6 / 20
6話
しおりを挟む
そういえばいくら酔っていたとはいえ、キスなんて同性に対してそんなに軽率にしてしまうものだろうか、と朝哉は思った。女と間違えていたにしても、男と女をそもそも間違えるのかという話だ。
考え過ぎて、もしや潜在意識で郭夜が気になっていたのではないだろうなとか、実は男が好きなのだとかではだろうなと、自分のことなのにわからなくなってきた。授業で一緒になった嵩音に真剣な顔で聞いてみる。
「酔うと欲望具合が尋常じゃなくなって女だろうが男だろうがなんでもよくなるとか、ある? もしくは潜在意識が現れてくるとか」
「野滝大丈夫?」
朝哉の問いに対し、一瞬黙った後で嵩音がニッコリ聞いてくる。
「あー……、ってどういう意味だよっ?」
え? と嵩音を見た後で朝哉はハッとなって言い返す。
「だっていきなりなんの話かなって思うよね」
「いきなりかもだけど、そのままだよ!」
「いや、そのまま言われても。やっぱり、野滝大丈夫?」
「……ぅ。……いや、あんま大丈夫じゃないのかも」
「? 酔ってっての、人によると思うけど。まあ野滝なら女の子に飢えてさ、もうなんでもありとか思ってもおかしくないんじゃない」
ニコニコと言う内容に朝哉はとてつもなく微妙な顔をする。
「……お前に聞いたのが間違いだった……!」
「そもそもそれって経験に基づいての質問ってことだよね? まず何があったか、そこから言ってもらおうか」
またニッコリと見てくる嵩音に、勘鋭すぎかよと朝哉は顔を引きつらせつつ固まる。本当に言う相手を間違えた、と思いつつ必死になって「なにもない、なにもないよ!」と否定し続けた。
授業を終えた後、むぅっとしたままの朝哉に女友だちが「珍しくなに膨れてんの」と笑いかけてくる。
「……膨れてねーもん」
「膨れてるでしょ今まさに。可愛いアピール? まあ可愛いんだけどね」
あはは、と笑われながら小柄な相手に手を伸ばされ頭をぐしゃぐしゃとされる。本当なら女子とそうやって絡めるのはとてもいいことで楽しいことなのかもしれないし、小さな相手に背伸びされ頭を撫でられていると考えると萌えるところなのかもしれない。
だが朝哉に対する普段からの態度を知っているだけに微妙になりながら「髪くっちゃくちゃにすんなよー」とさらにむぅっと頬を膨らませざるを得なかった。
その後食堂に向かっていると「朝哉」と声をかけられる。いつもなら「なになに」とばかりに振り向いていたかもしれないが、告白されたばかりというのもあって、朝哉は渋々というか、恐る恐る振り返った。
「なにその顔」
「仕方ねーじゃん。郭夜が変なこと言ってきたからだろ」
ますますむぅっと口をへの字にする。そんな朝哉に構うことなく、郭夜は近づいてきてぐしゃぐしゃになった朝哉の髪を無言で整えてきた。
「な、なに?」
「……別に」
「なんだよそれ」
今まで普通に触れたり触れられたりしてきた筈なのに、好きだと言われたせいか落ち着かない。そもそも今までは髪に触れるなんてことなかった気もすると朝哉は思った。思わずじっと郭夜を見ると、今度は郭夜が「なに」と聞いてくる。
「え? いや、あの、そいや前までは髪に触ったりとかしてこなかったよなぁ? って」
思わず思っていることをつい言ってしまうと郭夜が真顔でため息をついてきた。
「当たり前だろ。好きだって思うようになったのはキスされてからっつったろ」
「っちょ、こんな人通りもあるよーなとこでそーゆーこと言わんで! つか、それと髪、どー関係あんだよ」
「好きでもない男の髪撫でる趣味は俺にない」
「そういえば俺だって男の髪撫でたくないわ! なるほどなー。……つか待って、じゃあさっきの子って俺のこと犬ころのような扱いしてると思ってたけど好きとか?」
ハッとなり、朝哉がキラキラした目で言うと、郭夜はまたため息をついてきた。そして憐れむような顔で朝哉を見てくる。
「な、なんだよその顔!」
「お前は女子の髪とか触れるの、気持ち悪かったりすんのか?」
「んな訳ねー! 好きとか関係なくむしろ友だちだろうがなんだろうがいい匂いするし気持ちいいしすっげ触りたい」
「同じだろ。異性なんだし」
「え、あー、そっか……」
がっかりとする朝哉を生ぬるい目で見ながら、郭夜が内心「んな訳ないだろ、女が男の髪をいい匂いするとか言って触ると思ってんのかバカめ」と呆れているなどと当然気づかなかった。
ちぇっ、と朝哉が思っていると、郭夜はまた頭を今度は整えるのではなくがしがしとつかむようにしてきた。
「ちょ、やめろよ」
「お前な。お前のこと好きだっつった俺の前でそういうことであからさまにがっかりするなよ」
ムッとしたように言われ、朝哉はそういえば、と顔を引きつらせた。
どうにも調子が狂う。郭夜が女だったらここまでデリカシーのない態度はとっていないだろうと思いながらも、そういう風に考えてしまう時点で酷いよなと自分に呆れた。
「わ、悪い」
「……。悪いと思うなら俺と付き合――」
「それは無理……!」
「っち」
ええ、今舌打ちしました?
