詩集『刺繡』

新帯 繭

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科学

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現代人は何かを見るとき 『科学的根拠』を必ず求める
しかし『じゃあ、これは何?』と訊くと 誰も答えられない
『じゃあ、言うなよ』と思うのは いけないことだろうか
抑々『科学』を何一つ知らないくせに 『科学』を振りかざし
自分が納得いかないものに批判をする
一体何がしたいのだろうと 常日頃 聞く度に思う

これまでの生涯に 『科学ってどう思うか』と訊いてきた
その全ての人が『面倒臭い』『ややこしい』と答えた
中には『拒絶反応がする』という人もいた
私は科学が好きな一人だ 科学をこよなく愛してる
だからこそ 分からないのである
何故『科学的根拠』が一々必要なのかと
道徳倫理で考えればよいものも 精神論さえも
『科学』を掲げて 都合の良いように解釈する
相手が口籠ると 次の瞬間から 非難の嵐だ

納得いかなければ 自分が勝手に納得しなければ良い
何が相手を攻撃したがるのだろうか
そんなことのために 『科学』を口にしてほしくない
『科学的根拠』は 話手が自主的に 話すもの
気になれば調べれば良いものだ 違うだろうか
『科学』を口にして それを矛にしたいのなら
まずは『科学』を充分に学んでほしい
学んで手にした知識や知恵で 分からないことを
的確に指摘できなければ 言う権利はないのだ

『科学』は他人を攻撃するためにあるのではない
生活を豊かにし 命を救い 平和に生きるために
知欲を満たし 文化を追求し 新しく生まれゆくため
『科学』は身近に在り続けるのだ
『科学』は他人を非難するものではない
その言葉は『科学』というのみ 言葉で学びなのだ
現代人は『科学』を 口にし過ぎている
学びに疎いくせをして 下手な考えで自分を守りたがる
自分の生きる術すら 他力本願だというのに
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