距離武器を得意とし、所謂アサルトライフルと体が隠れるようなでかい盾を身につけ戦う、前線に出るタイプの狙撃者である。
「はぁ、目を離した途端に消えてるんだから…びっくりしたよー」
「……はぁ」
「あ!溜め息ついた!なんでなんでなんでー!」
「おい、うっせーぞビェールィ!」
ビェールィを蹴りながら、部屋に入ってきたのは『守護者』LvMAXであり『王国守護者兵団団長』の『トロワ』だった。
王国守護者兵団の主な仕事は、国外での巡回警備の他に、貿易船や陸路で別国に取引に行く民の護衛。そして、日々の鍛錬が仕事となっている。
この国は、ほぼほぼ丸の形になっており、南、南西、南東以外は歩いて一時間もかからずに山となっている。
北からは、山おろしの風が毎日のように来る。
それに捕まった低Lvの魔物が強引に国に攻めるように来るので、守護者兵団の四割はその魔物の討伐に出ている。
民を守り国を守り己を守るのをモットーとしているのが王国守護者兵団なのである。
「あ、トロワ様…それにじっちゃん!」
「ほっほっほ、相変わらず元気しかないのぉ」
そして、その後ろからいくつもの紙を持って来たぽっちゃりめのおじいちゃんは『元王国守護者兵団団長』であり『現王国守護者兵団副団長』を務めている『守護者』Lv88の『ブクリエ』。
彼は、トロワの師匠としてこの王国を、先代国王と共に守ってきたが、流石に歳で腰が痛くなってきたため引退。現在は後方で新人教育に当たっている。
「なんでお前は二度寝するんだ馬鹿!」
「いいじゃん!僕の可愛さに免じてよ…あっ!ごめっーん!!遅れちゃった!てへっ!」
ドタバタと走って部屋に入ってきたのは、この王国にある教会の守護、整備をしている少数団体『セント・ゴット』の司教であり『聖職者』LvMAXの『アハト』だった。
「てへっじゃないだろ!みな、遅れて申し訳ない」
「あでっ…もー、ラヴちゃんがぶったーー!!」
「大丈夫ですよラヴクラフト。エムパト様や王もまだ来ておりませんので」
「そうか、だが遅刻は遅刻だ。すまなかった」
アハトの頭にゲンコツを入れ、謝った少女は、アハト率いるセント・ゴットの司祭の地位にいる『ラヴクラフト』
容姿は、幼く、金髪であるため、まさに美少女と言われても申し分ない位の美少女なのだが、彼女はこの国の生まれでは無い。
他国から流れ流れで来た彼女がアハトに捕まり、入国したら流れ流れで司祭をやることになったかなり可哀想な子である。
「しかし、城も中々肌寒いな…扉を閉めてもいいか?」
「えぇ、ありがと、ラヴちゃん」
「いやいや、これくらいな」
「まだやってますか!」
「ブッ!?」
バキッ!と音を立て、扉を閉めようとしたラヴクラフトと扉を蹴飛ばし、何かを抱えて入ってきたのは
チウとは別に商店街などの小売店や居酒屋などの食事処をまとめ、経営や問題解決をになっている、黒髪ロングをサイドに纏め、エムパトと同じこれまた大胆な格好をしている
エムパト率いる『チーム踊り子』で『商店街雑貨店舗責任者』を務めている『舞踊者』Lv90の『ンナァ』だった。
チーム踊り子は、国の大通りから、路地裏の酒場居酒屋全てのお金が関わる店を纏めている団体である。
そこで自身の花屋兼八百屋を経営しているンナァは、商店街雑貨店舗責任者を務めており、民に聞いた『チーム踊り子のリーダーは誰?』によると、七割がエムパトではなくンナァだと言われるほどしっかりしているリーダー格なのだ。
「あー…ンナァ。ツッコミたい所が数箇所あるけど、まずはラヴクラフトに謝っとけ」
「落ち着いてラヴちゃん!間違い!間違いなのよ!」
「そうだよラヴちゃん!ンナァちゃんもワザとやってる訳ないよ!!」
「黙れ!!アイツは!アイツだけは絶対廃人にしてくれる!!」
