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第3章 スケジュール、埋まってます編
026 結局そうなるのね
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火曜日の一時間目の学活。
「これ、学校はテスト勉強する時間を確保するつもりあるのか?」
亮平は、今後の予定の手紙を見ながら、思わずそう漏らしていた。
昨日に発表された課題の量は、正直言ってかなり多い。一日二、三時間やって終わるかどうかの量だ。
そしてただでさえ時間が惜しいところに、修学旅行の準備日程が重くのしかかってくる。テスト前は部活は無くなるのだが、それも修学旅行の放課後準備で帳消しになる。
来週の水曜日から中間考査で、今日は火曜日。今日はまず、留学旅行の係決めをするらしい。放課後の準備にかかる時間は係によって変わってくる。
(少なくとも班長にはなりたくはないな)
班長をどうしてもしたい人以外には、ならべくなりたくない役割だ。係ではないが、班長で集まる会が何回かあると聞いているので、あまりなりたくはない。
「まず、班を決める。女子と男子のそれぞれあみだくじの上半分を渡すので、名前を書いていくように」
教室の班と修学旅行の班は別だ。3-Aのクラスの人数は36人。六班に分かれる事になる。
あみだくじが回ってくる。こういう時、端っこはあまり選びたくない。亮平は、真ん中の方に自分の名前をかいた。
「全員かいたな。じゃ、先生が言っていくから、呼ばれた人は前に来るように」
まず、一班になる人が呼ばれていく。次に、二班、三班、四班……
「じゃ、次は五班な。片桐かたぎり、麻生あそう、霧嶋……」
呼ばれた。亮平は前に移動する。
「……横岳」
横岳が少しにやけながら前に来る。横岳は友人でもあるが、隙あらばすぐに突いてくる。嫌な予感しかしない。
「……荻原おぎわら、西森。五班は以上」
ここまである程度交流のある人が集中するのは珍しい。まあ、亮平が普段話す人が少ないせいもあるのだが。
未帆が呼ばれた時に若干跳ね上がった気がしたが、気のせいだろう。
「……六班は以上。呼ばれてない人はいないか?」
担任は確認のために少し言葉を止める。
「いないな。では、班の中で班長を決めてくれ」
この五班で班長に立候補しそうな人は……未帆ぐらいしかいなさそうだ。
「まず、班長になりたい人いる?」
未帆がそう尋ねる。未帆から言い出すということは、未帆は班長になる気はないのだろう。
「誰もいないから、多数決にしよう!」
「多数決はダメ!」
とっさに声が出る。多数決にしようとしたのは、ほぼ亮平に班長をさせるためだ。横岳は本当に厄介だ。
「じゃ、多数決に賛成の人~」
亮平以外の全員が手を挙げる。
この瞬間、亮平はあまりなりたくはなかった「班長」に決まったのであった。
(うまく嵌められたなぁ)
とはいっても、亮平にとっては「めんどくさい仕事が少し増えた」に過ぎないのだが。
「班長決まったな。班長は、今日の放課後教室に残っておくように」
(早速めんどくさそうな気配が……)
放課後に役割でも決めるのだろうが、あまり時間はかからなさそうだ。係決めだけなら。
今はもう卒業してこの学校にはいない先輩から聞いた話だが、班長は毎回長時間かかるので帰るのが午後六時ぐらいになったそうだ。それがテスト期間中もおかまいなしにあるのだからたまらない。
亮平はどちらかというとあまりテスト勉強はしない方だが、課題をやる時間まで奪われてしまっては困る。
(今年は先輩の時とは違いますように)
亮平は、毎回願っていることが叶ったためしがないことを気にしつつも、願ってしまうのであった。
「これ、学校はテスト勉強する時間を確保するつもりあるのか?」
亮平は、今後の予定の手紙を見ながら、思わずそう漏らしていた。
昨日に発表された課題の量は、正直言ってかなり多い。一日二、三時間やって終わるかどうかの量だ。
そしてただでさえ時間が惜しいところに、修学旅行の準備日程が重くのしかかってくる。テスト前は部活は無くなるのだが、それも修学旅行の放課後準備で帳消しになる。
来週の水曜日から中間考査で、今日は火曜日。今日はまず、留学旅行の係決めをするらしい。放課後の準備にかかる時間は係によって変わってくる。
(少なくとも班長にはなりたくはないな)
班長をどうしてもしたい人以外には、ならべくなりたくない役割だ。係ではないが、班長で集まる会が何回かあると聞いているので、あまりなりたくはない。
「まず、班を決める。女子と男子のそれぞれあみだくじの上半分を渡すので、名前を書いていくように」
教室の班と修学旅行の班は別だ。3-Aのクラスの人数は36人。六班に分かれる事になる。
あみだくじが回ってくる。こういう時、端っこはあまり選びたくない。亮平は、真ん中の方に自分の名前をかいた。
「全員かいたな。じゃ、先生が言っていくから、呼ばれた人は前に来るように」
まず、一班になる人が呼ばれていく。次に、二班、三班、四班……
「じゃ、次は五班な。片桐かたぎり、麻生あそう、霧嶋……」
呼ばれた。亮平は前に移動する。
「……横岳」
横岳が少しにやけながら前に来る。横岳は友人でもあるが、隙あらばすぐに突いてくる。嫌な予感しかしない。
「……荻原おぎわら、西森。五班は以上」
ここまである程度交流のある人が集中するのは珍しい。まあ、亮平が普段話す人が少ないせいもあるのだが。
未帆が呼ばれた時に若干跳ね上がった気がしたが、気のせいだろう。
「……六班は以上。呼ばれてない人はいないか?」
担任は確認のために少し言葉を止める。
「いないな。では、班の中で班長を決めてくれ」
この五班で班長に立候補しそうな人は……未帆ぐらいしかいなさそうだ。
「まず、班長になりたい人いる?」
未帆がそう尋ねる。未帆から言い出すということは、未帆は班長になる気はないのだろう。
「誰もいないから、多数決にしよう!」
「多数決はダメ!」
とっさに声が出る。多数決にしようとしたのは、ほぼ亮平に班長をさせるためだ。横岳は本当に厄介だ。
「じゃ、多数決に賛成の人~」
亮平以外の全員が手を挙げる。
この瞬間、亮平はあまりなりたくはなかった「班長」に決まったのであった。
(うまく嵌められたなぁ)
とはいっても、亮平にとっては「めんどくさい仕事が少し増えた」に過ぎないのだが。
「班長決まったな。班長は、今日の放課後教室に残っておくように」
(早速めんどくさそうな気配が……)
放課後に役割でも決めるのだろうが、あまり時間はかからなさそうだ。係決めだけなら。
今はもう卒業してこの学校にはいない先輩から聞いた話だが、班長は毎回長時間かかるので帰るのが午後六時ぐらいになったそうだ。それがテスト期間中もおかまいなしにあるのだからたまらない。
亮平はどちらかというとあまりテスト勉強はしない方だが、課題をやる時間まで奪われてしまっては困る。
(今年は先輩の時とは違いますように)
亮平は、毎回願っていることが叶ったためしがないことを気にしつつも、願ってしまうのであった。
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