花束のような日々

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　その後、女性は颯太に「ありがとうございます」と書かれたスマホのメモを見せてきた。しばらくして颯太の職場の最寄駅に着いたので、颯太は電車を降りる。女性も同じ駅で降りた。細く華奢な女性の身体、花束を抱える白い腕、長いまつ毛、潤んだように見える瞳、ぱっちりした大きな目、全部が颯太の印象に残っている。またどこかで会えたりしないだろうかと思いながら、颯太は職場へ向かう。

　松村悠斗は大学に通いながら、夜間は公認会計士の資格取得に特化した専門学校に籍を置いている。4回生なので卒業を控えており、ゼミの課題でも忙しくなってきた。悠斗は一浪の末に今の大学に入学したので周りの友達は1歳下の現役生ばかりだが、それでも同期と切磋琢磨しながら大学生活を送っている。
　悠斗には3歳下で20歳の恋人がいる。悠斗が多忙なため彼女と会う頻度は月に1～3回しか会えていないが、その分夏休みが終わったらデートで遠出する予定だ。記念日も近いことだし、テーマパークに行こうと話していた。