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第二章
師匠候補は要注意人物!?
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「ベル―!!お前ー!!」
しかし、ベルを罵ろうとした俺は、逆に母に叱られる羽目となった。
「お前がちゃんと魔力や魔術に関しての勉強をしていれば、簡単に防げた事だろうが!」
「うっ!…だ、だってベルが来るまで魔術制御出来なかったから、勉強しても無駄だと思って…」
「無知は罪!自業自得だ!」
母の容赦ない一言に、完全撃沈する。
そうですね。その所為で今、結構散々な目に遭っている気がします。
…っておいベル、何を面白そうに笑って…あれ?笑ってない。でも何か複雑そうな顔している。
まあでも確かに、こういった事を何も知らなかったから、ベルと仮契約する事になっちゃったんだよな。…うん、確かにそこは反省すべきとこだろう。そして今後もこういった事は起こるだろうし、これからはちゃんと勉強しよう。
「…チッ。無知のままで良かったものを…あの女…」
そういう訳で、ベルの舌打ちも呟きも、俺はあえて聞かなかった事にした。
◇◇◇
「それでユキヤ。これから私達が尋ねる相手だが、癖のある奴だとさっき言ったな?」
「うん」
「多分に腹が立つ事があると思うが、弟子にすると言質を取るまでは反抗したり言い返したりせず、大人しくしていろ。奴は人を怒らせようとしているつもりもなく、ごく自然に相手を怒らせる事の出来る達人だ。気は抜くなよ」
…なんなのその人。
つまりは、思った事をそのまま正直に言う裏表の無い人…っていう事だろうか。
「ベル殿。貴公にもお願いするが、奴にムカついても、決して短慮な行動を取らないで頂きたい。非常にふてぶてしい奴ですが、実力だけは折り紙付きです。…それに今のユキヤにとって、多分最も必要な人物でしょうから」
「…善処はしてやろう。だが、程度によるぞ?」
「はい、それで構いません。それに殺さないでくれるのであれば、多少痛い目に遭わせて下さっても全然…いや、是非やって下さい。私も見た…いえ、何でもありません」
――母さん。今「私も見たい」って言ってませんでしたか?つまりは母さんもムカついている相手って事だよね。俺に紹介する人、本当にそんなんで良いのか?!
「おい、本当にそんな奴がユキヤに必要だというのか?」
流石に思うところがあったのか、顔を顰めたベルが俺の思っている事を口にしてくれた。
そうだよな。いくら母さんの昔からの知り合いだって言っても、まだ会った事が無い相手にそこまで言っちゃうような危険人物、不安しかないよ。
「…ええ、まあ。詳しい事は本人に会ってからという事で」
そう言うと、母は空中に手をかざした。
『――私は請い願う』
途端、魔法陣が出現する。
見るからに複雑そうなその陣形。確か魔法陣は複雑になればなるほど強力な魔力が込められているのだと以前聞いた事がある。
『我が名、ベハティ・ラヴィーンの名において命じる。閉じられし扉よ開け』
その瞬間、足元がグニャリと崩れるような感覚に襲われ、周囲が真っ白になっていく。
その眩しさに思わず目をつぶると、突如覚束なかった足元が、まるで地面にストン…と着地したようにしっかりとする。
「…え…?」
その感覚に思わず目を開けると、真っ白な空間の中ポツンと一つだけ、重厚な造りをした扉が聳え立っていた。
しかし、ベルを罵ろうとした俺は、逆に母に叱られる羽目となった。
「お前がちゃんと魔力や魔術に関しての勉強をしていれば、簡単に防げた事だろうが!」
「うっ!…だ、だってベルが来るまで魔術制御出来なかったから、勉強しても無駄だと思って…」
「無知は罪!自業自得だ!」
母の容赦ない一言に、完全撃沈する。
そうですね。その所為で今、結構散々な目に遭っている気がします。
…っておいベル、何を面白そうに笑って…あれ?笑ってない。でも何か複雑そうな顔している。
まあでも確かに、こういった事を何も知らなかったから、ベルと仮契約する事になっちゃったんだよな。…うん、確かにそこは反省すべきとこだろう。そして今後もこういった事は起こるだろうし、これからはちゃんと勉強しよう。
「…チッ。無知のままで良かったものを…あの女…」
そういう訳で、ベルの舌打ちも呟きも、俺はあえて聞かなかった事にした。
◇◇◇
「それでユキヤ。これから私達が尋ねる相手だが、癖のある奴だとさっき言ったな?」
「うん」
「多分に腹が立つ事があると思うが、弟子にすると言質を取るまでは反抗したり言い返したりせず、大人しくしていろ。奴は人を怒らせようとしているつもりもなく、ごく自然に相手を怒らせる事の出来る達人だ。気は抜くなよ」
…なんなのその人。
つまりは、思った事をそのまま正直に言う裏表の無い人…っていう事だろうか。
「ベル殿。貴公にもお願いするが、奴にムカついても、決して短慮な行動を取らないで頂きたい。非常にふてぶてしい奴ですが、実力だけは折り紙付きです。…それに今のユキヤにとって、多分最も必要な人物でしょうから」
「…善処はしてやろう。だが、程度によるぞ?」
「はい、それで構いません。それに殺さないでくれるのであれば、多少痛い目に遭わせて下さっても全然…いや、是非やって下さい。私も見た…いえ、何でもありません」
――母さん。今「私も見たい」って言ってませんでしたか?つまりは母さんもムカついている相手って事だよね。俺に紹介する人、本当にそんなんで良いのか?!
「おい、本当にそんな奴がユキヤに必要だというのか?」
流石に思うところがあったのか、顔を顰めたベルが俺の思っている事を口にしてくれた。
そうだよな。いくら母さんの昔からの知り合いだって言っても、まだ会った事が無い相手にそこまで言っちゃうような危険人物、不安しかないよ。
「…ええ、まあ。詳しい事は本人に会ってからという事で」
そう言うと、母は空中に手をかざした。
『――私は請い願う』
途端、魔法陣が出現する。
見るからに複雑そうなその陣形。確か魔法陣は複雑になればなるほど強力な魔力が込められているのだと以前聞いた事がある。
『我が名、ベハティ・ラヴィーンの名において命じる。閉じられし扉よ開け』
その瞬間、足元がグニャリと崩れるような感覚に襲われ、周囲が真っ白になっていく。
その眩しさに思わず目をつぶると、突如覚束なかった足元が、まるで地面にストン…と着地したようにしっかりとする。
「…え…?」
その感覚に思わず目を開けると、真っ白な空間の中ポツンと一つだけ、重厚な造りをした扉が聳え立っていた。
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