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20話 ※ (終)
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ほぅ、と克雪は満足のため息をついた。
大好きで大好きで仕方ない祥悟と付き合っている自分が幸せ過ぎて堪らない。付き合ってからも祥悟の態度はほぼ変わっていないようにしか思えないが、それでもちゃんとキスもしている。あの祥悟とキスを、と思うとそれだけで克雪はイけそうな勢いだ。
もちろん日々それ以上も求めてはいるが、やはりまだ男同士という事に抵抗でもあるのかそれともただ単に恥ずかしいのか祥悟には大抵の場合拒否される。
そこに関しては本人曰く「あまり来られると萎える」かららしいので一応堪えるようにはしている。確かにこういう場合大人しい女子ならガンガンいかないだろうしなと克雪もなんとなく祥悟の気持ちがわからないでもない。
でもこちらも青春真っ盛りの性少年であるのでしたいものは、したい。祥悟も興味がない訳ではないのは深いキスをした時などの下腹部の反応でわかる。
だから何度か深いキスをする機会があった後にようやくお互い触れあうようになった時は言葉通り克雪は昇天しそうだった。実際のところ克雪自身何もかも初めての経験なので、気持ちとしてはガンガンいきたいのだがいざそういう場面になると戸惑いや恥ずかしさもある。
反面、祥悟は普段そんなそぶりすら見せてくれない割にそういう時は赤くなりながらもちゃんと進めてくれる。そんなところもやはりカッコいいと思い、克雪は祥悟に夢中だった。本当に何をされてもいいと思えた。
自分でするのと全然違うそれは、克雪を骨抜きにしてきた。堪らなく気持ちがいい。自分も沢山してあげたいと思うのだが、いざその時になると祥悟の手に翻弄されてしまい中々自分は祥悟に体を委ねることしかできない。
手婬でもそうなのだからやはり本番は想像を絶する快楽なのだろうと期待に胸が張り裂けるどころか爆発しそうだった。
それに本番だとしょーごくんもかなり気持ちがいいはずだよね。
期末試験が終わり、克雪はかなりいい結果を収めた。部長にも、主に祥悟がだが、褒めらた。そしてなにより嬉しいのが、祥悟自身にも「よくやった」と褒めてもらえた。
がんばったでしょう、と克雪はご褒美のデートの代わりに抱いて欲しいと土下座をする勢いでお願いした。祥悟は案の定ドン引きしてはいたが、赤くなりながらも「いいよ」と言ってくれた。信じられなくて克雪は思わず自分の頬をこれでもかとつねったくらいだった。
だがいざ、となると緊張と興奮でことごとく上手くいかなかった。祥悟の指は最高に堪らなく気持ちがよかったのだが、沢山濡らしても沢山弄ってもらっても、それは想像を絶する痛さしか克雪に与えてくれなかったのだ。
克雪の表情があまりにあまりだったのだろうか、祥悟は途中で中断してきた。
「しょーごく、ん……やめない、で」
「いや、ここはやめておけ……お前の顔色ヤバい」
「でも!」
「でもじゃねえ。なあ、そんなにこれ、急ぐものか?」
「え?」
「別にこれしなくても俺はお前をちゃんとその、……あれだ、腹立つけど好きだし……」
「まだ腹立つのっ?」
「それにこれじゃなくてもお互いちゃんと気持ちよくなれんだろ……」
「で、でも」
「俺は十分満足できてるよ。お前は違う訳?」
「そ、そんな事ない! 満足すぎて多分死ねる!」
「……はは。じゃあいいじゃねえか。これは、その、あれだ。ゆっくり、慣らしていこう」
「ちゃんと今まで慣らしてきたのに……それに指サックまで準備してて俺、用意周到だったのに!」
「あー……指、すげぇおもしろいほど挿りやすかったもんな」
