ヴェヒター

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3Wednesday

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 高校にあがると青葉はすぐ生徒会へ入られた。睦からも「活動は外部に漏らしちゃだめだからねー」とあまり詳しく聞かされていなかった生徒会は、実際やりがいある青葉にとって楽しい場所だった。
 おまけに学年が上がって新しくなったらしい会長、副会長がとてもいい。顔がいいのはもちろんだが、中身が優れているのもすぐわかった。頭がとてもいいのだろうなと青葉は思う。
 副会長の千鶴は一見何考えているか全くわからないが、我が道を行くといったところがむしろ堪らなくいい。そして会長の宏のカリスマ具合はそこにいるだけで溢れ出している気がした。
 昔から楽しむためなら努力してでもやり遂げてきた青葉にとって、尊敬できる相手が上にいるというのはとても嬉しいことだ。
 与えられた会計という役職も嬉しかった。二年会計が睦だし、三年会計がまた癖ありながらも凄く優秀そうな人だったからだ。
 書記側も面白そうだった。三年の人はやはり癖ありそうで何考えているのかわかりにくい感じだった。一年もそうだ。そしてどちらもやはり優秀そうで。
 ただ書記の二年だけは少し場違いな気がした。とはいえとてもからかい甲斐あるタイプのようで嫌いではないな、と青葉はにんまりする。
 風紀側はあまり興味なかった。一応委員長、副委員長は覚えるようにして、他はスルーしていた。それでも一般生徒よりは多分色々優れている部分があるのだろうし、徐々に知っていけばいいくらいに思っていた。
 別に意味なく人を見下しているわけではない。相手を知る機会があり、そしてその相手が面白そうな相手だったら興味から始まるが関心を一応持つ。その上で尊敬できるような部分や自分の中で理解できる部分があれば見方が変わる。
 他の人が他人に対してどう反応したり見たりするかは知らないしどうでもいい。とりあえず青葉自身、昔からやることはやってきたので、それすらもやろうとしないタイプが好きではないだけだ。
 自分が格別優れていると思っているのでもない。だからこそ自分より凄いと思える部分があれば尊敬する。ただその「凄い」と思える部分が、もしかしたら多少他の人とずれているのかもしれない。だがそれも知ったことではないし、どうでもいい。

「青葉は睦と同じで、興味を持つ幅が狭いんだと思うよ。何でも楽しそうだから別にいいけど、その幅を広げてみたらもっと楽しくなるかもしれないね」

 他の相手に言われたらきっとムッとしていただけかもしれないが、そんな風に会長の宏に言われ、青葉は「なるほどな」と納得した。言われたからといってこればかりはすぐに変われるものでもない。ただ言われたことは覚えておこう、と青葉は思った。
 とりあえず今は、興味の対象が明確に存在しているのでそちらにある程度集中したい気がする。
 慶一だ。
 生徒会書記二年の三里をからかうのも楽しいが、それよりも慶一はもっと楽しい。
 他の風紀も最近ようやく少しは覚えてきた。といっても今のところは役職者だけだ。委員長の基久に副委員長の拓実は風紀では一番最初に覚えた。特に拓実が美人だったのでからかえる相手なら一度は味わってみたいと思ったのだが、性格がまず食えない相手だったのがむしろ楽しい。
 そして書記。青葉と同じ一年はやたらかわいらしいタイプで今のところ敬遠しているためまだ把握していないが、三年の黄馬は、中々尊敬できる会計三年の瑠生とつき合っていると知って、見方が変わった。それまではやたら面白みのないタイプだろうかと思っていたのだが、あの瑠生とつき合っているということはただの腑抜けではないということだ。
 書記二年は言わずもがな。慶一だ。久しぶりに慶一を見た時は睦がなぜまた興味を持ち始めたのかあまりわからなかった。確かに中等部にいたころよりますます美人になってはいるし、相変わらず無表情で何より、くらいしか思わなかった。
 無口で無表情、何も関心なさそうといった感じのくせにピアスしていたりという、ちょっとしたギャップだろうかと思ったりもしたが、それは別に青葉をそそらせない。
 だが睦と一緒になって昔のようにからかっていたある日、たまたま睦が慶一の兄である黄馬と瑠生の話題を出した際に、慶一はいつもの無表情さと違って表情を微妙に歪めてきた。それを見た瞬間、妙に青葉の心が動いた。凄くテンションがあがる。

 楽しい。もっと……そうだ、もっとあの顔の表情を崩したい。

 睦もそんなささいな何かをすでに見出していたから気になっていたのだろうかと青葉は思った。
 それ以来、二人で慶一をおもちゃにして遊ぶ頻度が増したし、遊び方も徐々に変わってきた。中等部の頃や再会した当初は全然そういう目線で見ていなかったのだが、慶一の体で遊ぶのも凄く楽しいと知った。それを睦と共有できるのがまた楽しい。ただ、さすがに青葉も睦も生徒会の一員であり、合意ではない関係はいくら慶一にも強要するつもりない。
 慶一の見回り終了時間を見計らって浚うパターンがとりあえず今は青葉と睦のお気に入りだった。大抵は睦が慶一を動けないよう羽交い絞めにし、青葉が慶一の体で遊ぶ。そして二人で慶一の反応を楽しむ。
 あんなに普段無表情なくせに、そして大抵のことに対してスルーしてくるくせに、意外にも慶一の体の反応はよかった。
 これこそ楽しいギャップだよねと青葉は思う。普段からは想像できない、快楽に嫌がりながらも流されている慶一のわずかながら歪む表情は堪らない。
 最初は予想通りというか特に大した反応も見せてこなかったのだが、徐々によくなっていた。それに関してはこちらがする行為に慣れてきたからかと思っていたが、違うのかもしれないと気づかされることが今、あった。
 睦によって大きく開かされた慶一の足を楽しげに見ていた青葉はとある部分に目が行く。
達したばかりのペニスではなく、その奥だ。その奥で普通なら何の反応も見せずまるで普段の慶一のようにひっそりと存在しているはずの部分。そこがひくりと動いている。よく見なければ気づかなかったが、すこしだけぷくりとしているような気もする。
 青葉は怪訝に思った。

