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第二章
回顧③【ベリアル視点】
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――これは…『魅了』による縛り…!!
不味い、目を逸らせ!と自分に言い聞かせるものの、その美しさに目が釘付けになってしまう。身体が、核が、甘い痺れに絡め取られ、酔いしれていく。
なんと美しい……愛しい……この青年の傍にずっと、いたい……!
――絡め取られ、堕とされた。
「……この俺相手に、随分と威勢のいい奴だ」
少年の前に進んで膝を折りそうになるのを、なけなしの気力と矜持で何とか抑え込み、そう口にする。
「分かった。では譲歩してやろう。とりあえずお前とは仮契約で、従魔になってやる」
何とかそう言い放った声は、自分でも驚く程に掠れていた。絶対に契約をしないと拒否する少年に譲歩するフリをし、そう提示する。
堕とされたのは俺の方なのに、それを悟らせぬ様、あくまでこちらが有利なフリをする。
なんと無様な事かと自分自身を嘲笑うが、本契約して完全な従魔となってしまえば、自分の主となったこの少年を自分のものにする事が出来なくなってしまうからだ。
しかも彼がまた本気で俺を拒否してしまえば、俺はその意志に従い、魔界に帰るしかなくなってしまう。それだけは避けなくてはならない。
…彼の、傍に在る為には。
「…分かった。じゃあ、仮契約なら…」
素直(馬鹿とも言う)な少年は、俺の誘いにまんまと乗ってきた。歓喜が胸を埋め尽くす。
「そうか。じゃあ、お前の気が変わらない内に、契約…いや、仮契約の対価を貰おうか」
そう言うと、俺は少年を引き寄せ口付けると、口元に滲んだ血を舐めた。
極上の甘さに酔いしれながら、俺は自分の名を少年に告げたのだった。
翌日から俺は、ユキヤに間違って召喚された魔物(小蛇)として、ユキヤの傍にいることにした。このサイズならばユキヤの腕に巻きついたり服の中に入っていたりと、常に傍にいられるし、何より魔力消費量が少なくて済む。
なにせ俺がユキヤと結んだのは従魔契約ですらない、あくまで普通のギブアンドテイク的契約…いや、仮契約なので、普通の従魔のように召喚士からの自動的な魔力供給が望めない。普通にこの世界に在るだけで、魔力がどんどん消費されていってしまう。
なので、蛇の姿のまま隙をついてユキヤに口付けし、魔力補充をしている。
ユキヤの魔力は、他の連中と違ってかなり濃度が高いものなので、ちょっと唇に触れただけでも割と補充が出来る。が、その際気付いたというか思い知ったというか。コイツは魅了のスキルが異常に膨大な為、他のスキルや魔力とのバランスが頗る悪かったのだ。
成程…。だから油断していたとは言え、悪魔公であるこの俺を縛れたのか、と納得してしまった。
なので、俺が吸収し易いように魔力バランスを整えてやった。本人や周囲は普通に魔力が使えるようになったと言って喜んでいたが、これはユキヤの為というよりは、ほぼ自分の為である。
それにしても…。できれば本来の姿で魔力補給をしたい所だが、やってはいけない違反事項の中に、「同意の無い性的接触(キス含む)」がある為、ちまちまと蛇の姿でするしかないのが実情だ。ユキヤはどうやら、「小さくて可愛いモノ(爬虫類も含む)」の接触は許容範囲内らしい。
全く...苛立たしくて仕方ない。人間の姿でディープなやつを一発すれば、数ヵ月は魔力補給しなくて済む程効率良く魔力を得られる。ついでにユキヤを気持ちよくさせて、その気にさせられる…と一石二鳥なのに、現実それが不可能に近いのだから。
俺の手にかかれば、未経験のガキ一人篭絡させる事など赤子の手をひねるより容易い。
なのにあの馬鹿。召喚士や魔術についての知識はまるでない割りに、何故かやたらと性知識が豊富なのだ。
更にその知識をフル活用し、あらゆる状況における性的な類いの禁止事項を作りやがった。
お陰で、全くと言っていい程手を出せないでいる状態なのだ。ちなみに「やってはいけない禁止事項」は、今や分厚い本並の量になっている。
まだ男とも女ともした事のない清らかな身体のくせに(精霊系はそこら辺の所は相手を見れば、いたした相手の数すら分かる)…解せぬ。
不味い、目を逸らせ!と自分に言い聞かせるものの、その美しさに目が釘付けになってしまう。身体が、核が、甘い痺れに絡め取られ、酔いしれていく。
なんと美しい……愛しい……この青年の傍にずっと、いたい……!
