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60話
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「お前もそういう顔、するんだな」
邦一に言われた言葉がどうにも気に食わないため、着物を正していた邦一の手首に今度はもう一度噛みついた。だが油断してしまっていたのか、少しだけ血を取り零してしまった。
もちろん、吸血をするのに基本的には大量の血が溢れたりはしない。何もしないでいてもほんのわずかな穴からぷくりとほんのわずかな量の血が出るくらいだ。だが針で刺すよりは大きいかもしれないので見慣れないとやはりギクリとするかもしれない。
特に邦一はそうだ。もっと気を付けるべきだった。
「話を聞くところによると多分、血管迷走神経反射性失神っていうやつだな」
やって来た柳はスラリとした手を邦一の額に当てながら言った。
自分の手首からぷつりと溢れる血を見た邦一は、その後も暫くは普通だった。だが急に邦一の顔面が蒼白になったかと思うとずるずると崩れるように倒れていった。一瞬失った意識はだが徐々に回復した。少しぼんやりとしていたが、邦一自身が「俺、昔の秋星みたいじゃないか」と一番唖然としていた。
内心本気で心配になった秋星はいつもなら絶対にしないのだが、強制的に邦一を眠らせると専属医を呼ばせたのだ。
柳の言葉に「その長ったらしいやつは何や」と秋星は齧りつかんばかりの勢いで詰め寄った。その際に柳の手を邦一の額から退けることも忘れない。
「強いストレスや緊張で脳貧血おこすやつ、かな」
「とりあえず普通の貧血ちゃうねんな? ちゃんと診断せんでいけるんかっ?」
「まぁ問題ない。どうした、血、吸い過ぎて貧血起こしたと思ったか?」
笑みを浮かべる柳を思い切り睨みつけると「過去のやつが原因か」と秋星は眠っている邦一をそっと窺った。
「多分そうだろうな。お前に血を吸われた上に血を見て無意識に強いストレスを感じ、一時的に血圧が下がったんだろう。で、脳へ行き渡る血液が少なくなって脳が酸欠を起こした、と」
「クニの自律神経に問題はないんか?」
「普段は別にないだろうよ。脳神経の迷走神経が激しいストレスや緊張で刺激されたせいで、自律神経の中の副交感神経が必要以上に活発になったんだろ。だから血管が拡張して血圧が下がる」
「強いストレスってやっぱ誘拐されて死にかけたからやんな……? 後は俺が怖かったから……」
秋星の言葉に柳は手を唇に当てながら少し考える。
「それだけどね、お前は知らないかもしらんが、邦一くんって人間を怪我させることは普通にあるし下手したら死体、何度かは見たりしてんだよな。一応そういう現場に立ち会うことはないみたいだけどな」
「は? 何でそんなもん……」
唖然としながら秋星は柳を見た。人間は確か、普通に生きていく上では死体を見る機会どころか怪我をさせることもさほどないはずだ。
「仕事、かな」
「はぁ? 何やのそれ……まさか父さまがそんなことさせてんのか」
「別にあの人がさせている訳じゃないだろ。仲間内の割り振りか何かじゃないのか? 秋星は橘家が今まで全くお綺麗なまま繁栄してきたとでも思ってるの?」
「そんなもん、関係あれへんわ! 俺のもんに何させてんねや……」
「俺に言われても。安心しなさいよ、むしろ皆は邦一くんを可愛がってるみたいだよ。実際格闘する状況にはなっても手を下させたことはないし、処理をさせたこともない。ただちょっとした手伝いの一環でたまたま見る羽目になった、くらいじゃないかな」
それとも蝶よ花よと大切に閉じ込めるべきかなと柳はニコニコ微笑んでくる。
「クニに手伝わせる必要別にないやろ」
「それでお前の面倒だけ見させるのか? まるで囲い者や妾だね」
「下世話な言い方すんな。仕えてんねやったら何もおかしないやろ」
「邦一くんのおじいさんは普通に仕事をしてたよ。もちろん後ろ暗い仕事もね。お前の父親が止めても構わずに」
「……」
「橘家の者である限りは人としてお綺麗なことだけでは済まないよな、人間じゃないんだしね。そんな中で山井の人たちは人間としての倫理すら時に放棄して勤めてくれている。お前、ちゃんと感謝してる? 当たり前だとしか思ってないんじゃないの?」
「……」
「そりゃ俺らの種族は優秀だと俺も思ってるし、これでも俺だって自尊心は高いよ。だからといって邦一くんをひと昔もふた昔も前の時代かのようにただの囲い者扱いするのはどうかな? 彼は給料を貰ってここで働いている従業員だよ。ついでに橘家の直系であるお前に偉そうに説教しちゃってる俺も従業員ではあるけどね」
「囲い者ちゃう……俺の……、……俺が……守りたいんや……」
「まぁ、お前の考えは今はどうでもいいんだけどね。俺が言いたかったのは、死体を見ている彼は、普通に血も見てるってこと。確かに人間を処理する話を聞いたりして気分が悪そうだったとかは聞いたことあるけど、今まで血を見て倒れたなんて聞いたことないんだよな」
柳がまた考えるような表情をしつつ、実際首を傾げる。
「だから血が駄目というのじゃない気がする。それよりも吸血されることに対して無意識に緊張してるんじゃないかな。というか、吸血されるだけなら大丈夫だけど、それによって血が流れることが駄目、とかさ」
「要は殺されかけたんは大したことやなくて、俺が犯人殺しかけつつ血を思い切り飲んだった上にそんな俺の正体見たんが原因ってことか」
「言葉にするとわかりやすいな、そんなとこ人間の子どもが見たら、そりゃトラウマになるだろうな……」
柳が苦笑してくる。
「ほんまに……俺のせいなんやな……」
「今さらだろ? どのみち秋星の存在自体、邦一くんにとっては迷惑極まりないだろうしさ」
「……柳」
ジロリと呆れたように睨みつつも、柳の言っている通りだろうなとは秋星も思った。確かに今さらだ。ずっとこの環境で育ってきた邦一にとっては最早当たり前として受け止めてくれているかもしれないが、本来こちらの都合で好き放題扱われ血を飲まれる時点で迷惑極まりない状況だろう。秋星と関わりを持った時点で既にある意味被害者だろう。
止めるつもりはない。悪いとも思わない。なら過去のことも中途半端な劣等感や罪悪感を覚えるくらいならもっと違うことを考えるべきだ。
「……ほんまあんた鬱陶しいわ」
「お褒めに預かり」
「褒めてへんわ。とりあえずこの症状で気ぃつけることあるんか」
「まぁ経過観察かな。入浴とかは一応気をつけさせて」
「治るんか」
「それも経過観察。ただ邦一くんには何故失神したか、適当な理由つけてでも吸血のこととか言ったほうがいいかもね」
邦一に言われた言葉がどうにも気に食わないため、着物を正していた邦一の手首に今度はもう一度噛みついた。だが油断してしまっていたのか、少しだけ血を取り零してしまった。
もちろん、吸血をするのに基本的には大量の血が溢れたりはしない。何もしないでいてもほんのわずかな穴からぷくりとほんのわずかな量の血が出るくらいだ。だが針で刺すよりは大きいかもしれないので見慣れないとやはりギクリとするかもしれない。
特に邦一はそうだ。もっと気を付けるべきだった。
「話を聞くところによると多分、血管迷走神経反射性失神っていうやつだな」
やって来た柳はスラリとした手を邦一の額に当てながら言った。
自分の手首からぷつりと溢れる血を見た邦一は、その後も暫くは普通だった。だが急に邦一の顔面が蒼白になったかと思うとずるずると崩れるように倒れていった。一瞬失った意識はだが徐々に回復した。少しぼんやりとしていたが、邦一自身が「俺、昔の秋星みたいじゃないか」と一番唖然としていた。
内心本気で心配になった秋星はいつもなら絶対にしないのだが、強制的に邦一を眠らせると専属医を呼ばせたのだ。
柳の言葉に「その長ったらしいやつは何や」と秋星は齧りつかんばかりの勢いで詰め寄った。その際に柳の手を邦一の額から退けることも忘れない。
「強いストレスや緊張で脳貧血おこすやつ、かな」
「とりあえず普通の貧血ちゃうねんな? ちゃんと診断せんでいけるんかっ?」
「まぁ問題ない。どうした、血、吸い過ぎて貧血起こしたと思ったか?」
笑みを浮かべる柳を思い切り睨みつけると「過去のやつが原因か」と秋星は眠っている邦一をそっと窺った。
「多分そうだろうな。お前に血を吸われた上に血を見て無意識に強いストレスを感じ、一時的に血圧が下がったんだろう。で、脳へ行き渡る血液が少なくなって脳が酸欠を起こした、と」
「クニの自律神経に問題はないんか?」
「普段は別にないだろうよ。脳神経の迷走神経が激しいストレスや緊張で刺激されたせいで、自律神経の中の副交感神経が必要以上に活発になったんだろ。だから血管が拡張して血圧が下がる」
「強いストレスってやっぱ誘拐されて死にかけたからやんな……? 後は俺が怖かったから……」
秋星の言葉に柳は手を唇に当てながら少し考える。
「それだけどね、お前は知らないかもしらんが、邦一くんって人間を怪我させることは普通にあるし下手したら死体、何度かは見たりしてんだよな。一応そういう現場に立ち会うことはないみたいだけどな」
「は? 何でそんなもん……」
唖然としながら秋星は柳を見た。人間は確か、普通に生きていく上では死体を見る機会どころか怪我をさせることもさほどないはずだ。
「仕事、かな」
「はぁ? 何やのそれ……まさか父さまがそんなことさせてんのか」
「別にあの人がさせている訳じゃないだろ。仲間内の割り振りか何かじゃないのか? 秋星は橘家が今まで全くお綺麗なまま繁栄してきたとでも思ってるの?」
「そんなもん、関係あれへんわ! 俺のもんに何させてんねや……」
「俺に言われても。安心しなさいよ、むしろ皆は邦一くんを可愛がってるみたいだよ。実際格闘する状況にはなっても手を下させたことはないし、処理をさせたこともない。ただちょっとした手伝いの一環でたまたま見る羽目になった、くらいじゃないかな」
それとも蝶よ花よと大切に閉じ込めるべきかなと柳はニコニコ微笑んでくる。
「クニに手伝わせる必要別にないやろ」
「それでお前の面倒だけ見させるのか? まるで囲い者や妾だね」
「下世話な言い方すんな。仕えてんねやったら何もおかしないやろ」
「邦一くんのおじいさんは普通に仕事をしてたよ。もちろん後ろ暗い仕事もね。お前の父親が止めても構わずに」
「……」
「橘家の者である限りは人としてお綺麗なことだけでは済まないよな、人間じゃないんだしね。そんな中で山井の人たちは人間としての倫理すら時に放棄して勤めてくれている。お前、ちゃんと感謝してる? 当たり前だとしか思ってないんじゃないの?」
「……」
「そりゃ俺らの種族は優秀だと俺も思ってるし、これでも俺だって自尊心は高いよ。だからといって邦一くんをひと昔もふた昔も前の時代かのようにただの囲い者扱いするのはどうかな? 彼は給料を貰ってここで働いている従業員だよ。ついでに橘家の直系であるお前に偉そうに説教しちゃってる俺も従業員ではあるけどね」
「囲い者ちゃう……俺の……、……俺が……守りたいんや……」
「まぁ、お前の考えは今はどうでもいいんだけどね。俺が言いたかったのは、死体を見ている彼は、普通に血も見てるってこと。確かに人間を処理する話を聞いたりして気分が悪そうだったとかは聞いたことあるけど、今まで血を見て倒れたなんて聞いたことないんだよな」
柳がまた考えるような表情をしつつ、実際首を傾げる。
「だから血が駄目というのじゃない気がする。それよりも吸血されることに対して無意識に緊張してるんじゃないかな。というか、吸血されるだけなら大丈夫だけど、それによって血が流れることが駄目、とかさ」
「要は殺されかけたんは大したことやなくて、俺が犯人殺しかけつつ血を思い切り飲んだった上にそんな俺の正体見たんが原因ってことか」
「言葉にするとわかりやすいな、そんなとこ人間の子どもが見たら、そりゃトラウマになるだろうな……」
柳が苦笑してくる。
「ほんまに……俺のせいなんやな……」
「今さらだろ? どのみち秋星の存在自体、邦一くんにとっては迷惑極まりないだろうしさ」
「……柳」
ジロリと呆れたように睨みつつも、柳の言っている通りだろうなとは秋星も思った。確かに今さらだ。ずっとこの環境で育ってきた邦一にとっては最早当たり前として受け止めてくれているかもしれないが、本来こちらの都合で好き放題扱われ血を飲まれる時点で迷惑極まりない状況だろう。秋星と関わりを持った時点で既にある意味被害者だろう。
止めるつもりはない。悪いとも思わない。なら過去のことも中途半端な劣等感や罪悪感を覚えるくらいならもっと違うことを考えるべきだ。
「……ほんまあんた鬱陶しいわ」
「お褒めに預かり」
「褒めてへんわ。とりあえずこの症状で気ぃつけることあるんか」
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