1 / 1
とある現実恋愛小説作家が語る、行き当たりばったりと言う生き方。
しおりを挟む
小説を初めて執筆したいと思ったのは、2019年の11月のことだった。某先生の漫画に感化されて似た題名のスポーツ青春小説を書こうと思ったが、ものの見事に挫折してしまった。
時は流れて、2020年となった。外出できなくなったことによって時間に余裕が生まれ、久しぶりに創作意欲が湧いてきたのだ。
そして執筆したのは、前々から憧れていたハイファンタジー。当時読み漁っていた『下剋上』というキーワードを引っ提げて、異世界主人公が勇者を倒す物語の構想は広がっていった。
しかし、である。これも、書き始めから僅か二週間ほどでエタってしまった。それまで『文章を書く』という行為を全くしてこなかった筆者にとって、一話四千文字と言うノルマは重すぎたのだ。
この二つの作品には、ある共通点がある。『完結時のシーン以外を決めていなかった』と言う点だ。プロットなど、言葉すら知らなかった。
要するにエタった二作品は、行き当たりばったりで行き詰まったのだ。
当時を振り返ると、超初心者なのにも関わらず文庫本一冊分を目標にしていたのがいかに自殺行為だったかが分かる。千文字書くのにヒーヒー言っている自信過剰な筆者が、十万文字を書ききれるわけが無かったのである。
来たる2020年の8月。一周回ってラブコメに行きついた筆者は、性懲りも無く毎日投稿を掲げて三作目の執筆にとりかかった。
前二作からの教訓から小説の書き方を学ぶことにした筆者は、そこで『プロット』というものに出会った。
作者の方々には呆れられるかもしれないが、その時の筆者はまるで魔法を見ているかのような気分に襲われた。
『プロットを書いておけば、その通りに進められる!』と、感激した。ただのバカだ。
投稿初期の文章を見返してみたのだが、如何せん酷い物だった。日本語が成立しているだけの、修飾が無いスカスカな文章が並んでいた。決して誇れる文章力を持っているとは言えない筆者だが、その筆者を持ってしても読む気をなくすものだった。
時系列に戻るが、結論から言ってしまうと毎日投稿は無茶だった。当時の筆者は1000文字を一話としていたため何とか持っていたのだが、それでも執筆が追い付かなくなってしまったのだ。
無理がたたったのもあり、遂に月2回投稿まで頻度が落ちてしまった。この時、筆者はよくこう思っていたものだ。
(ああ、これもエタるのか……)
昔話はこれくらいにして、現状を伝えていくとしよう。
一作目(青春スポーツ):未完(1000文字)
二作目(異世界下剋上):未完(20000文字)
三作目(現実恋愛ラブコメ):完結済(560000文字)
四作目(現実恋愛):完結済(66000文字)
五作目(現実恋愛):内部執筆中(80000文字)
……堅苦しい文体の導入(無駄話)はここまでにして、ここからはいつもの調子で綴っていきます。
結果を見ていただければわかる通り、無事完結してしまいました。二年半という歳月はかかりましたが、行き当たりばったりでも何とかなってしまいました。
プロットを書いていたかどうかは、以下の通りです。
一作目:なし
二作目:なし
三作目:書いてもムダだった(行き当たりばったり進行)
四作目:あり
五作目:大まかな流れのみ
三作目と五作目は、とにかく行き当たりばったりです。必死でプロットを作っても思いつきですべてぶち壊され、ある展開に持っていきたいと思ってもキャラが勝手に動いてご破算になり……。何度泣かされたか分かりません。
それでも、行き当たりばったりは苦しみもありますが、それ以上の楽しさがあります。キャラに連れていかれる内に、新しいネタをひらめくことも多々あります。
どれだけ話が逸れても、最終的にゴールテープを切ってさえしまえば、それでよいのです。プロットは、書かなくても案外どうにかなります。
『行き当たりばったりで小説を執筆すると、エタる』
『しっかりとプロットを作って、脱線しないようにすべき』
その方が安定するのは、分かっています。それでも、行き当たりばったりという生き方があるのです。
