花束のような日々

相沢 朋美

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 小学1年生の阿部壮真は、母親とちいかわグッズを買いに100円ショップへ来た。キャラクターグッズコーナーへ一直線に向かうも、ちいかわのグッズはどこにも見当たらない。「全然ないね~」と母親と言いながら辺りを探すと、ちいかわグッズのみがまとめられた別コーナーを発見する。「あった!」と壮真は大はしゃぎだ。
 お目当てだったくりまんじゅうのキーホルダーがあり、壮真はそれを買ってもらうことになった。お会計をするためにレジに並んでいた壮真と母親。支払い前から壮真は
「くりまんじゅうすっごく可愛い。嬉しい」
とくりまんじゅうのキーホルダーを大事に持っていた。母親に買ってもらったくりまんじゅうのキーホルダーは、ランドセルにつけるつもりでいる。

 山川亜美は、3年前に婚約破棄となった元婚約者が結婚していたことを知った。元婚約者は亜美より9歳上で、離婚歴があるため、これで2回目の結婚だ。婚約破棄になった経緯は相手の浮気だったので、未練があるわけではない。浮気癖のある男だと新しい奥様は知っているのだろうか。私は1回も結婚できていないのに、なぜあの男は2回も結婚できるのか。元婚約者の再婚について亜美には思うところがあった。
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