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1-18乙女ゲームの悪役令嬢になりましたが、フラグ回収のために情報収集をいたします。

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「もうひとつ、教えていただきたいことがあるんですけど」


お兄さまから生徒会の役員の方々の紹介をしてもらう間も、クローディアは必死で考えていた。


どこで、生徒会長とのイベントが発生するのか。

どうしたら、お兄さまからの妨害を受けずに、なおかつ機嫌を損ねることなく生徒会長との好感度をあげていくことができるのか。

それにはまず、情報が必要だということに行き着いた。


「学園で開催されるイベントの詳細を教えていただきたくて」


「ほう、仕事熱心だな」


「お兄さまにせっかく推薦していただいたので、臨時とはいえ、しっかりと役にたてればと思いまして」


生徒会で活動の実績を積めば、破滅や断罪イベントへの布石を回避できるかもしれない。
となれば、まじめに取り組んだ方が良いに決まっている。

それに、生徒会は学園生活を送る上で発生する大きなイベントのほとんどを把握していると言っても良い。

学園での生活が主なのだから、色々なイベントを経てヒロインが攻略対象のフラグを回収するという王道モノで間違いは無いはずだ。

けれど、今の段階では、いったいどこでどういうイベントが発生するのか全く分からない。


情報は武器だ。


これから何が起こるのかを少しでも知ることができれば、シズカがどこでクローディアに濡れ衣を重ねてくるのかも予測ができるかもしれない。

それを知った上で、クローディアの身の潔白を証明するために誰かと一緒に過ごすなどの対策を打たなければいけないのだから。

このまま何もしないまま過ごしてしまえば、確実にシズカに着々と悪役令嬢としてのイベントを踏まされてしまう可能性が高い。

それに、これなら生徒会長と行動することが必然的に高くなる。


(問題は、シズカとお兄さまからの妨害かな……)


イベントの内容を聞きながら、クローディアはフラグ回収時の足枷になりかねない人物を思い浮かべた。
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