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第六章
『王』の業火
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『で、デカい……!!』
大鴉に変形したラウルを目の当たりにして、先ず驚いたのがその大きさだ。威圧感も質量も人型だった時と同じ…なんてもんじゃなくて、もしかするとボス火竜より大きくなってしまってる。
『グガァアアーーッ!!』
咆哮した嘴から発せられるのは、毒々しい瘴気。
そして、床を陥没させている脚のかぎ爪は鋭く、大理石をチーズの様に削っている。それらがアダマンティンの如き硬度を持っているのは一目瞭然で、羽ばたいた翼からは重苦しい熱風が放射されていた。
『!?この空気……』
カルカンヌに滞在していた時に感じた、ねっとりと重くて死の匂いを纏った風と似ている。ラウルがグリフォンに掛けた魔力の波動が、あの国の気候にまで影響を及ぼしていたんだ。
「ヒィイ!!」
「ばっ、ば、バケモノ……!!」
周囲の人間達は、ラウルの真の姿に悲鳴を上げる。次々と起こる恐怖のオンパレードに耐え切れず、腰を抜かしたまま失神したり失禁する者も出ていて、真面目に混沌だった。
『俺の『目』は、まだ効いている…のか?』
緊張でこくり、と喉が鳴った。混じり気のない殺意を向けている先は、俺かベルか判断がつかない。怒り心頭に発して理性を失っているのなら、魅了が破られている恐れもある。
何せ伯爵位とはいえ、こいつは七大君主の一柱の腹心を務める大悪魔だ。『黒の祝福』で力も増している中、更に『本体』を晒け出したコイツを止められるのは……。
「ふふ…それにしても。下位悪魔といい上位悪魔といい、魔界の絶対的不文律を容易く犯させる『お前』と言う存在は、末恐ろしくもあるな」
「え?」
ベルの言葉の意味が分からず、俺は僅かに苦笑が混じった声に眉を顰める。だが、不意に腕の拘束が解かれてトン…と身体を軽く押された。
強くはないものの、予期しなかった為に踏鞴を踏んでしまった俺の全身に、続けてベルの防御結界が張られる。
「ベル…!?」
「彼奴の相手をするのに少し邪魔だ。ザビア達の所まで離れていろ」
唖然とする俺をチラリと一瞥し、ベルは偉そうに腕を組んで大鴉へ視線を戻した。大鴉…ラウルも離れた俺を眼中に入れず、ベルを睨みつけ威嚇している。
俺が今ここでやれるべき事はない。そう判断し、大人しくザビア将軍達の結界側へと移動したものの、僅かな不安が胸をよぎった。
先程までの一方的な私刑を見るに、王と伯爵の力量は歴然としている。今も自信満々なベルを見る限り杞憂だとは思うけど、窮鼠猫を噛む事もあり得る…かもしれないから。
『だけどこれ……凄いな…!』
自身で掛けるものとは比べ物にならない結界の強固さに、驚きを隠せない。将軍達を護っている物も同じで、ベル…ベリアルの強大な力そのものを具現しているのだと身をもって分かった。
そして、俺だけじゃなくて将軍達にも手を抜かずに護ってくれてる事に、ちょっとだけ頬が緩んでしまった。
『ガァアアアアーーーッ!!』
大鴉の濁声が謁見の間に再び響き渡る。絶叫は超音波となって鼓膜に突き刺さり、ベルの結界に護られていない殆どの者達が耳を塞ぎ、蹲ってしまった。玉座の王達も然りで、シェンナ姫が蹲ったコリン王太子を見て叫んでいる。
『ソノ『シホウ』ハ ワタシノモノダ……!!ワタサナイ!!ヨコセ…ヨコセェエエーー!!』
ガリガリと床を削って粉塵を撒き散らし、大鴉は翼を広げたかと思うと、生み出した何十もの瘴気の大楔をベルへと放った。物凄い速さで串刺しにせんと襲いかかるそれらに対し、ベルは凪いだ表情で腕を組んだままだった。
「べ……!?」
出かかった声は立ち消えとなる。
何故なら尖った先端がベルに触れる直前、ノーモーションで幾重にも連なった魔法陣が展開されたからだ。それらに衝突した楔は、瞬時にぐずぐずと溶けて消え失せてしまう。
大型魔獣の群れであっても一撃で瞬殺出来るだろう上位悪魔の攻撃を、ベルはあっさりと防いでみせた。
