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1-14乙女ゲームの悪役令嬢に転生しましたが、生徒会への入会が決まりました。
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「調子はどうだ、クローディア」
「お兄さま、心配をおかけしました。
休んだらだいぶ楽になりました」
実際は休んでいたというよりは、必死でステータス画面の情報を読み込んでいたというのが正しいけれど。
悪役令嬢ルートを回避し、なおかつあわよくばヒロインルートへと入れないかを模索して逆に少し疲れた感がある。
けれど、ステータス画面を見つけられたことはかなり大きい。
シズカからの妨害がどう来るのかは分からなくても、誰にアプローチをかければ良いのかが分かれば少しは動きやすくなるだろう。
迎えに来てくれた兄に少し待ってもらい、シワになってしまった制服を伸ばし、髪を整える。
「そうだ、これを渡しておかないとな」
カーテンを開けると、兄からそう言われて何かを手渡された。
反射的に手を出して受け取ったのは、何やら小さなカードだ。
「もう生徒会長への許可も取った。
今日付けでお前は臨時生徒会役員の一人だ、クローディア」
「え?」
こちらが「生徒会に入りたい」というよりも先に、兄からそう告げられるとは思ってもみなかった。
見れば、手渡されたのは生徒会役員証なるカードだった。
「これで晴れて、クローディアも俺と同じ生徒会の一員だな」
何という手の早さだ。
さすが生徒会の副会長を務めているだけのことはある……と言っていいのかは分からないがクローディアにとっては都合が良いことに代わりはない。
「ありがとうございます、お兄さま」
「おっと、あとこれも」
すっと兄が屈み、クローディアの襟元に小さなバッジを留めてくれた。
「生徒会役員の証だ。
これである程度悪い虫も追い払えるだろう」
「……それは、どうも」
何やら私情がかなり入っているような言い方をされたが、気にしないことにした。
そもそも、生徒会の臨時役員としての席を用意してくれたこと自体が私情の塊以外の何ものでもない。
ので、気にしないのが一番だ。
「よし、じゃあ帰ろうか」
「そうですね」
結局午後からは一度も授業にでることなく終わってしまった。
クローディア的には収穫があったとはいえ、「サボる」という行為が悪役令嬢への伏線にならないかとつい心配してしまったのは仕方がないことだろう。
「お兄さま、心配をおかけしました。
休んだらだいぶ楽になりました」
実際は休んでいたというよりは、必死でステータス画面の情報を読み込んでいたというのが正しいけれど。
悪役令嬢ルートを回避し、なおかつあわよくばヒロインルートへと入れないかを模索して逆に少し疲れた感がある。
けれど、ステータス画面を見つけられたことはかなり大きい。
シズカからの妨害がどう来るのかは分からなくても、誰にアプローチをかければ良いのかが分かれば少しは動きやすくなるだろう。
迎えに来てくれた兄に少し待ってもらい、シワになってしまった制服を伸ばし、髪を整える。
「そうだ、これを渡しておかないとな」
カーテンを開けると、兄からそう言われて何かを手渡された。
反射的に手を出して受け取ったのは、何やら小さなカードだ。
「もう生徒会長への許可も取った。
今日付けでお前は臨時生徒会役員の一人だ、クローディア」
「え?」
こちらが「生徒会に入りたい」というよりも先に、兄からそう告げられるとは思ってもみなかった。
見れば、手渡されたのは生徒会役員証なるカードだった。
「これで晴れて、クローディアも俺と同じ生徒会の一員だな」
何という手の早さだ。
さすが生徒会の副会長を務めているだけのことはある……と言っていいのかは分からないがクローディアにとっては都合が良いことに代わりはない。
「ありがとうございます、お兄さま」
「おっと、あとこれも」
すっと兄が屈み、クローディアの襟元に小さなバッジを留めてくれた。
「生徒会役員の証だ。
これである程度悪い虫も追い払えるだろう」
「……それは、どうも」
何やら私情がかなり入っているような言い方をされたが、気にしないことにした。
そもそも、生徒会の臨時役員としての席を用意してくれたこと自体が私情の塊以外の何ものでもない。
ので、気にしないのが一番だ。
「よし、じゃあ帰ろうか」
「そうですね」
結局午後からは一度も授業にでることなく終わってしまった。
クローディア的には収穫があったとはいえ、「サボる」という行為が悪役令嬢への伏線にならないかとつい心配してしまったのは仕方がないことだろう。
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