花束のような日々

相沢 朋美

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 大学4回生の濱川美月は、3月21日に卒業式を控えている。当日はピンクの着物、紺色の袴、そして黒いブーツを身にまとう予定だ。ショートヘアの髪も、美容師さんにアレンジしてもらいヘアアクセサリーもつけてもらうことになっている。2歳上で社会人の恋人・彰人にもぜひ晴れ姿を見てほしいと思っていた。
 「3月21日に卒業式あるんだけど、来てくれる?」美月は彰人に卒業式に来てもらえないかとお願いする。が、彰人の答えはというと
「ごめん、平日は仕事だから無理」
だった。卒業式に彼氏から花束をもらうのが夢で、彰人にもそうしてもらえると思っていた美月。美月の理想はいとも簡単に壊れてしまう。周りの友達は彼氏が卒業式に来てくれるのに、私の彼氏は仕事だからって来てくれない。そんなの惨めだ。
「彰人が来てくれないなら、もう卒業式行かない!」
美月は不機嫌になり、卒業式に行かないという言葉を彰人に投げかけた。彰人は驚き、
「そんなこと言うなんてショック……」
と絶句する。なぜなら自分のせいで卒業式に行かないと言われたからだ。
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