詩集『刺繡』

新帯 繭

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アメジスト

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幻想的な紫
吸い込む様な深さ
狂おしい程の滑らかさ
安心感のある手触り

酒と豊穣の神バッカスが
化身となった結晶らしい
その魔力は『魔除け』
災厄を吸い取って
身代わりになってくれる

2月の誕生石
それが御守になる
この包容力に
私は母を感じる

優しさに
悔しいほど勝てない
それは強くて硬い
美しさのある
無言の優しさだ

この幻想たちを
私は胸に抱いて眠る
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