詩集『刺繡』

詩

ジェンダーレス

今の時代で流行っている
『ジェンダーレス』という言葉
私も『ジェンダーレス』だ
生まれ付きで
自分の中の性別がない
自分の性別を考えたことが無くて
その度に悩み続けてきた

この言葉は便利だと思う
『性差がない』
『性別の壁がない』
『性別に囚われない』
という意味がある
今の時代に必要な言葉だと思う

だけど危険な部分もある
性別が関係無くなれば
性別にこだわっているひとは
立場がなくなってしまう
そういった『性別』のひとも
実は沢山いる
そういった人も
本当は『シスジェンダー』という
多数派の一部に少数いる


『ジェンダーレス』の概念は
マイノリティのひとたちも救うだろう
私は確信している
この考え方は
性別のバリアフリーだ
だからこそ
体の性別にこだわるひとも
寛容できる包容力が必要だ

お互いに理解ができない
心の余裕のない時代
私達は便利で効率的で
合理的な言葉を生み出し
ただ酔い痴れているだけかもしれない
必死で訴えても
『所詮若者の戯言』と
鼻で笑うひともいるだろう
端から否定しかしない人もいると思う
だけど言って行かなくちゃ
誰も考えてくれない

折角の言葉だ
『第3の性のこと』で
意味が終わらないように
当事者と皆が
真剣に考えて伝えていこうと思う