祥悟はそういって笑ってきた。その笑顔を見て克雪は何故か堪らなく気持ちが溢れすぎて涙まで出てきた。
「お、おい……ちょ、なんで……。わ、悪かったよ笑って」
「ちが、う……違う、しょーごくんの笑顔見たら堪らなくなってぇーもう好きすぎて俺ヤバい、ほんとヤバい」
克雪は素っ裸のまま泣きながら祥悟に抱きついた。
「俺はお前の言語能力とかがやばいと思うよ」
祥悟はそんな軽口をたたきながらも、優しく克雪の背中をぽんぽんと叩いてくれていた。
そんな出来事を頭で繰り返すと克雪は何度でも幸せすぎて満足のため息が出てしまう。
「遊馬、俺にもそんな顔してよ」
夏休みに入り試合も多くなる分部活も忙しくなる。同じ部活だけに一緒にいることはいるのだが、二人きりの時間が少なくなるのが克雪的に残念過ぎた。だが祥悟が部活の帰りに一緒に途中まで帰ったり駅前のカフェやファミレスに付き合ったりしてくれるのでこれはこれで満足していた。もちろん、後ろの開発も着々と進んでいる、多分。今一番好きなのは祥悟に後ろを弄ってもらいながら前を扱かれ射精することだろうか。毎回ぐったりするくらい気持ちがいい。あと自分の後ろ以外に一番上手くなりたいのは克雪の口で達してもらうことだ。
とりあえず今日も部活の後に何か食うか飲んで帰ろうという話をしていたのだが、祥悟が部長に呼ばれたためにファミレスで直接待ち合わせする事にしていた。
「しないよっ? てゆーか雷なんでついてくんの。俺、しょーごくんとこれからいちゃラブなんだけど」
「あいつがこんな人前でいちゃいちゃする訳ないだろ。ていうか俺言ったろ、諦めてねーんだからそりゃ間にも入るよね」
着替えて学校を出るところで追いついてきた秋薫はそのまま克雪と一緒にファミレスに入り今は同じ席に向かい合って座っていた。
「なんで邪魔すんの! 酷いよ俺しょーごくん好きだし気持ち変わらないって言ってるのに」
「俺、しつこいから」
「ほんとしつこいよ雷酷い」
克雪がむぅと睨むも秋薫はニッコリと笑い返してくる。秋薫は二人が無事付き合ったと知っても「ああ」と驚いた様子も見せなかったが、とりあえず祥悟への風当たりは相変わらず強い。そして克雪をあからさまに可愛がって祥悟をイライラとさせている。
「酷いとか言うなよ。考えてもみろよ、俺の方が辛いはずだろ? 好きな相手に振りむいてもらえない上にムカつく相手と付き合われてんだからな」
「そ、そうだよね……ごめん」
秋薫が言うと克雪は困ったように俯いた。
「バーカ、俺が辛そうに見える? 辛いってのは冗談だよ。いやまあ面白くはないけど俺自身諦めてねーんだから別に辛くないし隙あらばお前にちょっかいかけるし、あのウザい日坂の反応は楽しい」
秋薫はむしろ爽やかと言っても良い笑顔で克雪の頭を撫でてきながらとんでもないことを言ってくる。
「雷、酷いやっぱ」
「諦めろ。つかあれだよな、部長って日坂好きだよなー」
ニヤリと秋薫が克雪の頭を撫でた後にアイスコーヒーを飲みながら言う。
「え! や、やっぱ部長って俺のライバルとか? でも、でも部長可愛くないし俺可愛いし大丈夫だよね……?」
「自分で言うなよ。まあタイプ全然違うけどあれだろ、お前は日坂に喰ってもらいたい方だろけど部長だったらむしろ日坂を喰いたい方じゃね」
「ええええ」
「……やめろよこういうところで妙な話すんの……ていうか雷なんでいるんだよ」
克雪が青くなったところで、ドン引きして呆れた顔の祥悟がいつの間にか店内に入っていたようで傍にやってきていた。そして座る位置を少し悩んだ挙句ため息を小さくつきながら克雪のとなりに座った。
「しょーごくん、俺の隣……」
克雪が嬉しそうに頬を赤らめると、相変わらず呆れた顔のまま祥悟はまたため息をつく。
