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「素朴な家庭料理が好きなんじゃないの……」
肉じゃがは作った日に同居人にも食べられたせいで、思ったより早くなくなってしまった。
翌日も同じ肉じゃがのままだったので彼女を優先させたのか同居人はいなかったのに、考えていたようにビーフシチューを次に作るとまた姿を現してきたのだ。餌にひきつけられた犬を脳内で浮かばせつつ、隼は微妙な顔をして呟いた。
「これは素朴じゃねぇのか」
「ちょっと違うっぽくないか。肉だしすごく洋食っぽいし」
「でもハンバーグだって肉だし洋食だけど俺の中じゃ素朴だしな。これもそんなもんじゃね」
「……要するに食べると言いたいってことか」
「……だめなのか?」
あれほど隼の存在が見えていないように思われた、それもとてつもなく派手というか素行の悪そうな男とは思えない様子を見せられ、隼はため息ついて「いいよ」と言うしかなかった。
「やっぱうまいな、お前マジぼさぼさ眼鏡のくせにな」
ビーフシチューにバケットを浸して食べながら、隼はまたぼさぼさと眼鏡が料理とどう関係あるのかとぼんやり思う。そしてパンもいいけれどもやはりご飯が食べたいから明日は違う食べ方にしようかと考える。
ドリアという手もあるが、もう少しご飯とおかずとして食べたい。とするとビーフシチューを使った煮込みハンバーグかと思うのだが、先ほど例えにハンバーグを出されただけに何となく悔しい。
「おい、聞いてんのか?」
どうやらひたすら考えていたらしく、全然聞いていなかった。
「悪い、佐藤くん。聞いてなかった。何」
「あ? 佐藤?」
隼が謝ると何故かムッとしたように言われた。名前を間違えたのだろうかと隼はまた謝る。
「ごめん。佐藤だと……違った? 山田くんだっけ」
「ちげぇわ! いや、何つーかあまり名字好きじゃねぇんだよな、単純で。下の名前にしてくんねぇ」
そう言われても部屋の入口には名字しか載っていない。普通は皆フルネームで知っているものなのかと基本色々面倒くさい隼は改めて面倒臭いとしみじみ思いつつもう一度謝った。
「ごめん。俺君の下の名前知らないんだ」
「っち。仕方ねぇな。雅也な、まさや! 下の名前の方が何かかっけぇだろうが」
「……そうかな。なんか源氏名っぽ……」
「あぁ?」
「いや。ていうか君は俺の名前知ってるのか」
「いや、知らねぇけど」
「……」
隼はまたため息つく。何故、面倒だからと人を避けているはずが、こうも独特なというか我が道を行く人ばかりと接点を持つことになるのか。
「んだよ。名前なんだ? 眼鏡か?」
「それは見た目だろう。鳴海だよ」
「なるみ? 下の名前か?」
「違う。下は隼」
「はやと?」
「そう。はやぶさと書いて隼」
「ああ、隼な。ぼさ眼鏡のくせに生意気な名前だな、なる」
「……」
なると呼ぶなと言いたいが、多分聞いてくれないだろうことは火を見るよりも明らかだ。
「で、さっきの話な。お前最近目立つ先輩に狙われてんだって?」
「は……。……ああ、うん、いや、狙われてるってどういう意味だよ。何だろうな、絡まれてるというか」
今はお前に絡まれてる気分だけどな、と思いつつ隼は頷いた。
「基本一人でいる俺の耳にも入ってきたぐらいだから相当じゃね?」
「一人……そう言えばほんと佐と……いや、えっと雅也くん見かけないものな。一人か……いいな」
名前呼びはどうにも肌に合わないと思いつつも一応言われた通り言い直すと「くんはいらねぇ」と睨まれる。
「……雅也」
「おぅ。まあ何だろうな。ピアスのせいかあまり寄りつかれねえ」
その言い方がどこか寂しそうにも聞こえたのだが、だったらピアス外せよと言いそうになって隼は言葉を飲み込む。
「そうなんだ」
頷きながらふと隼は思い出した。女子がたまに「まさくん見かけたよ」「ほんと? 怖そうだけどカッコいいよね」と言っていたことを。
……まさ……ああ、なるほど。
そして理解する。確かに目の前の同居人は無駄なくらいピアスをつけた不良にしか見えないし顔の造りも怖そうながらも、かなり整っている。ピアスで寄りつかれないというより、怖がられつつも遠巻きで憧れられているのだろうと思った。だが本人にとってはどのみち遠巻きは遠巻きだから同じかと心に留める。気を抜けばついサラリと毒舌を吐いていることがあるようだが、これでも一応は考えている。
「あれじゃないか、もっと笑いかけてみるとか」
それはそれで怖いけれども。
「おかしくもねぇのに笑えるかよ」
「そりゃそうだけど」
「お前だってわりと一人なんだろ? ダチいなさそうだもんな。俺は他のところでダチはいるけどよ、何なら俺がなってやろうか、ダチに」
