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1-10乙女ゲームの令嬢に転生しましたが、兄とヒロインに対する意見が一致しました。
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「なるほどな」
「信じていただけますか?」
「乙女ゲームのストーリーを熟知しているシズカ(ヒロイン)が、私(悪役令嬢)が仕掛ける(予定)のイベントを片っ端から妨害してやると宣戦布告してきた」
ーなんていう説明をしたら、ものすごく白い目で見られたあげくに、病院にかつぎ込まれてしまう恐れがある。
なので、「未来のことが分かるという女子生徒が、私が今後働く(予定の)悪事を妨害してやるわと息を巻いて宣戦布告をしにきた」
というようなことがあったと追加の説明を口にする。
最初に話した内容と大差ないと言えばそうだが、濡れ衣になるかどうかは、未来にならないと分からないとしかやはり言いようがない気がする。
そしてそれは、二回話を辛抱強く聞いてくれた兄も同意見であるらしい。
「正直ただのヤバイ奴からの不当な言いがかりにしか、俺には思えんな」
「……やっぱり、そう思いますか。
私も何度考えても納得いかないので、『言いがかり』という解釈が一番しっくりくる気がします」
まだ起こってもいないことに対して、クローディアを悪者だと現時点で言うことがまず間違っている。
しかし、悪事を働いたという前提として、シズカは攻略対象候補に接近して実際にクローディアの断罪をし始めているのだ。
これだけ見たら、ただ体よく攻略対象との好感度をあげるための踏み台にされたようにしか思えない。
まぁ、実際そうなってるんだけど。
「まぁ、シズカっていう女子生徒がヤバイ奴だっていうのは分かった」
最終的に兄の結論はそこに落ち着いたようだ。
ちなみに私も同意見。
こっちはまだ悪役令嬢だと認めてはいないからと、言いたい思いも含まれているが、おおよそ一緒だ。
「ふむ」と、兄が何か思案顔で宙を見つめる。
何か変なものでも視える特殊能力でもあるのかと邪推してしまうほど、一点を見つめている。
端から見ていると、とても不気味だ。
そして何か無事に交信が終わったのか、考えがまとまったのか分からないが「よし」と小さく兄がつぶやいた。
「クローディア、お前生徒会に入る気はないか?」
「え?」
「少しでも一緒にいる時間が長い方がお兄ちゃんも嬉しいし、変な女も遠ざけられるし、悪い虫から守ることもできるからな」
なにやら最初に兄の邪な私情が含まれていることはさておき、兄が側にいてくれる時間が長いことは純粋に心強い。
でもそんな簡単に生徒会に入れるものだろうかという疑問もある。
「でも、生徒会に入るのはそんなに簡単なことじゃないでしょう?」
「問題ない」
どこか得意げに、兄がそう言い切った。
「信じていただけますか?」
「乙女ゲームのストーリーを熟知しているシズカ(ヒロイン)が、私(悪役令嬢)が仕掛ける(予定)のイベントを片っ端から妨害してやると宣戦布告してきた」
ーなんていう説明をしたら、ものすごく白い目で見られたあげくに、病院にかつぎ込まれてしまう恐れがある。
なので、「未来のことが分かるという女子生徒が、私が今後働く(予定の)悪事を妨害してやるわと息を巻いて宣戦布告をしにきた」
というようなことがあったと追加の説明を口にする。
最初に話した内容と大差ないと言えばそうだが、濡れ衣になるかどうかは、未来にならないと分からないとしかやはり言いようがない気がする。
そしてそれは、二回話を辛抱強く聞いてくれた兄も同意見であるらしい。
「正直ただのヤバイ奴からの不当な言いがかりにしか、俺には思えんな」
「……やっぱり、そう思いますか。
私も何度考えても納得いかないので、『言いがかり』という解釈が一番しっくりくる気がします」
まだ起こってもいないことに対して、クローディアを悪者だと現時点で言うことがまず間違っている。
しかし、悪事を働いたという前提として、シズカは攻略対象候補に接近して実際にクローディアの断罪をし始めているのだ。
これだけ見たら、ただ体よく攻略対象との好感度をあげるための踏み台にされたようにしか思えない。
まぁ、実際そうなってるんだけど。
「まぁ、シズカっていう女子生徒がヤバイ奴だっていうのは分かった」
最終的に兄の結論はそこに落ち着いたようだ。
ちなみに私も同意見。
こっちはまだ悪役令嬢だと認めてはいないからと、言いたい思いも含まれているが、おおよそ一緒だ。
「ふむ」と、兄が何か思案顔で宙を見つめる。
何か変なものでも視える特殊能力でもあるのかと邪推してしまうほど、一点を見つめている。
端から見ていると、とても不気味だ。
そして何か無事に交信が終わったのか、考えがまとまったのか分からないが「よし」と小さく兄がつぶやいた。
「クローディア、お前生徒会に入る気はないか?」
「え?」
「少しでも一緒にいる時間が長い方がお兄ちゃんも嬉しいし、変な女も遠ざけられるし、悪い虫から守ることもできるからな」
なにやら最初に兄の邪な私情が含まれていることはさておき、兄が側にいてくれる時間が長いことは純粋に心強い。
でもそんな簡単に生徒会に入れるものだろうかという疑問もある。
「でも、生徒会に入るのはそんなに簡単なことじゃないでしょう?」
「問題ない」
どこか得意げに、兄がそう言い切った。
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