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第二章
斡旋料はいかほど?
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「あの女がお前の産みの親ってのは、親父達や弟、それと少数の親戚しか知らんのだろう?」
「確かにそうだけど…。でも調べれられたら、いずれ分かると思うぞ?」
確かに、母さんは師匠としてはうってつけの人材だ。武術、魔術、旅の仕方、世界情勢…と、ありとあらゆるものに精通している。
だけど彼女は師匠である前に、俺の母親なのだ。
もし王家が昨夜の工作に欠片でも疑惑の目を向け、徹底的に父さんの生家を探ればいずれ露見するだろう。
そして、彼女が俺に関わる事によって俺の生存が国に知られてしまえば、アスタール公爵家に迷惑がかかってしまう。
下手をすれば彼らをダシに脅され、国に戻らなくてはいけなくなるかもしれないのだ。
…いや。もしかしたらあの人がブチ切れ、同じくブチ切れた義父と実父が結託して国と戦争を起こすなんて…。うわっ、あり得そうで怖いっ!
「それならば、お前の実家となんら関りの無い奴を紹介してもらえばいい。あの女は俺ほどでは無いが、かなり永く生きているようだからな。そういう伝手の一つや二つあるだろう?」
言われてみれば、確かにそうだった。
聞けば母さんは数百年以上は生きていると言っていたし、下手したらそれ以上かもしれない。世界中を旅していたとも言っていたし、だったら俺に色々教えてくれる人を知っている可能性は高い。
「ま、それが無理なら魔界で俺に嫁げばいい。それか、手っ取り早く俺と本契約してお前の故郷を乗っ取って、堂々と帰還…」
「どっちも却下!…じゃあ、まずは母さんに会わないと」
「チッ!言っておくが、お前の関係者には全員監視が付いているだろうから、ここに呼び寄せる事は出来んぞ」
「ええー!」
まあ、そうだろうとは思ってたけど、やっぱりかぁ。
ランスロット王子は、王宮側は俺がベルを召喚したのかもしれないと疑っているような事を言っていた。
ゆえに彼が自作自演をしてくれても、俺は連れ去られたのではなくベルを使って自ら逃げたのでは、と考えても不思議ではない。
母さんも俺の安否が心配で公爵邸に滞在してたから、王家から足止めをくらったのかな。ここで母さんが不自然に消えたりなんてしたら、俺と接触する為だと疑われてしまうだろう。
「そっか…。じゃあ、どうすればいいかな…」
「ソレを使えばいいだろ」
「ソレ…?」
ベルが俺の左腕を指さす。そこには何の飾りも付いていない、シンプルな銀のブレスレットが嵌められていた。
「あ、これ…母さんがくれた…!」
そうだった。決闘に行く前、何かあったらこれをと渡されたブレスレットを未だつけていたのだ。色々あってすっかり忘れていた。
「でも、これを使って母さんに連絡した時、傍にいる監視の奴らに見られたら…」
「…ならばそれを触媒にして、あいつが眠っている時俺が夢に干渉してやろう。…で?対価はどうする?」
「た、対価!?…えっと…。落ち着いたら、超豪華な食事を…」
「却下」
「えー!だって、食事でも魔力供給出来るって言ったじゃん!」
「ばーか。食事ごときじゃ対価が低いって言ってんだよ。…そうだな。お前の方から俺にキスしろ。それぐらいじゃなければ割に合わん」
「キ、キ、キス!?お、俺から!?ちょっ、待て!お前、ここぞとばかりに吹っ掛けてんだろ!?」
「じゃあ止めるか?俺はどっちでもいいが…。まあ、コンタクトした時のリスクは高まるだろうな」
「~~~!!!…く…っ!この悪魔めが…!」
「今更、なにを当たり前な事実を。…で?どうするんだ?」
ベルが面白そうに口角をつり上げてこちらを見ている。
しかもその目が「断れないだろ、ばーか」と言っているようで、真面目にムカつく!
「確かにそうだけど…。でも調べれられたら、いずれ分かると思うぞ?」
確かに、母さんは師匠としてはうってつけの人材だ。武術、魔術、旅の仕方、世界情勢…と、ありとあらゆるものに精通している。
だけど彼女は師匠である前に、俺の母親なのだ。
もし王家が昨夜の工作に欠片でも疑惑の目を向け、徹底的に父さんの生家を探ればいずれ露見するだろう。
そして、彼女が俺に関わる事によって俺の生存が国に知られてしまえば、アスタール公爵家に迷惑がかかってしまう。
下手をすれば彼らをダシに脅され、国に戻らなくてはいけなくなるかもしれないのだ。
…いや。もしかしたらあの人がブチ切れ、同じくブチ切れた義父と実父が結託して国と戦争を起こすなんて…。うわっ、あり得そうで怖いっ!
「それならば、お前の実家となんら関りの無い奴を紹介してもらえばいい。あの女は俺ほどでは無いが、かなり永く生きているようだからな。そういう伝手の一つや二つあるだろう?」
言われてみれば、確かにそうだった。
聞けば母さんは数百年以上は生きていると言っていたし、下手したらそれ以上かもしれない。世界中を旅していたとも言っていたし、だったら俺に色々教えてくれる人を知っている可能性は高い。
「ま、それが無理なら魔界で俺に嫁げばいい。それか、手っ取り早く俺と本契約してお前の故郷を乗っ取って、堂々と帰還…」
「どっちも却下!…じゃあ、まずは母さんに会わないと」
「チッ!言っておくが、お前の関係者には全員監視が付いているだろうから、ここに呼び寄せる事は出来んぞ」
「ええー!」
まあ、そうだろうとは思ってたけど、やっぱりかぁ。
ランスロット王子は、王宮側は俺がベルを召喚したのかもしれないと疑っているような事を言っていた。
ゆえに彼が自作自演をしてくれても、俺は連れ去られたのではなくベルを使って自ら逃げたのでは、と考えても不思議ではない。
母さんも俺の安否が心配で公爵邸に滞在してたから、王家から足止めをくらったのかな。ここで母さんが不自然に消えたりなんてしたら、俺と接触する為だと疑われてしまうだろう。
「そっか…。じゃあ、どうすればいいかな…」
「ソレを使えばいいだろ」
「ソレ…?」
ベルが俺の左腕を指さす。そこには何の飾りも付いていない、シンプルな銀のブレスレットが嵌められていた。
「あ、これ…母さんがくれた…!」
そうだった。決闘に行く前、何かあったらこれをと渡されたブレスレットを未だつけていたのだ。色々あってすっかり忘れていた。
「でも、これを使って母さんに連絡した時、傍にいる監視の奴らに見られたら…」
「…ならばそれを触媒にして、あいつが眠っている時俺が夢に干渉してやろう。…で?対価はどうする?」
「た、対価!?…えっと…。落ち着いたら、超豪華な食事を…」
「却下」
「えー!だって、食事でも魔力供給出来るって言ったじゃん!」
「ばーか。食事ごときじゃ対価が低いって言ってんだよ。…そうだな。お前の方から俺にキスしろ。それぐらいじゃなければ割に合わん」
「キ、キ、キス!?お、俺から!?ちょっ、待て!お前、ここぞとばかりに吹っ掛けてんだろ!?」
「じゃあ止めるか?俺はどっちでもいいが…。まあ、コンタクトした時のリスクは高まるだろうな」
「~~~!!!…く…っ!この悪魔めが…!」
「今更、なにを当たり前な事実を。…で?どうするんだ?」
ベルが面白そうに口角をつり上げてこちらを見ている。
しかもその目が「断れないだろ、ばーか」と言っているようで、真面目にムカつく!
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