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第四章
聖獣と王家の関係性
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「えっ!?」
どういう事だ?!
「そこの所、詳しく説明して頂けますか?」
「…はい。それにしても、失礼ですが口調が先程と変わっておられるような…」
「………気にしないで下さい」
「はぁ…」
あ、やっぱ気づかれたわ。
まあ確かに、ベルの高飛車な物言いと俺の話し方では全く違うもんな。だけど、そこはツッコミ無しの方向でお願いします。
釈然としない表情の王様だったが、再び説明を開始した。
なんでも彼女…シェンナ姫は、隣国のオンタリア王国の皇太子への輿入れが決まっているらしい。
でも姫はそれを嫌がり、巫女姫として仕えていたこの国の聖獣グリフォンと共に、出奔してしまったのだという。
「巫女姫は聖獣様のお心に寄り添い、尽くす事が使命。逆に聖獣様も、巫女姫にだけは心を許します。そしてシェンナは聖獣様との間に子を成したとされる初代の巫女姫の再来かと言われる程、聖獣様に深く愛された娘。その娘の望みなれば、聖獣様は我が国との誓約を破棄してでも、娘の望みを叶えようとするでしょう」
成る程。つまりは誘拐ではなく、駆け落ちに近いのか。
…って、ちょっと待て。なんか今。重大な事をサラッと言われたような…。
『ほぉ…。人間との間に子を成したか。その当時の巫女姫とやらは、余程その魔獣と魔力の波長が合ったのだろうな』
――そうそう!そこだよ!魔獣と人間との間で子供って出来るの!?
ベルの感心したような声が頭に響く。まさにドンピシャな疑問とばかりに、思わず食い気味で尋ねると再び呆れたような口調で返答された。
『当たり前だろうが。人間はどの種族よりも非力な代わりに、生殖能力だけはずば抜けて突出しているからな。大抵の種族の子を孕む事が可能だ』
――おお!そ、そうなんだ…!まさに生命の神秘!!
『つまりは、もしお前が女だったとして、俺の子を孕ませようと思えば孕ませられるって訳だ』
――うん。そんな情報は要りません。
ってか、成程ね…。そういや俺の前世でも、動物界では食物連鎖の底辺に近ければ近い程、多産で数が多かったっけ。つまりは種の生き残ろうとする生存能力ってやつなのかな?う~ん…深い。
おっと、思考を元に戻そう。
「えっと…。という事は、この国の王家には…」
「はい。聖獣様と初代巫女姫との間の子がそのまま王位を継ぎ、その血脈は我が王家に脈々と流れております。少なくとも、そう言い伝えられております。黒の魅了師殿。貴方には聖獣様を発見し次第、そのお力で聖獣様を捕らえ、娘共々無傷で連れ戻して頂きたいのです」
ふむ。
怒れる魔獣を傷付けずに捕らえる…か。確かにそれは魔術師や冒険者には荷が重い話だ。さっきの話じゃないけど、召喚士などは戦い方がそもそも、強力な魔獣を召喚して戦わせる事だからな。下手すれば相手を殺してしまいかねない。それならばスキルで相手を魅了し、従わせる事の出来る魅了師が最適だろう。
「…それともう一つ。誓約書にも記載されておりますが、娘が抵抗するようでしたら、娘にもそのお力を振るう事を許可致します。ですがくれぐれも、決して双方傷付ける事のなきよう、お願い致します」
…なにそれ。どんな方法でもって、つまりは姫様を魅了してもいいって事か。
娘を(自分で言うのも何だが)得体のしれない男に魅了されてもいいなんて、仮にも親の言う言葉かよ。しかも隣国に輿入れ予定なんだろ?俺に魅了させてどうするんだ。何かスッキリしないな。
まあ、それは置いといて、俺が戦う相手は姫様ではなく、グリフォンである事が決定したんだが、俺…。魅了のスキルは確かに持ってるけど、それの使い方全然知らないんだよな…。
普通の魔物とかならいざ知らず、幻獣系の上位種なんて、どうやって魅了すりゃいいんだよ。
『そう深く考えるな。お前なら死ぬ気で立ち向かえば何とかなる』
――どう何とかなると!?