「雷の隣とか座りたくねーしな。ほんと、なんでいるの……」
「そりゃ可愛い遊馬と一緒にいたいからに決まってんだろ」
「堂々と言ってくんなよ。お前ただの邪魔者だってわかってんの」
「お前が邪魔でも遊馬はけっこう俺と楽しく喋ってたぞ」
ニッコリと秋薫が言うと祥悟が無言で隣の克雪をチラリと見る。
「違うよしょーごくん、そりゃ雷は友だちだけど俺そんなんじゃないから! しょーごく……」
「お前煩い。別に俺何も言ってないだろ。だいたいお前疑う必要ないくらい、つーか呆れるくらいあからさまだろうが、俺に対して……。雷、こいつがこうだしな、そんな事言っても無駄だから」
微妙な顔で克雪を見た後で祥悟は秋薫を軽く睨んだ。
公共の場で祥悟はいちゃつくつもりがどのみち無いので克雪以外の人間がいてもあまり気にはならない。だがさすがに克雪の事が好きだし諦める気は無いと宣言してくる秋薫がいるのは少々抵抗がある。
「いいよ別に何でも。俺が楽しいし」
「お前ほんっと俺に対して最悪だな、雷」
「ムカつくからな」
「……別にコレと一緒に居るなとは言わないけど、本当に何かしたら、俺でも怒るからな」
「マジでか。むしろ見たいわ」
「お前……」
祥悟が呆れたように言い返そうとすると克雪が祥悟の腕をとってきた。
「……何」
「何って何、その鬱陶しそうな顔……! しょーごくんほんともう冷たい! でもカッコいい!」
「……ほんと、何!」
「だって! だってしょーごくんが怒るってゆってくれた……俺の為に? ヤキモチ? どっちでもいいけどすっごい嬉しい」
「……別に」
ニコニコと嬉しそうに見上げてくる克雪に、祥悟はそっけなく返してメニューを見る。だがその耳が少し赤いのを見て、秋薫は「ほんとムカつくから今後もどんどん邪魔してやる」と心に誓いながらアイスコーヒーを飲み干した。
「お替わり入れてくる」
帰るつもりは無いが、ほんの少しだけサービスで二人にしてやると上から目線な気持ちをほんのり持ちつつ、秋薫は席を立った。
大好きで大好きで仕方ない祥悟と付き合っている自分が幸せ過ぎて堪らない。付き合ってからも祥悟の態度はほぼ変わっていないようにしか思えないが、それでもちゃんとキスもしている。あの祥悟とキスを、と思うとそれだけで克雪はイけそうな勢いだ。
もちろん日々それ以上も求めてはいるが、やはりまだ男同士という事に抵抗でもあるのかそれともただ単に恥ずかしいのか祥悟には大抵の場合拒否される。
そこに関しては本人曰く「あまり来られると萎える」かららしいので一応堪えるようにはしている。確かにこういう場合大人しい女子ならガンガンいかないだろうしなと克雪もなんとなく祥悟の気持ちがわからないでもない。
でもこちらも青春真っ盛りの性少年であるのでしたいものは、したい。祥悟も興味がない訳ではないのは深いキスをした時などの下腹部の反応でわかる。
だから何度か深いキスをする機会があった後にようやくお互い触れあうようになった時は言葉通り克雪は昇天しそうだった。実際のところ克雪自身何もかも初めての経験なので、気持ちとしてはガンガンいきたいのだがいざそういう場面になると戸惑いや恥ずかしさもある。
反面、祥悟は普段そんなそぶりすら見せてくれない割にそういう時は赤くなりながらもちゃんと進めてくれる。そんなところもやはりカッコいいと思い、克雪は祥悟に夢中だった。本当に何をされてもいいと思えた。
自分でするのと全然違うそれは、克雪を骨抜きにしてきた。堪らなく気持ちがいい。自分も沢山してあげたいと思うのだが、いざその時になると祥悟の手に翻弄されてしまい中々自分は祥悟に体を委ねることしかできない。
手婬でもそうなのだからやはり本番は想像を絶する快楽なのだろうと期待に胸が張り裂けるどころか爆発しそうだった。
