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「お兄ちゃん! 大変! これ見て!」
ある日、小学6年生の妹の楓がiPadを片手に慌てて僕の部屋にやってきた。
「そんなに慌てて、一体何があったんだ?」
僕が尋ねると、楓はあるインターネットのページを見せてくれた。学校で友達からネット上に楓のことが書かれていると教えてもらい、「坂巻楓」で検索をかけたという。
それはインターネット掲示板の7ちゃんねると質問サイトのヤホー知恵袋だった。7ちゃんねるの方には僕宛に
「今でも好きです。ヨリを戻したいです。嘘の噂を流したことは謝りますから」
「手を繋ぎたい。抱きしめられたい。キスしたい。エッチしたい。また先輩の小説を読みたい。先輩、受験勉強のしすぎで性欲溜まってますよね? 私が相手になって性欲満たしてあげますから」
「体操服の匂いをかいで、坂巻先輩のことをいつも考えています」
「妹の楓ちゃんは元気ですか?」
「坂巻先輩、これを見たら連絡くださいっ!」
などと長文で一方的な想いが綴られている。
ヤホー知恵袋の方には「自分を好きになってくれた人を嘘の噂で傷つけてしまいました。今でも彼のことが好きです。どうしたら良いですか?」「傷つけてしまった元カレと復縁したいです。どう謝ったらいいと思いますか?」などの質問が投稿されていた。秀英西高校の人間が見れば僕のことだとわかるような内容だ。
「何だよこれ、気持ち悪……」
僕はあまりの気持ち悪さに吐き気を催してしまった。どちらの書き込みもしま子ちゃんが書いたと確信してしまったからだ。最近は大人しくなったと思いきや、インターネット上に書き込みしていた模様。
僕は全部スクリーンショットを撮り、プリンターでコピーした。警察署で警察官に見せる分と学校で井手先生に見せる分だ。楓も両親も僕の味方でいてくれている。両親は僕が心療内科に行くときや警察に相談に行くときに付き添ってくれたし、学校で先生にも話をしてくれた。おかげで家に帰ったときはホッとしていたのだ。
高校3年生になり、僕は頑張って教室に入る。すると友達数人が駆け寄ってきて、僕に深々と頭を下げた。
「嘘の噂に惑わされて、聖那のことを傷つけてしまってごめん」
「今すぐには無理かもしれないけど、どうか許してくれるか……?」
中には土下座する者もいた。「もういいよ、顔上げて」と僕が言うと、全員がホッとしたような表情になる。口ではもういいよと言ったけれど、僕は疑心暗鬼になっていた。嘘の噂に惑わされるような奴なので、また僕に何かスキャンダルがあれば手のひらを返すだろうと考えていたからだ。僕はもう誰も心から信用することはできなかった。
ある日、小学6年生の妹の楓がiPadを片手に慌てて僕の部屋にやってきた。
「そんなに慌てて、一体何があったんだ?」
僕が尋ねると、楓はあるインターネットのページを見せてくれた。学校で友達からネット上に楓のことが書かれていると教えてもらい、「坂巻楓」で検索をかけたという。
それはインターネット掲示板の7ちゃんねると質問サイトのヤホー知恵袋だった。7ちゃんねるの方には僕宛に
「今でも好きです。ヨリを戻したいです。嘘の噂を流したことは謝りますから」
「手を繋ぎたい。抱きしめられたい。キスしたい。エッチしたい。また先輩の小説を読みたい。先輩、受験勉強のしすぎで性欲溜まってますよね? 私が相手になって性欲満たしてあげますから」
「体操服の匂いをかいで、坂巻先輩のことをいつも考えています」
「妹の楓ちゃんは元気ですか?」
「坂巻先輩、これを見たら連絡くださいっ!」
などと長文で一方的な想いが綴られている。
ヤホー知恵袋の方には「自分を好きになってくれた人を嘘の噂で傷つけてしまいました。今でも彼のことが好きです。どうしたら良いですか?」「傷つけてしまった元カレと復縁したいです。どう謝ったらいいと思いますか?」などの質問が投稿されていた。秀英西高校の人間が見れば僕のことだとわかるような内容だ。
「何だよこれ、気持ち悪……」
僕はあまりの気持ち悪さに吐き気を催してしまった。どちらの書き込みもしま子ちゃんが書いたと確信してしまったからだ。最近は大人しくなったと思いきや、インターネット上に書き込みしていた模様。
僕は全部スクリーンショットを撮り、プリンターでコピーした。警察署で警察官に見せる分と学校で井手先生に見せる分だ。楓も両親も僕の味方でいてくれている。両親は僕が心療内科に行くときや警察に相談に行くときに付き添ってくれたし、学校で先生にも話をしてくれた。おかげで家に帰ったときはホッとしていたのだ。
高校3年生になり、僕は頑張って教室に入る。すると友達数人が駆け寄ってきて、僕に深々と頭を下げた。
「嘘の噂に惑わされて、聖那のことを傷つけてしまってごめん」
「今すぐには無理かもしれないけど、どうか許してくれるか……?」
中には土下座する者もいた。「もういいよ、顔上げて」と僕が言うと、全員がホッとしたような表情になる。口ではもういいよと言ったけれど、僕は疑心暗鬼になっていた。嘘の噂に惑わされるような奴なので、また僕に何かスキャンダルがあれば手のひらを返すだろうと考えていたからだ。僕はもう誰も心から信用することはできなかった。
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