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詩
お化け
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怖いものといえば
それはそうだろう
みんな強がるけれど
それはきっと本能
本当に見た人は
実際には怖がらない
心が怖がる前に
体が強張り逃げようとする
幽霊の正体を本気で考えた
すると出てきた答えは
人の記憶ではないだろうか
無念や未練
悲しみや心配事
自分を忘れないでという
自己啓示欲求のようなもの
そういったものを
人は今際の際に
以心伝心を用いて
誰かに無作為に行っているのだろう
私はお化けが怖くない
寧ろ悲しくなってしまう
何故なら
どんなに呪っていても
恨みで染まっていようと
それは生きている人間が
そうさせてしまった結果なのだ
そんなことをした人が
能天気にのうのうと生きているのだ
私はそういう生き人のほうが
よっぽど怖くて仕方がない
あの世へ行く母を
ある日に見た少女の霊と
見送った夢を見た
母の横で思い切り泣いていると
「病気はもう大丈夫だよ」と
そういって笑っていた
あの世は何故か役所のようだった
閻魔のネームスタンドの前に
母と並んで話をした
見送りを願い出ると
「戻れなくなるから駄目だ」と
強く断られてしまった
情けで閻魔様の横で母を見送ると
三途の川で母と別れた
母の顔は名残惜しそうだった
私はその後
私を悩ませ続けた悪霊に
謝罪とともに助け出された
そこで目が覚め
葬儀に向かうと
すっと体が軽くなり
何だか寂しくなっていた
お化けが怖いと思うのは
きっと何か悪いことをしたせいだ
お化けはそんなの見抜いてる
だけど本当は優しいのだ
だってお化けは元人間
そうでなければ
作り出された思い違い
それはそうだろう
みんな強がるけれど
それはきっと本能
本当に見た人は
実際には怖がらない
心が怖がる前に
体が強張り逃げようとする
幽霊の正体を本気で考えた
すると出てきた答えは
人の記憶ではないだろうか
無念や未練
悲しみや心配事
自分を忘れないでという
自己啓示欲求のようなもの
そういったものを
人は今際の際に
以心伝心を用いて
誰かに無作為に行っているのだろう
私はお化けが怖くない
寧ろ悲しくなってしまう
何故なら
どんなに呪っていても
恨みで染まっていようと
それは生きている人間が
そうさせてしまった結果なのだ
そんなことをした人が
能天気にのうのうと生きているのだ
私はそういう生き人のほうが
よっぽど怖くて仕方がない
あの世へ行く母を
ある日に見た少女の霊と
見送った夢を見た
母の横で思い切り泣いていると
「病気はもう大丈夫だよ」と
そういって笑っていた
あの世は何故か役所のようだった
閻魔のネームスタンドの前に
母と並んで話をした
見送りを願い出ると
「戻れなくなるから駄目だ」と
強く断られてしまった
情けで閻魔様の横で母を見送ると
三途の川で母と別れた
母の顔は名残惜しそうだった
私はその後
私を悩ませ続けた悪霊に
謝罪とともに助け出された
そこで目が覚め
葬儀に向かうと
すっと体が軽くなり
何だか寂しくなっていた
お化けが怖いと思うのは
きっと何か悪いことをしたせいだ
お化けはそんなの見抜いてる
だけど本当は優しいのだ
だってお化けは元人間
そうでなければ
作り出された思い違い
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