それに本番だとしょーごくんもかなり気持ちがいいはずだよね。
期末試験が終わり、克雪はかなりいい結果を収めた。部長にも、主に祥悟がだが、褒めらた。そしてなにより嬉しいのが、祥悟自身にも「よくやった」と褒めてもらえた。
がんばったでしょう、と克雪はご褒美のデートの代わりに抱いて欲しいと土下座をする勢いでお願いした。祥悟は案の定ドン引きしてはいたが、赤くなりながらも「いいよ」と言ってくれた。信じられなくて克雪は思わず自分の頬をこれでもかとつねったくらいだった。
だがいざ、となると緊張と興奮でことごとく上手くいかなかった。祥悟の指は最高に堪らなく気持ちがよかったのだが、沢山濡らしても沢山弄ってもらっても、それは想像を絶する痛さしか克雪に与えてくれなかったのだ。
克雪の表情があまりにあまりだったのだろうか、祥悟は途中で中断してきた。
「しょーごく、ん……やめない、で」
「いや、ここはやめておけ……お前の顔色ヤバい」
「でも!」
「でもじゃねえ。なあ、そんなにこれ、急ぐものか?」
「え?」
「別にこれしなくても俺はお前をちゃんとその、……あれだ、腹立つけど好きだし……」
「まだ腹立つのっ?」
「それにこれじゃなくてもお互いちゃんと気持ちよくなれんだろ……」
「で、でも」
「俺は十分満足できてるよ。お前は違う訳?」
「そ、そんな事ない! 満足すぎて多分死ねる!」
「……はは。じゃあいいじゃねえか。これは、その、あれだ。ゆっくり、慣らしていこう」
「ちゃんと今まで慣らしてきたのに……それに指サックまで準備してて俺、用意周到だったのに!」
「あー……指、すげぇおもしろいほど挿りやすかったもんな」
祥悟はそういって笑ってきた。その笑顔を見て克雪は何故か堪らなく気持ちが溢れすぎて涙まで出てきた。
「お、おい……ちょ、なんで……。わ、悪かったよ笑って」
「ちが、う……違う、しょーごくんの笑顔見たら堪らなくなってぇーもう好きすぎて俺ヤバい、ほんとヤバい」
克雪は素っ裸のまま泣きながら祥悟に抱きついた。
「俺はお前の言語能力とかがやばいと思うよ」
祥悟はそんな軽口をたたきながらも、優しく克雪の背中をぽんぽんと叩いてくれていた。
そんな出来事を頭で繰り返すと克雪は何度でも幸せすぎて満足のため息が出てしまう。
「遊馬、俺にもそんな顔してよ」
夏休みに入り試合も多くなる分部活も忙しくなる。同じ部活だけに一緒にいることはいるのだが、二人きりの時間が少なくなるのが克雪的に残念過ぎた。だが祥悟が部活の帰りに一緒に途中まで帰ったり駅前のカフェやファミレスに付き合ったりしてくれるのでこれはこれで満足していた。もちろん、後ろの開発も着々と進んでいる、多分。今一番好きなのは祥悟に後ろを弄ってもらいながら前を扱かれ射精することだろうか。毎回ぐったりするくらい気持ちがいい。あと自分の後ろ以外に一番上手くなりたいのは克雪の口で達してもらうことだ。
とりあえず今日も部活の後に何か食うか飲んで帰ろうという話をしていたのだが、祥悟が部長に呼ばれたためにファミレスで直接待ち合わせする事にしていた。
「しないよっ? てゆーか雷なんでついてくんの。俺、しょーごくんとこれからいちゃラブなんだけど」
「あいつがこんな人前でいちゃいちゃする訳ないだろ。ていうか俺言ったろ、諦めてねーんだからそりゃ間にも入るよね」
着替えて学校を出るところで追いついてきた秋薫はそのまま克雪と一緒にファミレスに入り今は同じ席に向かい合って座っていた。
「なんで邪魔すんの! 酷いよ俺しょーごくん好きだし気持ち変わらないって言ってるのに」
「俺、しつこいから」
「ほんとしつこいよ雷酷い」
克雪がむぅと睨むも秋薫はニッコリと笑い返してくる。秋薫は二人が無事付き合ったと知っても「ああ」と驚いた様子も見せなかったが、とりあえず祥悟への風当たりは相変わらず強い。そして克雪をあからさまに可愛がって祥悟をイライラとさせている。