『ガアァ……!!』
「これは児戯か?くだらん小手先の技など、俺の毛一本も害せんぞ」
言葉の通り、あれだけの凄まじい攻撃はベルに届く事もなく霧散した。悔しそうに唸る大鴉の双眼が、ベルのせせら笑いを受けた途端に焔が宿る。
『グガァアアーー!!』
黒い炎を全身から噴出させ、大鴉は抉った床を蹴り飛び上がった。そしてベルへと長く鋭い鍵爪をふり被り、突き立てようとするが、またしても魔法陣がそれらを阻む。
だが先刻の楔とは違い、鍵爪はぎちぎちと軋む音を立て魔法陣に食い込んだ。やはり硬度はレアメタル並みなのか、溶けもせず防壁を壊そうとしている。しかも大鴉は嘴を開け、黒焔を吐き出したのだった。
「!!」
大鴉の物理的攻撃を受けても尚、ベルは無表情で腕を組んだままだった。けれど、纏わりついた黒い焔が魔法陣を溶かしていき、立てた爪も力を増し、軋む音が大きくなって…ついに亀裂が入ったのがはっきりと見えた。
「ベル…!!」
悪魔公で七大君主の一柱だと分かっていても、ベルと大鴉の余りの体格差は見ていて心臓に悪い。思わずベルの名を叫んでしまったのと魔法陣が砕け散ったのは、ほぼ同時だった。
シェンナ姫の小さな悲鳴が聞こえ、俺も息を呑んだ。鍵爪がベルを突き刺した…様に見えた瞬間、衝撃で火花が飛び散り視界が奪われてしまう。強く瞑ってから懸命に目を凝らし、ベルと大鴉を確認すると……。
『ガ……ッ!?』
「ほぉ……俺の魔法陣を突破するとは。よくやったと褒めてやろう」
信じられない光景だった。ベルは片手で大鴉の爪を纏めて掴み、物理的に止めていたのだ。その手を振り解こうとするも、縫いとめられたかの様にピクリとも動けず、焦って翼をばたつかせる大鴉を見上げ、ベルはにぃと牙を剥き出す。
「褒美に、『王』の業火をその身に喰らわせてやろう」
『!!ヒィ!?』
厳かに放たれた言霊は、巨大な紅焔となって大鴉を包み込む。そして、凄まじい火力でもってその身体を焼き潰していった。
『ギャアアアアーー!!!』
大鴉から苦痛に塗れた絶叫が迸る。俺達や周囲を全く巻き込まず、灼熱の焔は踠き羽撃くそれのみを燃やし尽くしたのだった。
大鴉に変形したラウルを目の当たりにして、先ず驚いたのがその大きさだ。威圧感も質量も人型だった時と同じ…なんてもんじゃなくて、もしかするとボス火竜より大きくなってしまってる。
『グガァアアーーッ!!』
咆哮した嘴から発せられるのは、毒々しい瘴気。
そして、床を陥没させている脚のかぎ爪は鋭く、大理石をチーズの様に削っている。それらがアダマンティンの如き硬度を持っているのは一目瞭然で、羽ばたいた翼からは重苦しい熱風が放射されていた。
『!?この空気……』
カルカンヌに滞在していた時に感じた、ねっとりと重くて死の匂いを纏った風と似ている。ラウルがグリフォンに掛けた魔力の波動が、あの国の気候にまで影響を及ぼしていたんだ。
「ヒィイ!!」
「ばっ、ば、バケモノ……!!」
周囲の人間達は、ラウルの真の姿に悲鳴を上げる。次々と起こる恐怖のオンパレードに耐え切れず、腰を抜かしたまま失神したり失禁する者も出ていて、真面目に混沌だった。
『俺の『目』は、まだ効いている…のか?』
緊張でこくり、と喉が鳴った。混じり気のない殺意を向けている先は、俺かベルか判断がつかない。怒り心頭に発して理性を失っているのなら、魅了が破られている恐れもある。
何せ伯爵位とはいえ、こいつは七大君主の一柱の腹心を務める大悪魔だ。『黒の祝福』で力も増している中、更に『本体』を晒け出したコイツを止められるのは……。
「ふふ…それにしても。下位悪魔といい上位悪魔といい、魔界の絶対的不文律を容易く犯させる『お前』と言う存在は、末恐ろしくもあるな」
「え?」
ベルの言葉の意味が分からず、俺は僅かに苦笑が混じった声に眉を顰める。だが、不意に腕の拘束が解かれてトン…と身体を軽く押された。
強くはないものの、予期しなかった為に踏鞴を踏んでしまった俺の全身に、続けてベルの防御結界が張られる。
「ベル…!?」
「彼奴の相手をするのに少し邪魔だ。ザビア達の所まで離れていろ」