朝哉は思い切り郭夜を見る。郭夜は実際むかついたような顔はしていないものの、どうにも朝哉に興味を持っているように見えない。
「……お前、ほんっとに俺のこと、好きなの……?」
「こういうところで言うものじゃないんだろ」
「ぅ。あれだ、小さい声で」
「……別に俺はいいけど、デカイ男二人がひそひそ話してるのもたいがいだと思うぞ」
「あー確かに! って別にひそひそまでじゃなくていーよ! なんかこう、周り気にしながら、なんつーか」
朝哉の言葉に郭夜がまた、ため息をついてくる。
「ほんと、俺もなんでお前のこと好きになったのかいまだにわからん」
「ええー……。親友なのに?」
「じゃあ親友だと言うお前に聞くが、お前、俺のこと好き?」
「……と、友だちとしてなら」
「だろ。親友なのにって理由が当てはまる訳ないだろが。まあ俺は友だちとしてもなんでお前と仲いいのかわからん時あるしさ」
「酷ぇ!」
「酷い? 朝哉のほうが酷いと思うけど。相手が俺だからって、気持ち無視した態度とりすぎだろ」
じっと朝哉を見ながら言ってくる郭夜に、朝哉は俯いた。
「……それは、うん、悪ぃ」
シュンとしていると腕をつかまれた。そのまま廊下の隅にある階段の物陰へ連れられる。
「ってーな、いきなりなにすんの!」
ムッとして睨もうとしたところにいきなりキスをされた。突然のこと過ぎて反応できず、されるがままになった。
唇が離れてからもしばらく唖然とする。だがようやくハッとなり「郭夜!」と睨むとしれっとした表情で見返された。
「お前だってしてきた」
「ぅ。そ、そりゃそうかもだけど。なんだよ、仕返しかよ」
「……。仕返し? 俺はお前が好きなんだって言ってんだろ」
無表情ながらにどこか悲しそうな風にも見える様子で言い返すと、郭夜はそのまま朝哉を置いてその場から去って行った。
考え過ぎて、もしや潜在意識で郭夜が気になっていたのではないだろうなとか、実は男が好きなのだとかではだろうなと、自分のことなのにわからなくなってきた。授業で一緒になった嵩音に真剣な顔で聞いてみる。
「酔うと欲望具合が尋常じゃなくなって女だろうが男だろうがなんでもよくなるとか、ある? もしくは潜在意識が現れてくるとか」
「野滝大丈夫?」
朝哉の問いに対し、一瞬黙った後で嵩音がニッコリ聞いてくる。
「あー……、ってどういう意味だよっ?」
え? と嵩音を見た後で朝哉はハッとなって言い返す。
「だっていきなりなんの話かなって思うよね」
「いきなりかもだけど、そのままだよ!」
「いや、そのまま言われても。やっぱり、野滝大丈夫?」
「……ぅ。……いや、あんま大丈夫じゃないのかも」
「? 酔ってっての、人によると思うけど。まあ野滝なら女の子に飢えてさ、もうなんでもありとか思ってもおかしくないんじゃない」
ニコニコと言う内容に朝哉はとてつもなく微妙な顔をする。
「……お前に聞いたのが間違いだった……!」
「そもそもそれって経験に基づいての質問ってことだよね? まず何があったか、そこから言ってもらおうか」
またニッコリと見てくる嵩音に、勘鋭すぎかよと朝哉は顔を引きつらせつつ固まる。本当に言う相手を間違えた、と思いつつ必死になって「なにもない、なにもないよ!」と否定し続けた。
授業を終えた後、むぅっとしたままの朝哉に女友だちが「珍しくなに膨れてんの」と笑いかけてくる。
「……膨れてねーもん」
「膨れてるでしょ今まさに。可愛いアピール? まあ可愛いんだけどね」
あはは、と笑われながら小柄な相手に手を伸ばされ頭をぐしゃぐしゃとされる。本当なら女子とそうやって絡めるのはとてもいいことで楽しいことなのかもしれないし、小さな相手に背伸びされ頭を撫でられていると考えると萌えるところなのかもしれない。
だが朝哉に対する普段からの態度を知っているだけに微妙になりながら「髪くっちゃくちゃにすんなよー」とさらにむぅっと頬を膨らませざるを得なかった。
その後食堂に向かっていると「朝哉」と声をかけられる。いつもなら「なになに」とばかりに振り向いていたかもしれないが、告白されたばかりというのもあって、朝哉は渋々というか、恐る恐る振り返った。
「なにその顔」
「仕方ねーじゃん。郭夜が変なこと言ってきたからだろ」
ますますむぅっと口をへの字にする。そんな朝哉に構うことなく、郭夜は近づいてきてぐしゃぐしゃになった朝哉の髪を無言で整えてきた。
「な、なに?」
「……別に」
「なんだよそれ」
今まで普通に触れたり触れられたりしてきた筈なのに、好きだと言われたせいか落ち着かない。そもそも今までは髪に触れるなんてことなかった気もすると朝哉は思った。思わずじっと郭夜を見ると、今度は郭夜が「なに」と聞いてくる。
「え? いや、あの、そいや前までは髪に触ったりとかしてこなかったよなぁ? って」
思わず思っていることをつい言ってしまうと郭夜が真顔でため息をついてきた。
「当たり前だろ。好きだって思うようになったのはキスされてからっつったろ」
「っちょ、こんな人通りもあるよーなとこでそーゆーこと言わんで! つか、それと髪、どー関係あんだよ」
「好きでもない男の髪撫でる趣味は俺にない」
「そういえば俺だって男の髪撫でたくないわ! なるほどなー。……つか待って、じゃあさっきの子って俺のこと犬ころのような扱いしてると思ってたけど好きとか?」
ハッとなり、朝哉がキラキラした目で言うと、郭夜はまたため息をついてきた。そして憐れむような顔で朝哉を見てくる。
「な、なんだよその顔!」
「お前は女子の髪とか触れるの、気持ち悪かったりすんのか?」
「んな訳ねー! 好きとか関係なくむしろ友だちだろうがなんだろうがいい匂いするし気持ちいいしすっげ触りたい」
「同じだろ。異性なんだし」
「え、あー、そっか……」
がっかりとする朝哉を生ぬるい目で見ながら、郭夜が内心「んな訳ないだろ、女が男の髪をいい匂いするとか言って触ると思ってんのかバカめ」と呆れているなどと当然気づかなかった。
ちぇっ、と朝哉が思っていると、郭夜はまた頭を今度は整えるのではなくがしがしとつかむようにしてきた。
「ちょ、やめろよ」
「お前な。お前のこと好きだっつった俺の前でそういうことであからさまにがっかりするなよ」
ムッとしたように言われ、朝哉はそういえば、と顔を引きつらせた。
どうにも調子が狂う。郭夜が女だったらここまでデリカシーのない態度はとっていないだろうと思いながらも、そういう風に考えてしまう時点で酷いよなと自分に呆れた。
「わ、悪い」
「……。悪いと思うなら俺と付き合――」
「それは無理……!」
「っち」
ええ、今舌打ちしました?
朝哉は思い切り郭夜を見る。郭夜は実際むかついたような顔はしていないものの、どうにも朝哉に興味を持っているように見えない。
「……お前、ほんっとに俺のこと、好きなの……?」
「こういうところで言うものじゃないんだろ」
「ぅ。あれだ、小さい声で」
「……別に俺はいいけど、デカイ男二人がひそひそ話してるのもたいがいだと思うぞ」
「あー確かに! って別にひそひそまでじゃなくていーよ! なんかこう、周り気にしながら、なんつーか」
朝哉の言葉に郭夜がまた、ため息をついてくる。
「ほんと、俺もなんでお前のこと好きになったのかいまだにわからん」
「ええー……。親友なのに?」
「じゃあ親友だと言うお前に聞くが、お前、俺のこと好き?」
「……と、友だちとしてなら」
「だろ。親友なのにって理由が当てはまる訳ないだろが。まあ俺は友だちとしてもなんでお前と仲いいのかわからん時あるしさ」
「酷ぇ!」
「酷い? 朝哉のほうが酷いと思うけど。相手が俺だからって、気持ち無視した態度とりすぎだろ」
じっと朝哉を見ながら言ってくる郭夜に、朝哉は俯いた。
「……それは、うん、悪ぃ」
シュンとしていると腕をつかまれた。そのまま廊下の隅にある階段の物陰へ連れられる。
「ってーな、いきなりなにすんの!」
ムッとして睨もうとしたところにいきなりキスをされた。突然のこと過ぎて反応できず、されるがままになった。
唇が離れてからもしばらく唖然とする。だがようやくハッとなり「郭夜!」と睨むとしれっとした表情で見返された。
「お前だってしてきた」
「ぅ。そ、そりゃそうかもだけど。なんだよ、仕返しかよ」
「……。仕返し? 俺はお前が好きなんだって言ってんだろ」
無表情ながらにどこか悲しそうな風にも見える様子で言い返すと、郭夜はそのまま朝哉を置いてその場から去って行った。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説

真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~
シキ
BL
全寮制学園モノBL。
倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。
倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……?
真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。
一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。
こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。
今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。
当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。
死んだ友達を忘れられないので、現実に縛りつける方法を考えた─寂しい幽霊の生かしかた─
六二三(ろにさ)
BL
主人公「梓月蓮」の前に、交通事故で死んだ親友の「D君」が幽霊として現れた。
夏休みが終わるにつれて、D君の姿が見えなくなっていき、梓月は再び失うことに恐怖する。トラウマと悪夢に苦しみながら彼が選ぶ選択とは━━
いつ消えるか分からない友達に不安を抱えながら、共に生活します。心象の変化をじっくり味わえます。

いつかコントローラーを投げ出して
せんぷう
BL
オメガバース。世界で男女以外に、アルファ・ベータ・オメガと性別が枝分かれした世界で新たにもう一つの性が発見された。
世界的にはレアなオメガ、アルファ以上の神に選別されたと言われる特異種。
バランサー。
アルファ、ベータ、オメガになるかを自らの意思で選択でき、バランサーの状態ならどのようなフェロモンですら影響を受けない、むしろ自身のフェロモンにより周囲を調伏できる最強の性別。
これは、バランサーであることを隠した少年の少し不運で不思議な出会いの物語。
裏社会のトップにして最強のアルファ攻め
×
最強種バランサーであることをそれとなく隠して生活する兄弟想いな受け
※オメガバース特殊設定、追加性別有り
.
ほだされ兄貴とわんこ舎弟。
有村千代
BL
<あらすじ>
コワモテだけど、不破龍之介はごく普通の男子高校生…だったはずなのに。
新入生の犬塚拓哉との出会いから一変? 犬塚は不良に絡まれていたところを助けてくれた恩義に、不破の舎弟になりたいと申し出たのだった!
まるで子犬のように慕ってくる犬塚。「シモの世話でもしてもらうか」と意地悪に言ったって受け入れる始末で――って! なにドキドキしてんだ、俺!?
受けへの溺愛が止まらない☆とびきりキュートな甘々ラブ!!
【ほだされコワモテ男×健気なラブリーわんこ(高校生/先輩×後輩)】
※『★』マークがついている章は性的な描写が含まれています
※ストーリーを味わうというより、萌え・癒しを感じたい人向けです(ひたすらピュアで甘々)
※全30回程度(本編5話+番外編1話)、毎日更新予定
※作者Twitter【https://twitter.com/tiyo_arimura_】
※マシュマロ【https://bit.ly/3QSv9o7】
※掲載箇所【エブリスタ/アルファポリス/ムーンライトノベルズ/BLove/fujossy/pixiv/pictBLand】

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

花街の隅の花屋にはワンコ騎士に好かれるヒツジがいる
月下 雪華
BL
人に近い獣人の住む街の花街の端にある花屋。そこでは生花を売るヒツジの青年、ハワードが働いていた。いつものように騎士団の巡回がそこに現れたとき、この物語が始まる。そこにいた新人のイヌの騎士、ケレイブがハワードに一目惚れし告白と求婚を繰り返すようになったのだ。2人で接していくにつれ知っていく『嫉妬』『不安』『過去の事実』。全てをまるっと乗り越えて飲み込んで愛を深める。これは真っ直ぐ素直な新人ワンコ騎士と心の傷をもっている優しく真面目なヒツジの花売りの話。
注意
ここの話で指す獣人は耳やしっぽが着いている程度の軽いものを想定しております。
ケレイブもハワードも互い以外の人物と恋愛関係、肉体関係を築くことはありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる