詩集『刺繡』

新帯 繭

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パンジーの想い

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『Pensee』
フランス語で『思慮・思案』
パンジーの名だという
俯き加減に咲く花を見ると
一輪一輪が意志を持って
目先のものに耽り込んでいるよう

パンジーの考え事を妄想する
花言葉までもが『思慮』
思慮深い恋をしているというが
花ゆえに意志に関係なく結ばれる
何とも切ない恋の一生だろう

植えた相手に恋をするのか
だが意志が主と同性であれば
何れも叶わぬものかと思えては
何とも世知辛い巡り合いだろうか

パンジーの意味
その一つに『女々しい』がある
『同性愛』も意味する花だ

きっと花には我々とは違い
もっと違う次元の恋愛の形が
我々には理解できない形である
それを思えば草木と比べて
人類のなんとちっぽけなことか
パンジーの思慮深さに敬愛を示す
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