氷の令嬢は愛されたい

むんず

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47話・〜王太子side 3 〜

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ルークの言葉はもっともである。
確かに、勘違いだったらただじゃ済まない。

「でも、彼女は会ってくれないぞ?」

私はルークに尋ねる。

ルークははぁ、とため息をついた。

「王様がソフィー様をお呼びになっていると伝えれば、拒めないでしょう。こう言う時ぐらいは力を使っても良いんですよ?」

あぁ、確かにルークの言う通りだ。
父が呼び出している、といってソフィーと会い、話をすれば良いのだ。

ラスラーニャ家に嘘をつくのは、少々気が引けるが、もし本当に何かが起こっているなら、見て見ぬ振りは出来ない。

私は少し考えた後、頷いた。

「なるほど、流石ルークだ。ありがとう」

疲れたように首を竦めているルークを見てそう言った。

「殿下が令嬢を、女性を好きになっているご様子がご覧になれるとは思ってもいませんでした。さぞかし美しい令嬢なのでしょうね」

確かに、私は父から婚約者も決められていたが、その女性に恋愛感情を抱いた事じゃ無かった。

女性なんて自分の主張ばかりを訴えてきて、面倒臭いと思っていたほどだ。

ソフィーは今まで見たどの女性よりも、素直で、純粋で、偽りがない笑顔だった。

私はソフィーを思い出しながら少し笑う。

「私もこんな日が来るとは思っていなかったよ」

「ですが、殿下、レイナ様とは如何なさるんですか?簡単に婚約破棄は出来ないと思いますよ」

レイナとは、父に決められた婚約者だった。
その件については、もう解決済みだ。

私はルークと視線を合わせる。

「それは、大丈夫。後々分かるだろう。それより、ソフィーに会いに行かなくては」

ルークはまたため息をついた。

私の前でこんなに何度もため息をつけるのは、ルークぐらいだと思う。

私は相変わらずなルークに少し笑う。

「殿下、笑っていないで、仕事に取り掛かりますよ?」

ルークは私の前に大量の紙を置く。
そしてニヤリと笑った。

この顔、私を寝かせないつもりだ。

「勘弁してくれよ」

私は頭を抱える。

「仕事をためた殿下が悪いんですよ、さぁ、取りかかってください」

私は渋々ペンを手に持った。
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