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変わったこと……~ファッション:part1~

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まず、自分の現在の生活について話していく。
私は、現在一人暮らしで、仕事をしながら何とか生きている。
一応、以前の職業に就いていた時とは違い、セクシャルな部分において縛られることがないので、それなりに日常を楽しんでいるのが現状だ。
正式な身寄りはない。
親戚はほとんど存命ではあるが、母祖父母が亡くなって以降のつながりは、ほぼ皆無に等しいのが現状で、兄弟もいますが弟から一方的に不仲であり、事実上の天涯孤独な独身だ。

元々の性自認から、カワイイものをカッコよく着こなすことに憧れがあったので、ジェンダーレスファッションを楽しみながら、仕事などの日常に励んでいる。
遺伝的な体型の問題から、大腿部が太く筋肉質なせいで、メンズのボトムスは基本的に履けない。
履くとすれば、ウエストがブカブカのものを着用する必要がある。
なので、現在はレディースのラージサイズで、ガウチョパンツやスカートを中心に履くことで、かなり楽に服を着ることができている。

こういった体型的なことで、衣服に苦労しているひとは、多いのではないだろうか?
特に男性だと、女性がメンズファッションも平気でやって、おまけに似合っているのに対して、男性が逆をやると、ただの女装…………見る人によっては揶揄われたり、罵倒されたりして、嫌な思いをする羽目になってしまう。
しかし、それには大きな原因がある。

その原因としては、一つは体毛の問題。
ストーレートに言えば、ムダ毛のせいで不潔に見えるから、おかしくなるのである。
それなりに、きちんとして見える男性、または女性用の服に違和感がない男性は、露出している部分のムダ毛は処理をして、薄くしているか、特に脛だと除毛クリームを使うなどして、剃毛している。
テレビで『オネエタレント』といわれる人たちを見ていて、不快感はそれほど湧かないと思う。
理由は、髭などのムダ毛を処理したうえで、肌荒れなどもクリアした状態で人前に出ているからである。

二つ目は、取り合わせを深く考えていないこと。
これは女性でも、偶にいるのではないだろうか?
私もファッションセンスは、あまりない方なのだが、雑誌などを見たりして、モデルの通りにそのまま購入して着る…………といった具合で失敗しているひとは、多分かなりいるのではないかと思う。
私の持論なのだが、男性の場合は前述のムダ毛のこともあるので、それがクリアできていないのであれば、スカートにしてもロング丈を選ぶなどして、隠せる範囲は極力隠すべきだと思う。
女性の場合だと、これについては、あまり気にする必要はないだろうと思う。
元々ムダ毛がないし、線が細めなため、少年っぽさが出るので、余程男っぽく見せたいなら、タイトな感じで括れの無いストレートなボトムスを履くと、男っぽさが強調されると思う。
また『パーソナルカラー』は、容姿に自信がない場合は、特に重視する必要がある。
それだけで、見た目が明るくなり、違和感よりも清潔感や服に対する感想が強くなり、また服の着合わせがしやすくなって、雑誌でも勉強しやすい。
容姿の弱みではなく、強みに複数の焦点を当てることも、着飾る上でマストであることも忘れてはいけない。

最後に、自信の無さや気恥ずかしさが、前面に出ることだ。
白昼で着ているのだから、堂々としていればいいのだが、日本という閉塞的な社会の中では、やはり後ろめたさが外見にも表れる。
妙に居心地悪そうにしていたり、自信の無さから服装を隠したりすれば、それだけで印象が悪くなる。
「きっと悪いこと考えているんだろうな?」、「何か企んでいるのかな?」という怪訝が生まれて、更にモジモジしている姿が相まると、その時点で不審者に認定されてしまう。
それを解消するためには、意地でも堂々と外へ出かけてやることだ。


実は、上記の3つを改善さえすれば、ファッションに関しては上手くいく。
また、これらは仕事でも活かすことができる。
何が仕事にメリットなのか……それは、ストレスが減るということ。
特にLGBTQ+で、仕事において困ることは、企業側の配慮の面や社員の理解度だ。
それによって、セクハラやパワハラを受けることになりやすい。
これについては、本人がきちんと説明ができることや、ある程度堂々とした態度がとれるかだと考えている。

実際に上司などに話すと、凡そ二択の意見に分かれるだろう。
1.「我々も勉強中ですので、是非とも意見を聞かせてください。」
「何かあれば、気軽に相談してください。」
2.「社員の方が、理解の無い人間もいると思いますので、難しいですね。」
  「不快感を覚える人もいますので、服装や髪形は体の性別に合わせてください。」
明らかに、第4者の言い方は、現在では減少傾向にある。
実際に口にすれば、完全にセクハラで、訴えられようものなら企業側の大敗である。

なら現実には、どの意見が多いか……。
それは、第1者の言い方です。
特に成長しようと努力をしている、新進気鋭の会社やベンチャー企業に多いと感じている。
逆に、こう言った言い方ができないのが、私の地元だと児童福祉の施設である。
主に保護者に与える印象を、理由にしているものの、実際には自分たちが受け入れられなかったり、理解しようという気持ちや新しい時代の流れを鬱陶しいと思っていたりするだけなのだと、自分は感じている。
なので、LGBTQ+で、特にMtFの方で保育士を考えている人は、相当の覚悟が必要になる。

もう一つの良い点は、コミュニケーションにおいて、体の異性との会話や接触がスムーズになるということ。
特にファッションや服装の会話から、関係が円満になりやすくなったと感じる。
そのため、かなり砕けた会話や、雑談も気兼ねがなくなり、他の職員のコミュニケーションも、性別の壁にあたるものが消えるというのが、周囲を見渡していて感じたことだ。

何も考えずに、生活の近況から急に、メリットの話に突入してしまったが、このような方式でLGBTQ+の長所を話していきたいと思う。
ここから、生活での変化や感じたことを、書き連ねていこう。
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