セイが指をさしながらンナァに謝罪するように言う。
セイの指さしている部屋の奥を見ると、チウとツーに止められ、分厚い本を持ち、殺してやると言わんばかりの眼をしているラヴクラフトの姿があった。
「…ん!ラヴクラフト、どうしたんだその顔の怪我!鼻血も出てるじゃないか!」
「んんーーーーーーーー!!!!!!!!!」
「ちょ!ダメよラヴちゃん!貴女のスキルは冗談抜きでヤバいんだから!」
「知るかぁ!!!!」
ダンダンと地団駄を踏むラヴクラフトは、自身の本に魔力をこめ、自身のスキルを発動しようとする。
「落ち着け、ラヴクラフト」
「あぁ?…ッチ…あぁ分かったよ王様」
そこに、ラヴクラフトを止めながら、部屋に入ってくるもの。
この国の王であり、九天神の一角である『イチ』が入ってきたのだ。
その後ろには、セント・クリヌゥス王国の唯一の貿易国である『大和』の女王であり、現在はイチの元で秘書を行っている『侍』LvMAXであり、九天神の一角である『セプテム』の姿と
イチ専属のメイドであり、ツインテールや小柄といった子供っぽさも残している容姿わしているが、この城の清掃から調理までそつなくこなす無敵双子の姉である『侍』Lv92の『王国直属メイド部隊』のメイド長『桜』
そして、この王国と大和を行き来し、クリヌゥスの貿易品を更に別の国へと貿易する中間拠点を任されているオレンジ色の眩しい髪色をした左腕の無い彼女は、表向きでは大和の女王をしている『騎乗者』Lv68の『ミッシレ』がそこにいた。
「…ん?ふぁあ…ンナァもうついたの?」
「あぁついてるぞ、エムパト」
ンナァが担いでいた、先程まで寝ていたエムパトも起き、それぞれが自身の座る椅子の目の前まで行き、右腕を曲げ腹の前で…
例えるなら、今じゃ主人公が闇落ちしてるのかどうか分からないあの某漫画、進〇の巨人の「心〇を捧げよ」ポーズの手を握り拳を開き、その開いた手を左脇腹に添える…ポーズである。
これには、国への敬意と裏切りの切腹を表していると言われているらしい知らないよそんなの。
「…みんな集まってくれてありがとう。ではここに、九天神定期報告会を始める!」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
スナイパー令嬢戦記〜お母様からもらった"ボルトアクションライフル"が普通のマスケットの倍以上の射程があるんですけど〜
シャチ
ファンタジー
タリム復興期を読んでいただくと、なんでミリアのお母さんがぶっ飛んでいるのかがわかります。
アルミナ王国とディクトシス帝国の間では、たびたび戦争が起こる。
前回の戦争ではオリーブオイルの栽培地を欲した帝国がアルミナ王国へと戦争を仕掛けた。
一時はアルミナ王国の一部地域を掌握した帝国であったが、王国側のなりふり構わぬ反撃により戦線は膠着し、一部国境線未確定地域を残して停戦した。
そして20年あまりの時が過ぎた今、皇帝マーダ・マトモアの崩御による帝国の皇位継承権争いから、手柄を欲した時の第二皇子イビリ・ターオス・ディクトシスは軍勢を率いてアルミナ王国への宣戦布告を行った。
砂糖戦争と後に呼ばれるこの戦争において、両国に恐怖を植え付けた一人の令嬢がいる。
彼女の名はミリア・タリム
子爵令嬢である彼女に戦後ついた異名は「狙撃令嬢」
542人の帝国将兵を死傷させた狙撃の天才
そして戦中は、帝国からは死神と恐れられた存在。
このお話は、ミリア・タリムとそのお付きのメイド、ルーナの戦いの記録である。
他サイトに掲載したものと同じ内容となります。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる