【幼馴染×漫画家】ツインファニーキャンバス(両片思い編)

紅茶風味

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えっちなおもちゃの使い方①-1

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「颯太、コレの使い方教えて……!」

 夕飯時、突然目の前に突き出された電動マッサージ機を見て、持っていた缶ビールを落とした。幸い中身はほとんど残っておらず、未羽が慌ててティッシュを数枚抜き取り、床に零れた少量のビールを拭っている。

 平日の会社終わり、こうして未羽の家で一緒に夕飯を食べる機会は多い。大抵、食料が無くなった頃に連絡がくるので、パンや惣菜などを買い溜めして週に数回、訪ねている。彼女自身もそれが目当てだと言っていたが、最近になってその目的が変わった。

「それは……、マッサージ機で……、肩や腰などを」
「違うよ!」
「違わないだろ」
「ちが……、いや、違わないけどそうじゃなくて」

 床を拭いたティッシュをゴミ箱へ投げ捨て、俯いた。困ったように顔を赤くする姿を前にして、当然、分からないわけではない。

 未羽とは子供の頃から親同士の付き合いがある、幼馴染みだ。中学も高校も同じだったが、大学への進学を機に道が分かれた。

 未羽は高校を卒業してすぐに漫画家になった。昔から引っ込み思案で、勉強も運動も苦手で、唯一絵を描いている時だけは楽しそうだったから、夢が叶ったのだと思って俺も嬉しかった。

 けれど、気づけば彼女の描く漫画は相当大人向けなものになっていた。曰く、付き合いの深い出版社の仕事を精力的に頑張ったらこうなっていた、らしい。

「これ、読んでみて」

 渡されたのは、大きめのタブレットだ。そこには見覚えのある絵柄の漫画が描かれていて、今見せられたばかりのマッサージ機と同じものが登場している。

「どう……?」
「どうと言われても」
「颯太的に、ぐっとくる?」
「……あんまり」

 正直、こういう類いの漫画に関してあまり興味がない。AVなら見る。と言ってしまえば元も子もないので言わないが、善し悪しが全然分からない。

「やっぱりだ……! 担当さんにもエロくないって言われた!」
「あぁ、駄目出しされたのか」
「経験値が足りないって……」

 一体世の中の女性の何割が電動マッサージ機でそういう行為をした経験があるのだろう。担当者の言うこともあまり説得力はないが、経験値に関してはあながち間違ってもいない。

「だから、お願い。こんなこと頼めるの颯太しかいないの」

 縋るように上目遣いで言われ、返答に困った。同じようなやりとりを、今までにも何度かしている。未羽は交際経験が一度もないらしく、信用出来る男となると俺以外にいないのだという。

「別に良いけど、これ食ってからでもいい?」
「うん! 早く食べちゃおう」

 嬉しそうに頷いたかと思えば、買ってきた弁当を口に掻き込みだした。その姿にそっとため息をつく。

 いくら幼馴染みとはいえ、男とそういうことをするのに抵抗はないのだろうか。初めての経験だって、圧しに負けて俺が貰ってしまった。長年片思いを続けている相手と行為に及ぶことは喜ばしいはずなのに、心のどこかで靄がかった感情が常に渦巻いている。



「ベッド行く?」
「ううん。ここでいい」

 夕飯を終え、片付けも早々にマッサージ機を渡された。ソファに座って向き合い、初めて手にしたそれのスイッチを入れる。予想以上に大きな稼働音がして、少し驚いた。

「颯太、もしかして初めて?」
「当たり前だろ」
「今までの彼女には?」
「こういう特殊なことはあんまり……」

 エロ本しか知識が無い為か、純粋な瞳で聞かれてしまった。こちらに向かって座っている足の隙間に、震える先端を差し入れる。股の間にあまり強く当たらないように触れてみれば、未羽の身体がびくりと震えた。

「……っ、び、びっくりした」
「大丈夫か?」
「う、ん……、なんか、振動すごい」

 手で直接したことはあるが、あまり経験の無い身体にこういう物は刺激が強すぎるのかもしれない。再びゆっくりとそこに当てれば、同じように大きく震えて腰が僅かに逃げた。

「あっ、ま、って! ダメ、かも……っ」
「気持ちよくない?」
「わかんな……っ」

 マッサージ機を持つ手を掴まれ、ぐっと押し返された。一度スイッチを切り、様子を伺う。完全に足を閉じ、真っ赤な顔で俯く姿は初々しくてそそられる。痛いというわけでもないようだし、完全な拒絶ではなかった。

「未羽、前に座って」

 手を引いて言うと、不思議そうな顔をしながらも素直に立ち上がった。ソファに深く座る俺の前にちょこんと腰を下ろし、振り向いて見上げてくる。

「こう?」
「あぁ……、うん」

 この目線になって、ようやく気づいた。ブラを着けていない。家で仕事をしているせいか常に部屋着のような格好だが、ついに下着を省き始めたらしい。

 短いズボンの中まで何も無いということはないだろうが、上は確実にノーブラだ。広い襟ぐりから覗く膨らみが誘惑してくるかのように視界に入り、頭の中で「平常心」の言葉を強く唱える。

