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第104話 黄色い女
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「お客さん、大きいなぁ、タオル足りるかなぁ。」
そう言葉を口にすると女の手に握られたタオルで私の下腹部をこすり始めた。
「ここって120分コースの延長ってないのか?金ならあるから時間は気にしなくていい。」
私の質問に女の顔はニヤけたように変化していくのがわかる。
「そっか、お客さんは金持ちの酔っ払いか、良いことするか。」
そう、付け加えてきたが意味が理解できない。
「良いことってなんだよ。今から、もう一度服を着て別のマンションに移動するのは嫌だよ。」
「ちがうよ、女がもう一人いるんだけれど客がいないから、暇でテレビ観ている。あと5000円出してくれたら呼んでやるよ。女が二人でお客さんを気持ちよくさせてあげるよ。全部で2万円だよ、いいか?」
「女が二人いても面白くなんてないからいらないよ。でもさ、受け付けをしていたあの女も男の相手をするのか?あの娘は美人だなぁ。」
「イエローのことか、あのコはモテるよ。彼女を入れて3人だよ。」
「イエローっていうのか、変な名前だな。」
「韓国名で黄さんだよ。ファンっていうんだ。日本語なら黄色だろう、だから英語でイエローだ。呼んでいいのか?」
「あのコも男の相手をするんだ、呼んでこいよ。独りぽっちじゃあ寂しいだろう。」
「ファン、ファン、こっち来てよ。お客さん、いいって言ったよ。」
ファンという女は受け付けにいた時と同じ服装のまま、缶ビール2缶とグラスを1つだけ持って部屋に入ってきた。白いワイシャツに薄手のロングスカートが清楚そうに映った。スカートの色も薄い黄色で、彼女は上も下も下着を着けていた。
「お客さん、朝まで飲むか、女がスッポンポンで2人お相手だ、天国行きだ。」
二人の女の口にビールを含ませて代わる代わるに吸い取りながら、両方の手の人差し指と中指で4つの乳首を挟んだり、もてあそびながら朝日が昇り切るまで乱れていった。
いつのまにか眠ってしまったようだ。気が付くと午前十時を過ぎていた。私の隣には寝息をたてているファンがいた。
「マキが結婚!誰とさ?いつ決まったの?」
突然、降って湧いてきた話である。行き付けになっていた居酒屋『甚平』のカウンターに私は独りで濃いウイスキーを口に運んでいた。カウンターの中には福島県出身のママとマキがいて、和式の座卓にも三人ばかり客がいたがカウンター越しでの会話が聞こえる事はないだろう。
「だって、この娘ったら今のままじゃあ不法就労よ。うって付けのオジサンが話に乗ってくれたのよ。」
福島訛りは出てこなかったが喋り口調の厳しさはやはり東北独特のものだろう。
「男の年齢は幾つなの?」と私が聞くと「60歳代ね、でも大丈夫よ、イミテーションだからさ。マリッジ・ビザのためのイミテーションよ。」とママが付け足した。
「籍はいつ入れるんだ?」
そう私が聞き返すと「来週よ、引っ越しもするの。アパートの家賃、払わなくてよくなる。でもね、日本人のお姉ちゃんがいるの。その人も一緒に暮らすの。」
マキは不安げな顔を向けて話した。
「そうなのよ、なんだかね、出戻りの妹さんがいるらしいんだけれど、まぁこの際、誰でもいいから結婚しちゃってビザだけもらってさぁ、あとは別居でいいのよ。」
『甚平』のママの思惑通りにいくとは限らない。六十歳を過ぎた男ヤモメが二十歳代の女を手に入れて放っておくとは思えなかった。必ず身体に手を出してくる。当たり前だ、自分の女房の身体に手を出したってなんら罪の意識は持たないだろう。逆にビザを与えてあげた優しいオトコという評価のほうが先に立つ。
「マキ、やめておけ。上手くいきっこない。金銭がらみで男の妾になるんだったら話は別だけれど、身体の関係を持たない偽装結婚は上手くはいかないよ。」