「酷いとか言うなよ。考えてもみろよ、俺の方が辛いはずだろ? 好きな相手に振りむいてもらえない上にムカつく相手と付き合われてんだからな」
「そ、そうだよね……ごめん」
秋薫が言うと克雪は困ったように俯いた。
「バーカ、俺が辛そうに見える? 辛いってのは冗談だよ。いやまあ面白くはないけど俺自身諦めてねーんだから別に辛くないし隙あらばお前にちょっかいかけるし、あのウザい日坂の反応は楽しい」
秋薫はむしろ爽やかと言っても良い笑顔で克雪の頭を撫でてきながらとんでもないことを言ってくる。
「雷、酷いやっぱ」
「諦めろ。つかあれだよな、部長って日坂好きだよなー」
ニヤリと秋薫が克雪の頭を撫でた後にアイスコーヒーを飲みながら言う。
「え! や、やっぱ部長って俺のライバルとか? でも、でも部長可愛くないし俺可愛いし大丈夫だよね……?」
「自分で言うなよ。まあタイプ全然違うけどあれだろ、お前は日坂に喰ってもらいたい方だろけど部長だったらむしろ日坂を喰いたい方じゃね」
「ええええ」
「……やめろよこういうところで妙な話すんの……ていうか雷なんでいるんだよ」
克雪が青くなったところで、ドン引きして呆れた顔の祥悟がいつの間にか店内に入っていたようで傍にやってきていた。そして座る位置を少し悩んだ挙句ため息を小さくつきながら克雪のとなりに座った。
「しょーごくん、俺の隣……」
克雪が嬉しそうに頬を赤らめると、相変わらず呆れた顔のまま祥悟はまたため息をつく。
「雷の隣とか座りたくねーしな。ほんと、なんでいるの……」
「そりゃ可愛い遊馬と一緒にいたいからに決まってんだろ」
「堂々と言ってくんなよ。お前ただの邪魔者だってわかってんの」
「お前が邪魔でも遊馬はけっこう俺と楽しく喋ってたぞ」
ニッコリと秋薫が言うと祥悟が無言で隣の克雪をチラリと見る。
「違うよしょーごくん、そりゃ雷は友だちだけど俺そんなんじゃないから! しょーごく……」
「お前煩い。別に俺何も言ってないだろ。だいたいお前疑う必要ないくらい、つーか呆れるくらいあからさまだろうが、俺に対して……。雷、こいつがこうだしな、そんな事言っても無駄だから」
微妙な顔で克雪を見た後で祥悟は秋薫を軽く睨んだ。
公共の場で祥悟はいちゃつくつもりがどのみち無いので克雪以外の人間がいてもあまり気にはならない。だがさすがに克雪の事が好きだし諦める気は無いと宣言してくる秋薫がいるのは少々抵抗がある。
「いいよ別に何でも。俺が楽しいし」
「お前ほんっと俺に対して最悪だな、雷」
「ムカつくからな」
「……別にコレと一緒に居るなとは言わないけど、本当に何かしたら、俺でも怒るからな」
「マジでか。むしろ見たいわ」
「お前……」
祥悟が呆れたように言い返そうとすると克雪が祥悟の腕をとってきた。
「……何」
「何って何、その鬱陶しそうな顔……! しょーごくんほんともう冷たい! でもカッコいい!」
「……ほんと、何!」
「だって! だってしょーごくんが怒るってゆってくれた……俺の為に? ヤキモチ? どっちでもいいけどすっごい嬉しい」
「……別に」
ニコニコと嬉しそうに見上げてくる克雪に、祥悟はそっけなく返してメニューを見る。だがその耳が少し赤いのを見て、秋薫は「ほんとムカつくから今後もどんどん邪魔してやる」と心に誓いながらアイスコーヒーを飲み干した。
「お替わり入れてくる」
帰るつもりは無いが、ほんの少しだけサービスで二人にしてやると上から目線な気持ちをほんのり持ちつつ、秋薫は席を立った。
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