 足で小さな身体を挟み、片手で抱きしめるように腕を回して固定した。まるで付き合い立ての恋人のように身体を強張らせるのを見て、心がくすぐられる。

 再びスイッチを入れ、マッサージ機の先端を股に押し当てた。前方の敏感な場所に当たらないよう、わざと奥に入れて優しく触れる。

「んんっ、……はぁ」
「平気?」
「へい、き……、ちょっと、ぞくぞくする」

 足を完全に閉じてしまっているが、既に機械が入ってしまっているので問題ない。もじもじと太腿を摺り合わせながら身を捩り、たまに熱い息を吐く。少しづつ移動させながら、漏れる声が甘くなっていくのを確認した。気持ち良さそうだし、そろそろいけるかもしれない。

 震える先端を前方へ移動させ、クリの辺りに押し上げた。途端に足がびくんと跳ね、身体が前傾する。

「んあっ、あっ、やだぁっ!」
「大丈夫だから、逃げんな」
「ああぁっ! はぅっ、あぁん!」

 暴れる身体を押さえ、そこに当てたまま固定した。まだあまり開発されていないはずの身体が、敏感に反応して乱れる姿は欲情を掻き立てられる。膝が上下に動き、ぴんとつま先を伸ばしては上半身を縮こめる。悶える度に胸がたわみ、触りたい欲望に襲われる。

「颯太っ、も、やあぁっ!」
「止めたい?」
「やめ、たいっ」
「ここでイケるだろ?」

 数えられるほどだが、クリでイッたことはある。自分でしていればそれ以上だが、未羽の性格を考えるとそれは無さそうだ。そうするくらいなら俺を呼ぶ。なんでかは知らないけれど。

「力抜いて、集中して」
「ああぁんっ! やだっ、やだあぁっ!」
「未羽」

 思わず頬にキスをし、すぐに自分のしたことに気づいた。何やってんだ俺、恋人でもないのに。

「あっあっ、きちゃうっ!」

 抱きしめている方の腕をぎゅっと掴まれ、次の瞬間、身体が大きく震えた。すぐに機械を抜き取ると、びくびくと余韻のように痙攣が続く。

「ちゃんとイケたな」
「ん……、はぁ……」

 ぐったりと脱力し、体重が預けられる。荒い呼吸が落ち着くのを待ちながら、自分の欲も早々に落ち着かせようと努めた。未羽があれだけ乱れる姿は初めて見た。全身を悶えさせながら声を上げる様を目の当たりにして、普通でいられるわけがない。

「颯太、ありがと。なんか……、凄かった」
「気持ちよかっただろ」
「んー……、まぁ」

 あれだけよがっていたくせに、微妙な反応だ。もしかして本気で嫌がっていたのかと不安になり、その顔を覗き込んだ。同時に未羽もこちらを見上げ、濡れた瞳がぶつかる。

「それ……、胸に当ててるの見たけど、違うの?」
「あ、あぁ」

 イッた直後のとろけた顔でそう言われ、返事に詰まった。一体何で見たんだと突っ込みたくなったが、そういう漫画を描いているのだから資料として色々と目にしているのだろう。

「未羽はあんまり感じないと思う」

 服越しに大きな胸に触れた。柔らかさに促されるように何度か揉み上げ、僅かに尖った先端を爪で引っ掻くと、顔を赤らめながらも、ふふ、とおかしそうに笑う。

「何それ、くすぐったい」
「ここが気持ちよくならないと、当てても痛いんじゃないか」
「それって、いっぱい触ったら感じるようになるってこと?」
「まぁ、たぶん」
「……じゃあ、……じゃあさ」

 赤い顔で俯き、小さく遠慮がちな声が届く。

「颯太が、いっぱい触って……」

 何を言っているんだろう。冗談かと疑うも、ちらりと様子を伺うように視線を向けられ、俺の顔を見て慌ててまた背けられ、その姿が本気で言っているようにしか見えない。

「や、やだったらいいから」
「嫌じゃないけど……、そういうの、彼氏以外の男に言わないほうがいいぞ」
「そんなのいないもん」

 その返答を聞いて、安心する自分はどうかしている。もうとっくに諦めて、他の女と何人も付き合ってきた奴が、今更何を期待しているのだ。

「今日触ったくらいじゃ変わんないと思うけど」
「う、ん……っ」

 両手で胸を揉み上げながら言えば、当然とばかりに返事をする。それはまたこういう行為をしようと約束しているようなもので、だんだんと日常的になりつつあることに高揚しながらも、どこか後ろめたさを感じる。

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