詩集『刺繡』

新帯 繭

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アクアマリン

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優しい海の浅瀬の色

湖の女神との禁断の愛

川の潺の具現化

沢の一滴の結晶

硬く価値を持った湧水

冬真っただ中の雪解け

氷河の孤独の涙しずく

淡すぎて輝きも薄く
誰も見向きもしない

そこには幻想的な
現実感を持たない美学

まるで理想を語る時の
必死な青少年の感情を
無気力なままに
そっと手に取るようだ

3月の別れと出会いの季節に
当てつけのように添えられた
誕生石の御守りに
そっと月明かりのように
女神の微笑が抱擁してくれる
その御胸に抱かれて
暫しの癒しに涙する
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