唖然とする俺をチラリと一瞥し、ベルは偉そうに腕を組んで大鴉へ視線を戻した。大鴉…ラウルも離れた俺を眼中に入れず、ベルを睨みつけ威嚇している。
俺が今ここでやれるべき事はない。そう判断し、大人しくザビア将軍達の結界側へと移動したものの、僅かな不安が胸をよぎった。
先程までの一方的な私刑を見るに、王と伯爵の力量は歴然としている。今も自信満々なベルを見る限り杞憂だとは思うけど、窮鼠猫を噛む事もあり得る…かもしれないから。
『だけどこれ……凄いな…!』
自身で掛けるものとは比べ物にならない結界の強固さに、驚きを隠せない。将軍達を護っている物も同じで、ベル…ベリアルの強大な力そのものを具現しているのだと身をもって分かった。
そして、俺だけじゃなくて将軍達にも手を抜かずに護ってくれてる事に、ちょっとだけ頬が緩んでしまった。
『ガァアアアアーーーッ!!』
大鴉の濁声が謁見の間に再び響き渡る。絶叫は超音波となって鼓膜に突き刺さり、ベルの結界に護られていない殆どの者達が耳を塞ぎ、蹲ってしまった。玉座の王達も然りで、シェンナ姫が蹲ったコリン王太子を見て叫んでいる。
『ソノ『シホウ』ハ ワタシノモノダ……!!ワタサナイ!!ヨコセ…ヨコセェエエーー!!』
ガリガリと床を削って粉塵を撒き散らし、大鴉は翼を広げたかと思うと、生み出した何十もの瘴気の大楔をベルへと放った。物凄い速さで串刺しにせんと襲いかかるそれらに対し、ベルは凪いだ表情で腕を組んだままだった。
「べ……!?」
出かかった声は立ち消えとなる。
何故なら尖った先端がベルに触れる直前、ノーモーションで幾重にも連なった魔法陣が展開されたからだ。それらに衝突した楔は、瞬時にぐずぐずと溶けて消え失せてしまう。
大型魔獣の群れであっても一撃で瞬殺出来るだろう上位悪魔の攻撃を、ベルはあっさりと防いでみせた。
『ガアァ……!!』
「これは児戯か?くだらん小手先の技など、俺の毛一本も害せんぞ」
言葉の通り、あれだけの凄まじい攻撃はベルに届く事もなく霧散した。悔しそうに唸る大鴉の双眼が、ベルのせせら笑いを受けた途端に焔が宿る。
『グガァアアーー!!』
黒い炎を全身から噴出させ、大鴉は抉った床を蹴り飛び上がった。そしてベルへと長く鋭い鍵爪をふり被り、突き立てようとするが、またしても魔法陣がそれらを阻む。
だが先刻の楔とは違い、鍵爪はぎちぎちと軋む音を立て魔法陣に食い込んだ。やはり硬度はレアメタル並みなのか、溶けもせず防壁を壊そうとしている。しかも大鴉は嘴を開け、黒焔を吐き出したのだった。
「!!」
大鴉の物理的攻撃を受けても尚、ベルは無表情で腕を組んだままだった。けれど、纏わりついた黒い焔が魔法陣を溶かしていき、立てた爪も力を増し、軋む音が大きくなって…ついに亀裂が入ったのがはっきりと見えた。
「ベル…!!」
悪魔公で七大君主の一柱だと分かっていても、ベルと大鴉の余りの体格差は見ていて心臓に悪い。思わずベルの名を叫んでしまったのと魔法陣が砕け散ったのは、ほぼ同時だった。
シェンナ姫の小さな悲鳴が聞こえ、俺も息を呑んだ。鍵爪がベルを突き刺した…様に見えた瞬間、衝撃で火花が飛び散り視界が奪われてしまう。強く瞑ってから懸命に目を凝らし、ベルと大鴉を確認すると……。
『ガ……ッ!?』
「ほぉ……俺の魔法陣を突破するとは。よくやったと褒めてやろう」
信じられない光景だった。ベルは片手で大鴉の爪を纏めて掴み、物理的に止めていたのだ。その手を振り解こうとするも、縫いとめられたかの様にピクリとも動けず、焦って翼をばたつかせる大鴉を見上げ、ベルはにぃと牙を剥き出す。
「褒美に、『王』の業火をその身に喰らわせてやろう」
『!!ヒィ!?』
厳かに放たれた言霊は、巨大な紅焔となって大鴉を包み込む。そして、凄まじい火力でもってその身体を焼き潰していった。
『ギャアアアアーー!!!』
大鴉から苦痛に塗れた絶叫が迸る。俺達や周囲を全く巻き込まず、灼熱の焔は踠き羽撃くそれのみを燃やし尽くしたのだった。
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