とある能力者達の物語

第4章 泥沼な関係

第1話 泥沼な関係

先にも述べたように、このメンバーはかなり泥沼な関係にある。

まずは筆頭である琉貴るきだ。

琉貴には別居中の嫁がおり、離婚調停りこんちょうていの最中である。

それにも関わらず、琉貴は紗枝さえの事を好きになり、告白をして付き合う事になったようだ。

いくら離婚調停中だからといって、新しく彼女を作るのは、それは立派な不倫関係では？と思う人も多いだろう。

実際に私もそれを聞いて同じ事を思った。

そして、狛井こまいは葉子ようこを好きになり、告白までしているが、葉子はまだ返事をしていない、ようは保留中のままである。

何故かと言うと、葉子自身琉貴に気があるからである。

驚くことに、葉子の式神が琉貴に告白をしたと言うではないか。

私はそれを聞いて絶句。

それはそうだ。葉子も琉貴が現状どういうことになっているのか分かって居ながら、狛井の返事は保留にして琉貴に告白をしたようなものだ。

立派な4角関係・・・いや、琉貴の嫁を含めたら五角関係だ。

やったね！五芒星ごぼうせいの完成だね！

なんて言っていられる場合ではない。

どんな昼ドラよりもドロドロとした関係図である。

傍観を決め込んでいる私は、それを面白おかしく感じながら、「私が混ざったら六芒星ろくぼうせいになるね！」なんてふざけた事を言ってみたりした。

まぁ、私には既に大切な人が居るので、六芒星なんてのはありえない話である。