花束のような日々

相沢 朋美

文字の大きさ
上 下
36 / 40

36

しおりを挟む
 中学3年生の山森未羽は、隣のクラスの水谷慶太ーー成績優秀な生徒会役員。またサッカー部のキャプテンでもあるーーに密かに片想いしている。仲良しの早見桐子ーー未羽と同じ美術部の部長。生徒会役員も務めるーーもそのことを知っているので、未羽は桐子に慶太の様子についてよく教えてもらっていた。が、ある日、桐子は未羽に衝撃的な話をカミングアウトする。
 「実は、私も慶太のこと好きなんだ。もう恨みっこなしね」
自分の恋を応援してくれていたはずの桐子からのカミングアウトに、未羽はもう衝撃を隠せない。未羽が反応に困っていると、桐子はさらに追い打ちをかけてくる。
「泣いても慰めないからね」
これは桐子からの宣戦布告でもあった。この日以来、桐子は慶太との親睦について未羽にマウントをとるようになる。未羽が慶太と接する機会があまりないのをいいことに。桐子は自分が慶太とどれほどの接点があって仲良く話しているかマウントをとることで、未羽に嫉妬させたかったのだ。
しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

最新機種がやって来た

SF / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

29.5日彼女

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

朝餉添えの贄

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:8

処理中です...