どういう事だ?!
「そこの所、詳しく説明して頂けますか?」
「…はい。それにしても、失礼ですが口調が先程と変わっておられるような…」
「………気にしないで下さい」
「はぁ…」
あ、やっぱ気づかれたわ。
まあ確かに、ベルの高飛車な物言いと俺の話し方では全く違うもんな。だけど、そこはツッコミ無しの方向でお願いします。
釈然としない表情の王様だったが、再び説明を開始した。
なんでも彼女…シェンナ姫は、隣国のオンタリア王国の皇太子への輿入れが決まっているらしい。
でも姫はそれを嫌がり、巫女姫として仕えていたこの国の聖獣グリフォンと共に、出奔してしまったのだという。
「巫女姫は聖獣様のお心に寄り添い、尽くす事が使命。逆に聖獣様も、巫女姫にだけは心を許します。そしてシェンナは聖獣様との間に子を成したとされる初代の巫女姫の再来かと言われる程、聖獣様に深く愛された娘。その娘の望みなれば、聖獣様は我が国との誓約を破棄してでも、娘の望みを叶えようとするでしょう」
成る程。つまりは誘拐ではなく、駆け落ちに近いのか。
…って、ちょっと待て。なんか今。重大な事をサラッと言われたような…。
『ほぉ…。人間との間に子を成したか。その当時の巫女姫とやらは、余程その魔獣と魔力の波長が合ったのだろうな』
――そうそう!そこだよ!魔獣と人間との間で子供って出来るの!?
ベルの感心したような声が頭に響く。まさにドンピシャな疑問とばかりに、思わず食い気味で尋ねると再び呆れたような口調で返答された。
『当たり前だろうが。人間はどの種族よりも非力な代わりに、生殖能力だけはずば抜けて突出しているからな。大抵の種族の子を孕む事が可能だ』
――おお!そ、そうなんだ…!まさに生命の神秘!!
『つまりは、もしお前が女だったとして、俺の子を孕ませようと思えば孕ませられるって訳だ』
――うん。そんな情報は要りません。
ってか、成程ね…。そういや俺の前世でも、動物界では食物連鎖の底辺に近ければ近い程、多産で数が多かったっけ。つまりは種の生き残ろうとする生存能力ってやつなのかな?う~ん…深い。
おっと、思考を元に戻そう。
「えっと…。という事は、この国の王家には…」
「はい。聖獣様と初代巫女姫との間の子がそのまま王位を継ぎ、その血脈は我が王家に脈々と流れております。少なくとも、そう言い伝えられております。黒の魅了師殿。貴方には聖獣様を発見し次第、そのお力で聖獣様を捕らえ、娘共々無傷で連れ戻して頂きたいのです」
ふむ。
怒れる魔獣を傷付けずに捕らえる…か。確かにそれは魔術師や冒険者には荷が重い話だ。さっきの話じゃないけど、召喚士などは戦い方がそもそも、強力な魔獣を召喚して戦わせる事だからな。下手すれば相手を殺してしまいかねない。それならばスキルで相手を魅了し、従わせる事の出来る魅了師が最適だろう。
「…それともう一つ。誓約書にも記載されておりますが、娘が抵抗するようでしたら、娘にもそのお力を振るう事を許可致します。ですがくれぐれも、決して双方傷付ける事のなきよう、お願い致します」
…なにそれ。どんな方法でもって、つまりは姫様を魅了してもいいって事か。
娘を(自分で言うのも何だが)得体のしれない男に魅了されてもいいなんて、仮にも親の言う言葉かよ。しかも隣国に輿入れ予定なんだろ?俺に魅了させてどうするんだ。何かスッキリしないな。
まあ、それは置いといて、俺が戦う相手は姫様ではなく、グリフォンである事が決定したんだが、俺…。魅了のスキルは確かに持ってるけど、それの使い方全然知らないんだよな…。
普通の魔物とかならいざ知らず、幻獣系の上位種なんて、どうやって魅了すりゃいいんだよ。
『そう深く考えるな。お前なら死ぬ気で立ち向かえば何とかなる』
――どう何とかなると!?
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