――絡め取られ、堕とされた。
「……この俺相手に、随分と威勢のいい奴だ」
少年の前に進んで膝を折りそうになるのを、なけなしの気力と矜持で何とか抑え込み、そう口にする。
「分かった。では譲歩してやろう。とりあえずお前とは仮契約で、従魔になってやる」
何とかそう言い放った声は、自分でも驚く程に掠れていた。絶対に契約をしないと拒否する少年に譲歩するフリをし、そう提示する。
堕とされたのは俺の方なのに、それを悟らせぬ様、あくまでこちらが有利なフリをする。
なんと無様な事かと自分自身を嘲笑うが、本契約して完全な従魔となってしまえば、自分の主となったこの少年を自分のものにする事が出来なくなってしまうからだ。
しかも彼がまた本気で俺を拒否してしまえば、俺はその意志に従い、魔界に帰るしかなくなってしまう。それだけは避けなくてはならない。
…彼の、傍に在る為には。
「…分かった。じゃあ、仮契約なら…」
素直(馬鹿とも言う)な少年は、俺の誘いにまんまと乗ってきた。歓喜が胸を埋め尽くす。
「そうか。じゃあ、お前の気が変わらない内に、契約…いや、仮契約の対価を貰おうか」
そう言うと、俺は少年を引き寄せ口付けると、口元に滲んだ血を舐めた。
極上の甘さに酔いしれながら、俺は自分の名を少年に告げたのだった。
翌日から俺は、ユキヤに間違って召喚された魔物(小蛇)として、ユキヤの傍にいることにした。このサイズならばユキヤの腕に巻きついたり服の中に入っていたりと、常に傍にいられるし、何より魔力消費量が少なくて済む。
なにせ俺がユキヤと結んだのは従魔契約ですらない、あくまで普通のギブアンドテイク的契約…いや、仮契約なので、普通の従魔のように召喚士からの自動的な魔力供給が望めない。普通にこの世界に在るだけで、魔力がどんどん消費されていってしまう。
なので、蛇の姿のまま隙をついてユキヤに口付けし、魔力補充をしている。
ユキヤの魔力は、他の連中と違ってかなり濃度が高いものなので、ちょっと唇に触れただけでも割と補充が出来る。が、その際気付いたというか思い知ったというか。コイツは魅了のスキルが異常に膨大な為、他のスキルや魔力とのバランスが頗る悪かったのだ。
成程…。だから油断していたとは言え、悪魔公であるこの俺を縛れたのか、と納得してしまった。
なので、俺が吸収し易いように魔力バランスを整えてやった。本人や周囲は普通に魔力が使えるようになったと言って喜んでいたが、これはユキヤの為というよりは、ほぼ自分の為である。
それにしても…。できれば本来の姿で魔力補給をしたい所だが、やってはいけない違反事項の中に、「同意の無い性的接触(キス含む)」がある為、ちまちまと蛇の姿でするしかないのが実情だ。ユキヤはどうやら、「小さくて可愛いモノ(爬虫類も含む)」の接触は許容範囲内らしい。
全く...苛立たしくて仕方ない。人間の姿でディープなやつを一発すれば、数ヵ月は魔力補給しなくて済む程効率良く魔力を得られる。ついでにユキヤを気持ちよくさせて、その気にさせられる…と一石二鳥なのに、現実それが不可能に近いのだから。
俺の手にかかれば、未経験のガキ一人篭絡させる事など赤子の手をひねるより容易い。
なのにあの馬鹿。召喚士や魔術についての知識はまるでない割りに、何故かやたらと性知識が豊富なのだ。
更にその知識をフル活用し、あらゆる状況における性的な類いの禁止事項を作りやがった。
お陰で、全くと言っていい程手を出せないでいる状態なのだ。ちなみに「やってはいけない禁止事項」は、今や分厚い本並の量になっている。
まだ男とも女ともした事のない清らかな身体のくせに(精霊系はそこら辺の所は相手を見れば、いたした相手の数すら分かる)…解せぬ。
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