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第2章 ゴールデンウィーク
#009 真相解明(亮平視点)
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「で、なんで澪もいるわけ?」
亮平は今、未帆の家にいる。亮平の方から自主的に来たわけではなく、未帆に呼び出されたのだ。
ゴールデンウィークの二日目以降は、一つの事を除いていつもと変わらなかった。深夜のパソコンの使用が実質禁止になったことをのぞいて。
「だいたい分かるでしょ?それより、なんで急に連絡しなくなったのよ?」
亮平は、姉貴に釘を刺されたこともあtって、あの日以降MILEを使っていない。そのことについて怒っているのだろう。
「俺の姉貴に……」
亮平は、未帆達に事情を説明する。事情を聞いた未帆は納得したようだ。
「ま、だいたい想像はついてたけどね。それより、なんで酒井さんの事を聞いてきたの?」
未帆にとってはそれも疑問だろう。「雑談」と亮平が決めたのにもかかわらず、急に話を変えたのだから。
「実は……。帰省先のショッピングモールで、澪に似ている女子を見たんだよ」
亮平が言い終わると、未帆と澪が顔を見合わせた。澪の方はうなずいている。
「念のために聞くけど、いつ見たの?」
「ゴールデンウィーク初日の午前中」
未帆から『そうだろうね……』という声が漏れた。
(まさか、あの少ない情報から、予測した!?)
さっきの未帆の聞き方も、『念のため』だった。『何でもない』が嘘なのはバレていたらしい。
「そ。私も帰省先が亮平君と一緒なのは西森さんから聞いたんでしょ?それで、亮平君は偶然私と遭遇したわけ。私は気付かなかったけどね」
(結局あの女子は、澪だったのか。声かけなくて良かった)
もしもあの時に澪に声をかけていれば、当然ゴールデンウィーク中に会いに来ることは間違いない。そうなれば、『ゴールデンウィークはゴロゴロしたい』という願いかかなわなくなる。そういう意味で言っているのだ。決して澪が嫌いというわけではない。
とにかく、これでゴールデンウィーク中の事の全ての真相が分かった。
亮平と澪は帰省先が近かったため、偶然遭遇した。そして、未帆が疑問に思っていた「連絡が付かなくなった」ことについては、姉貴に釘を刺された亮平が使えなかったから。
「これで、一件落着だね」
未帆が言う。本当に、一件落着だ。
「……車の中でゲームは、長時間しないようにしよう」
小さい声で誰かがつぶやいたのは、亮平は気付かなかった。
----------
亮平は家に帰ってきて、ある深刻なことに気付く。
(宿題するの、忘れてた!)
帰省先に持って行かなかったので、すっかり頭から抜け落ちていたのだ。
幸いな事に、まだ午前中。時間はあるので、徹夜でやれば間に合う、かもしれない。量が多いので間に合わないかもしれないが。数学が多かったので、何とかなると信じたい。
亮平は、この後一日中机に向かうこととなるのであった。
亮平は今、未帆の家にいる。亮平の方から自主的に来たわけではなく、未帆に呼び出されたのだ。
ゴールデンウィークの二日目以降は、一つの事を除いていつもと変わらなかった。深夜のパソコンの使用が実質禁止になったことをのぞいて。
「だいたい分かるでしょ?それより、なんで急に連絡しなくなったのよ?」
亮平は、姉貴に釘を刺されたこともあtって、あの日以降MILEを使っていない。そのことについて怒っているのだろう。
「俺の姉貴に……」
亮平は、未帆達に事情を説明する。事情を聞いた未帆は納得したようだ。
「ま、だいたい想像はついてたけどね。それより、なんで酒井さんの事を聞いてきたの?」
未帆にとってはそれも疑問だろう。「雑談」と亮平が決めたのにもかかわらず、急に話を変えたのだから。
「実は……。帰省先のショッピングモールで、澪に似ている女子を見たんだよ」
亮平が言い終わると、未帆と澪が顔を見合わせた。澪の方はうなずいている。
「念のために聞くけど、いつ見たの?」
「ゴールデンウィーク初日の午前中」
未帆から『そうだろうね……』という声が漏れた。
(まさか、あの少ない情報から、予測した!?)
さっきの未帆の聞き方も、『念のため』だった。『何でもない』が嘘なのはバレていたらしい。
「そ。私も帰省先が亮平君と一緒なのは西森さんから聞いたんでしょ?それで、亮平君は偶然私と遭遇したわけ。私は気付かなかったけどね」
(結局あの女子は、澪だったのか。声かけなくて良かった)
もしもあの時に澪に声をかけていれば、当然ゴールデンウィーク中に会いに来ることは間違いない。そうなれば、『ゴールデンウィークはゴロゴロしたい』という願いかかなわなくなる。そういう意味で言っているのだ。決して澪が嫌いというわけではない。
とにかく、これでゴールデンウィーク中の事の全ての真相が分かった。
亮平と澪は帰省先が近かったため、偶然遭遇した。そして、未帆が疑問に思っていた「連絡が付かなくなった」ことについては、姉貴に釘を刺された亮平が使えなかったから。
「これで、一件落着だね」
未帆が言う。本当に、一件落着だ。
「……車の中でゲームは、長時間しないようにしよう」
小さい声で誰かがつぶやいたのは、亮平は気付かなかった。
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亮平は家に帰ってきて、ある深刻なことに気付く。
(宿題するの、忘れてた!)
帰省先に持って行かなかったので、すっかり頭から抜け落ちていたのだ。
幸いな事に、まだ午前中。時間はあるので、徹夜でやれば間に合う、かもしれない。量が多いので間に合わないかもしれないが。数学が多かったので、何とかなると信じたい。
亮平は、この後一日中机に向かうこととなるのであった。
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