私は率直に話をした。
そう言葉を口にすると女の手に握られたタオルで私の下腹部をこすり始めた。
「ここって120分コースの延長ってないのか?金ならあるから時間は気にしなくていい。」
私の質問に女の顔はニヤけたように変化していくのがわかる。
「そっか、お客さんは金持ちの酔っ払いか、良いことするか。」
そう、付け加えてきたが意味が理解できない。
「良いことってなんだよ。今から、もう一度服を着て別のマンションに移動するのは嫌だよ。」
「ちがうよ、女がもう一人いるんだけれど客がいないから、暇でテレビ観ている。あと5000円出してくれたら呼んでやるよ。女が二人でお客さんを気持ちよくさせてあげるよ。全部で2万円だよ、いいか?」
「女が二人いても面白くなんてないからいらないよ。でもさ、受け付けをしていたあの女も男の相手をするのか?あの娘は美人だなぁ。」
「イエローのことか、あのコはモテるよ。彼女を入れて3人だよ。」
「イエローっていうのか、変な名前だな。」
「韓国名で黄さんだよ。ファンっていうんだ。日本語なら黄色だろう、だから英語でイエローだ。呼んでいいのか?」
「あのコも男の相手をするんだ、呼んでこいよ。独りぽっちじゃあ寂しいだろう。」
「ファン、ファン、こっち来てよ。お客さん、いいって言ったよ。」
ファンという女は受け付けにいた時と同じ服装のまま、缶ビール2缶とグラスを1つだけ持って部屋に入ってきた。白いワイシャツに薄手のロングスカートが清楚そうに映った。スカートの色も薄い黄色で、彼女は上も下も下着を着けていた。
「お客さん、朝まで飲むか、女がスッポンポンで2人お相手だ、天国行きだ。」
二人の女の口にビールを含ませて代わる代わるに吸い取りながら、両方の手の人差し指と中指で4つの乳首を挟んだり、もてあそびながら朝日が昇り切るまで乱れていった。
いつのまにか眠ってしまったようだ。気が付くと午前十時を過ぎていた。私の隣には寝息をたてているファンがいた。
「マキが結婚!誰とさ?いつ決まったの?」
突然、降って湧いてきた話である。行き付けになっていた居酒屋『甚平』のカウンターに私は独りで濃いウイスキーを口に運んでいた。カウンターの中には福島県出身のママとマキがいて、和式の座卓にも三人ばかり客がいたがカウンター越しでの会話が聞こえる事はないだろう。
「だって、この娘ったら今のままじゃあ不法就労よ。うって付けのオジサンが話に乗ってくれたのよ。」
福島訛りは出てこなかったが喋り口調の厳しさはやはり東北独特のものだろう。
「男の年齢は幾つなの?」と私が聞くと「60歳代ね、でも大丈夫よ、イミテーションだからさ。マリッジ・ビザのためのイミテーションよ。」とママが付け足した。
「籍はいつ入れるんだ?」
そう私が聞き返すと「来週よ、引っ越しもするの。アパートの家賃、払わなくてよくなる。でもね、日本人のお姉ちゃんがいるの。その人も一緒に暮らすの。」
マキは不安げな顔を向けて話した。
「そうなのよ、なんだかね、出戻りの妹さんがいるらしいんだけれど、まぁこの際、誰でもいいから結婚しちゃってビザだけもらってさぁ、あとは別居でいいのよ。」
『甚平』のママの思惑通りにいくとは限らない。六十歳を過ぎた男ヤモメが二十歳代の女を手に入れて放っておくとは思えなかった。必ず身体に手を出してくる。当たり前だ、自分の女房の身体に手を出したってなんら罪の意識は持たないだろう。逆にビザを与えてあげた優しいオトコという評価のほうが先に立つ。
「マキ、やめておけ。上手くいきっこない。金銭がらみで男の妾になるんだったら話は別だけれど、身体の関係を持たない偽装結婚は上手くはいかないよ。」
私は率直に話をした。
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