 どういうことだろう。経験のない男でもそういうことはあるのだろうか。

 それとも。
 睦に「今日はまたイくの早かったねー」と言われつつ、抵抗する気すらもう失せているのかぼんやりとしている慶一を改めて怪訝に見た後で、青葉は体を拭いてやりながら服を正していく。そしていつものようにその場に慶一を置いたまま、青葉は睦と教室を出た。

「最近の慶一くんの反応、すごくいいよね? そのせいでさー、別の子としてる時に慶一くんが過る時あるんだよねー」

 睦の言葉に青葉は改めてハッとなって睦を見た。

「あお、どしたの?」
「あー、えっとね、……いやとりあえず生徒会戻らなきゃだし、後で言う!」
「そう? りょーかい」

 不思議そうな顔をした後で睦がニッコリ笑ってきた。お互い変な隠しごとはしないので、こういう時もスムーズだ。気になるから先に言えよ、なんて風にならない。後でと言えば、後でだ。
 自分たちは遊んでばかりというイメージが定着しているらしいが、もちろん昔からの信条は曲げない。やることはやる。勉強だろうが生徒会の仕事だろうが疎かにしないからこそ、思いきり遊べるし誰にも文句は言わせない。
 放課後、見回り当番が回ってきたので三人で見回りに行く。
 青葉はCグループで、睦とそして黄馬の三人だ。最初瑠生とつき合っていると知らなかった時はあまり関心すら持っていなかったのだが、今では一目置いている相手だ。
 実際いつも誰に対しても優しくて穏やかなところは、ある意味尊敬に値する。青葉ならブチ切れているだろう事柄だろうが穏やかだ。人間ができていないとそうはならないだろう。面白みに関しては今のところまだ見いだせてはいないが、わりと頼れる先輩だと思えるようになっている。
 見回りの時も、はしゃぐ青葉や睦をたしなめてくることはあるが、それに関しても黄馬に言われるなら全く腹も立たない。そして違反者を見つけた時も黄馬がとてもいいストッパー役になってくれる。多分黄馬がいなくて青葉と睦だけならろくでもないことになっていただろうという場面は多々あった。
 今回もしょっぴくほどではない相手に対して、生き生きと苛めてやろうという二人を上手くなだめつつ、黄馬は人目につく可能性がある外でろくでもない行為に及ぼうとしていたカップルに注意してくれた。黄馬に言われると大抵とてつもなく自分が恥ずかしくなるのか皆反省の色を見せてくる。

「俺だったらむしろさ、そんな見られたいならもうお前ら俺らの前でヤってみろよ今すぐ、とか煽ってたよ!」

 後で青葉が言うと黄馬に「それは俺、見たくないなあ」と笑われた。やはり返ってくる言葉に面白みない。だけど「そうだよね」と自然に頷きたくなる雰囲気が黄馬にはあった。睦もそれは全く同じらしく「大丈夫、とりあえず黄馬には見せちゃだめだなって思えるよー」とニコニコ笑っていた。
 その後終わって寮へ帰ると、青葉が睦の部屋に出向いた。

「さっきのさ、慶一くんね」
「うん」

 とりあえず今日はお互い誰とも約束していないのもあって一緒にベッドに倒れ込む。
 慶一で遊ぶのは実際とても楽しいが、自分たちは弄るだけもしくは見てるだけなので後で別の誰かかもしくは兄弟同士で発散する。お互い自分一人で抜くということはあまりしていないかもしれない。
 恋愛での行為でなく、お互い「楽しい」「気持ちいい」ための行為のせいか、愛撫しあうということは基本ない。その辺がむしろ一人でするのと似ているとは言えるかもしれない。慶一に対してはむしろ玩具だからこそ、色々弄りはするのだが。
 とりあえず今もお互いのペニスにローションをかけて擦り合わせながら青葉は睦の後ろを解しにかかった。

「見えただけだけどさー後ろ、何か初めてって感じしなかったんだよね」
「そうなの?」
「うん。他の相手の、そんなマジマジ見てねーんだけどね。むつのもさ、最初の頃って結構狭そうっつか硬そうっつーの? 何つーのかな、そんなだったけど今ってすぐ解れんじゃん? ちょっとぷくってしてるとこ美味しそうだしさ」
「慶一くんのもそんなだったのー?」

 中を弄られてすこしとろりとした顔をしながら睦が聞いてくる。青葉はコンドームをつけながら頷いた。

「そう! それにすっげーなんか穴がエロそーに見えた! だいたい反応だってよすぎじゃね? あいつさ、もしかして男経験あんじゃねーのかな、あんな風なくせに」

 慶一を見ていると、男に興味があるように見えない。かといって女に興味があるようにも見えない。

「そーなのかな。だったらちょっと意外だよね」
「ね。どーしよ。直接聞いてみる? あ、でも言わねーかな」
「んー。そうだ、次慶一くんで遊ぶ時に、ちょっと後ろも遊んであげたらいーんじゃないかなあ、指でさ。反応でわかんじゃないー?」
「あー、そだね!」
「っていうか、ん……っ、そこ、いい」
「マジ? じゃあもっと気持ちよくすんね!」

 お互い楽しんでるからこそ、この行為にも甘みはない。だけれどもそれはそれで凄く楽しくて、そして間違いなく今のところ一番やはりお互いが気持ちよかった。
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