最後まで読んでくださったそこのあなた、一度は行き当たりばったりで小説を書いてみてはいかがでしょうか? きっと、新しい世界が拓けるはずです。
時は流れて、2020年となった。外出できなくなったことによって時間に余裕が生まれ、久しぶりに創作意欲が湧いてきたのだ。
そして執筆したのは、前々から憧れていたハイファンタジー。当時読み漁っていた『下剋上』というキーワードを引っ提げて、異世界主人公が勇者を倒す物語の構想は広がっていった。
しかし、である。これも、書き始めから僅か二週間ほどでエタってしまった。それまで『文章を書く』という行為を全くしてこなかった筆者にとって、一話四千文字と言うノルマは重すぎたのだ。
この二つの作品には、ある共通点がある。『完結時のシーン以外を決めていなかった』と言う点だ。プロットなど、言葉すら知らなかった。
要するにエタった二作品は、行き当たりばったりで行き詰まったのだ。
当時を振り返ると、超初心者なのにも関わらず文庫本一冊分を目標にしていたのがいかに自殺行為だったかが分かる。千文字書くのにヒーヒー言っている自信過剰な筆者が、十万文字を書ききれるわけが無かったのである。
来たる2020年の8月。一周回ってラブコメに行きついた筆者は、性懲りも無く毎日投稿を掲げて三作目の執筆にとりかかった。
前二作からの教訓から小説の書き方を学ぶことにした筆者は、そこで『プロット』というものに出会った。
作者の方々には呆れられるかもしれないが、その時の筆者はまるで魔法を見ているかのような気分に襲われた。
『プロットを書いておけば、その通りに進められる!』と、感激した。ただのバカだ。
投稿初期の文章を見返してみたのだが、如何せん酷い物だった。日本語が成立しているだけの、修飾が無いスカスカな文章が並んでいた。決して誇れる文章力を持っているとは言えない筆者だが、その筆者を持ってしても読む気をなくすものだった。
時系列に戻るが、結論から言ってしまうと毎日投稿は無茶だった。当時の筆者は1000文字を一話としていたため何とか持っていたのだが、それでも執筆が追い付かなくなってしまったのだ。
無理がたたったのもあり、遂に月2回投稿まで頻度が落ちてしまった。この時、筆者はよくこう思っていたものだ。
(ああ、これもエタるのか……)
昔話はこれくらいにして、現状を伝えていくとしよう。
一作目(青春スポーツ):未完(1000文字)
二作目(異世界下剋上):未完(20000文字)
三作目(現実恋愛ラブコメ):完結済(560000文字)
四作目(現実恋愛):完結済(66000文字)
五作目(現実恋愛):内部執筆中(80000文字)
……堅苦しい文体の導入(無駄話)はここまでにして、ここからはいつもの調子で綴っていきます。
結果を見ていただければわかる通り、無事完結してしまいました。二年半という歳月はかかりましたが、行き当たりばったりでも何とかなってしまいました。
プロットを書いていたかどうかは、以下の通りです。
一作目:なし
二作目:なし
三作目:書いてもムダだった(行き当たりばったり進行)
四作目:あり
五作目:大まかな流れのみ
三作目と五作目は、とにかく行き当たりばったりです。必死でプロットを作っても思いつきですべてぶち壊され、ある展開に持っていきたいと思ってもキャラが勝手に動いてご破算になり……。何度泣かされたか分かりません。
それでも、行き当たりばったりは苦しみもありますが、それ以上の楽しさがあります。キャラに連れていかれる内に、新しいネタをひらめくことも多々あります。
どれだけ話が逸れても、最終的にゴールテープを切ってさえしまえば、それでよいのです。プロットは、書かなくても案外どうにかなります。
『行き当たりばったりで小説を執筆すると、エタる』
『しっかりとプロットを作って、脱線しないようにすべき』
その方が安定するのは、分かっています。それでも、行き当たりばったりという生き方があるのです。
最後まで読んでくださったそこのあなた、一度は行き当たりばったりで小説を書いてみてはいかがでしょうか? きっと、新しい世界が拓けるはずです。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


