花束のような日々

相沢 朋美

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 大森玲美は平日は会社員として働き、土曜日だけ副業でコールセンターのオペレーターとして働く。玲美は男性客からの問い合わせに対応したのだが、気に入られたようでしょっちゅう玲美宛にその男性客から電話が来るようになった。
「大森さんいますか?」
男性客の第一声はいつもこれで、玲美が出ると「彼氏はいるの?」「下の名前はなんて言うの?」「どこに住んでるの?」など業務に関係ないことを聞いてくる。その都度玲美は「業務に関係ない、個人的なことにはお答えいたしかねます」と言っていたが、それでもしつこい。
 いつものように男性客は玲美を指名した。玲美が出ると「大森さん、パンツの色何色ですか?」と聞いてきた。すると同僚の千葉将太が、「俺が変わる」と言って玲美から受話器をとる。
 「はい、お電話変わりました。僕が大森ですが何か? え、パンツの色ですか? 黒です」
将太は臆することなく男性客を対応した。将太が話した途端、男性客は一方的にガチャ切りしたという。金髪で今時の見た目からは想像できない将太のギャップに、玲美は「若いのにしっかりしている」という印象を抱いた。
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