「いや、別にいい」
「んだよ、人がせっかく言ってやってんのに」
雅也はまたジロリと睨んだあとにそっぽを向いた。その耳が少し赤いのに気づいた隼は小さくため息つきながらそっと苦笑した。
面倒なことは本当に避けたい上に、雅也の性格も大概我が道を行くで疲れる。しかも一匹狼だろうが何だろうか、雅也も目立つ部類の人間だ。
だが思ったよりも嫌いではないなと隼は口を開いた。
「悪かったよ。じゃあなってくれ」
「……仕方ねぇな」
強面の顔をした雅也に、ないはずの尻尾が揺れているのが見えた。そう言えば昔、犬を飼いたかったなと思いつつ「ありがとう」と隼は少し笑った。
「……。そういやほんと何で先輩に狙われてんだよ」
「いや、だから狙われてって、何。俺も知らないよ。ああいう人たちの考えることなんて」
「狙われてんじゃねぇの?」
「表現おかしいだろ」
「あ? んでだよ。ああ、お前がぼさ眼鏡だからか?」
「……。それもかもだけど、まず俺も向こうも男だろうが。男同士に使うか? いや、あれか、命を狙う的な……」
呆れたように雅也を見た後でハッとなった。雅也の言い方を聞いていると恋愛的な表現に聞こえていたが、そういえば元々は攻撃的な意味合いだった。
「お前結構物騒だな! 何で普通の高校生が命狙われんだよ。いくら金持ちっつっても命まで狙われるとかドラマかよ」
雅也が今度は呆れたように見てくる。
「雅也が変な言い方するからだろ」
「してねぇし。ああ、男同士な。そりゃ共学だし男女のが多いだろうけどな。ここ、わりと男同士でくっついたりもしてるらしいぜ。あれじゃね? 姉妹校の影響っつーかさ」
最後の一滴程度を綺麗にバケットで拭い、それを口に放り込んだ後に雅也はどうでもよさげにとんでもないことを言ってきた。
「は……」
「知らねえの? まあお前ほんとダチ一切いなさそうだもんな。そういう話も入ってこねぇか。女同士ってのもあるんかもだけどよ、まあ男同士のが聞くわな。っつってもお前のその見た目じゃ普通、男女とも興味持たれなさそうだけどな」
余計なお世話だと思いつつもそれは願ったり叶ったりだから構わない。にしても、そんな話は確かに全く知らなかった隼は普通に驚いていた。
「その先輩らもあれか、物珍しさとかか」
「まあ俺は彼女いるからそういうの関係ねぇけどな」
雅也はおかしげに笑いながら立ち上がると、不良のくせにちゃんと食べ終えた皿をシンクまで運び出した。
肉じゃがは作った日に同居人にも食べられたせいで、思ったより早くなくなってしまった。
翌日も同じ肉じゃがのままだったので彼女を優先させたのか同居人はいなかったのに、考えていたようにビーフシチューを次に作るとまた姿を現してきたのだ。餌にひきつけられた犬を脳内で浮かばせつつ、隼は微妙な顔をして呟いた。
「これは素朴じゃねぇのか」
「ちょっと違うっぽくないか。肉だしすごく洋食っぽいし」
「でもハンバーグだって肉だし洋食だけど俺の中じゃ素朴だしな。これもそんなもんじゃね」
「……要するに食べると言いたいってことか」
「……だめなのか?」
あれほど隼の存在が見えていないように思われた、それもとてつもなく派手というか素行の悪そうな男とは思えない様子を見せられ、隼はため息ついて「いいよ」と言うしかなかった。
「やっぱうまいな、お前マジぼさぼさ眼鏡のくせにな」
ビーフシチューにバケットを浸して食べながら、隼はまたぼさぼさと眼鏡が料理とどう関係あるのかとぼんやり思う。そしてパンもいいけれどもやはりご飯が食べたいから明日は違う食べ方にしようかと考える。
ドリアという手もあるが、もう少しご飯とおかずとして食べたい。とするとビーフシチューを使った煮込みハンバーグかと思うのだが、先ほど例えにハンバーグを出されただけに何となく悔しい。
「おい、聞いてんのか?」
どうやらひたすら考えていたらしく、全然聞いていなかった。
「悪い、佐藤くん。聞いてなかった。何」
「あ? 佐藤?」
隼が謝ると何故かムッとしたように言われた。名前を間違えたのだろうかと隼はまた謝る。
「ごめん。佐藤だと……違った? 山田くんだっけ」
「ちげぇわ! いや、何つーかあまり名字好きじゃねぇんだよな、単純で。下の名前にしてくんねぇ」
そう言われても部屋の入口には名字しか載っていない。普通は皆フルネームで知っているものなのかと基本色々面倒くさい隼は改めて面倒臭いとしみじみ思いつつもう一度謝った。
「ごめん。俺君の下の名前知らないんだ」
「っち。仕方ねぇな。雅也な、まさや! 下の名前の方が何かかっけぇだろうが」
「……そうかな。なんか源氏名っぽ……」
「あぁ?」
「いや。ていうか君は俺の名前知ってるのか」
「いや、知らねぇけど」
「……」
隼はまたため息つく。何故、面倒だからと人を避けているはずが、こうも独特なというか我が道を行く人ばかりと接点を持つことになるのか。
「んだよ。名前なんだ? 眼鏡か?」
「それは見た目だろう。鳴海だよ」
「なるみ? 下の名前か?」
「違う。下は隼」
「はやと?」
「そう。はやぶさと書いて隼」
「ああ、隼な。ぼさ眼鏡のくせに生意気な名前だな、なる」
「……」
なると呼ぶなと言いたいが、多分聞いてくれないだろうことは火を見るよりも明らかだ。
「で、さっきの話な。お前最近目立つ先輩に狙われてんだって?」
「は……。……ああ、うん、いや、狙われてるってどういう意味だよ。何だろうな、絡まれてるというか」
今はお前に絡まれてる気分だけどな、と思いつつ隼は頷いた。
「基本一人でいる俺の耳にも入ってきたぐらいだから相当じゃね?」
「一人……そう言えばほんと佐と……いや、えっと雅也くん見かけないものな。一人か……いいな」
名前呼びはどうにも肌に合わないと思いつつも一応言われた通り言い直すと「くんはいらねぇ」と睨まれる。
「……雅也」
「おぅ。まあ何だろうな。ピアスのせいかあまり寄りつかれねえ」
その言い方がどこか寂しそうにも聞こえたのだが、だったらピアス外せよと言いそうになって隼は言葉を飲み込む。
「そうなんだ」
頷きながらふと隼は思い出した。女子がたまに「まさくん見かけたよ」「ほんと? 怖そうだけどカッコいいよね」と言っていたことを。
……まさ……ああ、なるほど。
そして理解する。確かに目の前の同居人は無駄なくらいピアスをつけた不良にしか見えないし顔の造りも怖そうながらも、かなり整っている。ピアスで寄りつかれないというより、怖がられつつも遠巻きで憧れられているのだろうと思った。だが本人にとってはどのみち遠巻きは遠巻きだから同じかと心に留める。気を抜けばついサラリと毒舌を吐いていることがあるようだが、これでも一応は考えている。
「あれじゃないか、もっと笑いかけてみるとか」
それはそれで怖いけれども。
「おかしくもねぇのに笑えるかよ」
「そりゃそうだけど」
「お前だってわりと一人なんだろ? ダチいなさそうだもんな。俺は他のところでダチはいるけどよ、何なら俺がなってやろうか、ダチに」
「いや、別にいい」
「んだよ、人がせっかく言ってやってんのに」
雅也はまたジロリと睨んだあとにそっぽを向いた。その耳が少し赤いのに気づいた隼は小さくため息つきながらそっと苦笑した。
面倒なことは本当に避けたい上に、雅也の性格も大概我が道を行くで疲れる。しかも一匹狼だろうが何だろうか、雅也も目立つ部類の人間だ。
だが思ったよりも嫌いではないなと隼は口を開いた。
「悪かったよ。じゃあなってくれ」
「……仕方ねぇな」
強面の顔をした雅也に、ないはずの尻尾が揺れているのが見えた。そう言えば昔、犬を飼いたかったなと思いつつ「ありがとう」と隼は少し笑った。
「……。そういやほんと何で先輩に狙われてんだよ」
「いや、だから狙われてって、何。俺も知らないよ。ああいう人たちの考えることなんて」
「狙われてんじゃねぇの?」
「表現おかしいだろ」
「あ? んでだよ。ああ、お前がぼさ眼鏡だからか?」
「……。それもかもだけど、まず俺も向こうも男だろうが。男同士に使うか? いや、あれか、命を狙う的な……」
呆れたように雅也を見た後でハッとなった。雅也の言い方を聞いていると恋愛的な表現に聞こえていたが、そういえば元々は攻撃的な意味合いだった。
「お前結構物騒だな! 何で普通の高校生が命狙われんだよ。いくら金持ちっつっても命まで狙われるとかドラマかよ」
雅也が今度は呆れたように見てくる。
「雅也が変な言い方するからだろ」
「してねぇし。ああ、男同士な。そりゃ共学だし男女のが多いだろうけどな。ここ、わりと男同士でくっついたりもしてるらしいぜ。あれじゃね? 姉妹校の影響っつーかさ」
最後の一滴程度を綺麗にバケットで拭い、それを口に放り込んだ後に雅也はどうでもよさげにとんでもないことを言ってきた。
「は……」
「知らねえの? まあお前ほんとダチ一切いなさそうだもんな。そういう話も入ってこねぇか。女同士ってのもあるんかもだけどよ、まあ男同士のが聞くわな。っつってもお前のその見た目じゃ普通、男女とも興味持たれなさそうだけどな」
余計なお世話だと思いつつもそれは願ったり叶ったりだから構わない。にしても、そんな話は確かに全く知らなかった隼は普通に驚いていた。
「その先輩らもあれか、物珍しさとかか」
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