トロッコ問題でキャラクターを作ろう
音無威人
エッセイ・ノンフィクション
「トロッコ問題」をご存知だろうか? トロッコが進む先に五人の人間がいて、轢かれそうになっている。分岐器を切り替えて五人を助けることができるが、その代わり、別のレールにいる一人が犠牲になるという思考実験のことだ。
そんな「トロッコ問題」を使ったキャラクターの作り方について考えてみた。わりと思いつきで書いた内容なので、参考になるかどうかは知らない。キャラ作りに使えると思った方は参考に。
※小説家になろうにも掲載しています
【アルファポリスで稼ぐ】新社会人が1年間で会社を辞めるために収益UPを目指してみた。
紫蘭
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスでの収益報告、どうやったら収益を上げられるのかの試行錯誤を日々アップします。
アルファポリスのインセンティブの仕組み。
ど素人がどの程度のポイントを貰えるのか。
どの新人賞に応募すればいいのか、各新人賞の詳細と傾向。
実際に新人賞に応募していくまでの過程。
春から新社会人。それなりに希望を持って入社式に向かったはずなのに、そうそうに向いてないことを自覚しました。学生時代から書くことが好きだったこともあり、いつでも仕事を辞められるように、まずはインセンティブのあるアルファポリスで小説とエッセイの投稿を始めて見ました。(そんなに甘いわけが無い)
伊良湖岬
夕月 檸檬 (ゆづき れもん)
エッセイ・ノンフィクション
初めて愛知県田原市・伊良湖岬を訪れた時の思い出。
あえてデジタル機器を一切触らないと決めて、それによって起こるハプニングを楽しんだ小旅行でした。
データから分析して目指せスコアアップ!初心者投稿者の試行錯誤と記録。
終夜
エッセイ・ノンフィクション
Web小説を書き、いつか本にしてみたい。そう考える初心者がアルファポリス様で小説を連載する中で、記録をとってグラフにしたり考察したりして試行錯誤する日々をお送りします。
2025年何かが起こる!?~予言/伝承/自動書記/社会問題等を取り上げ紹介~
ゆっち
エッセイ・ノンフィクション
2025年に纏わるさまざまな都市伝説、予言、社会問題などを考察を加えて紹介します。
【予言系】
・私が見た未来
・ホピ族の予言
・日月神示の預言
・インド占星術の予言
など
【経済・社会的課題】
・2025年問題
・2025年の崖
・海外展開行動計画2025
など
【災害予測】
・大規模太陽フレア
・南海トラフ巨大地震
など
※運営様にカテゴリーや内容について確認して頂きました所、内容に関して特に問題はないが、カテゴリーが違うとの事のでホラー・ミステリーから「エッセイ・ノンフィクション」へカテゴリー変更しました。
アルファポリスでの『書籍化』はナニに魂を売ればデキる?
まみ夜
エッセイ・ノンフィクション
※夢多きお子様は、薄汚い大人にならないように、お読みにならないコトを推奨いたします。
※個人の感想です。効果、効能を保証するモノでは、ございません。
※転記は一切許可しておりません。また、引用には著作権法により厳密なルールが定められているので、ご注意ください。
自信満々に物語を書いて、早くも1500ポイント達成かと思っていたら、NEWが取れたら激減。
他の物語に負けないと思っていたのに、お気に入りも一桁、更新しても300ポイント以下。
では、「どうしたらいいか」を前向きに考察をするコラムです。
まずは、「1ページ目を読んでもらえるコトを目標」から始めましょう。
自分が書きたいことを好きに書いているダケで読まれなくていい、という方には無意味な駄文です。
書き手向けの内容ですが、読み専門の方には、より良い物語を探すヒントになる「かも」しれません。
表紙イラストは、lllust ACより、楠あかね様の「魔神」を使用させていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる