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囚われる豹
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そういえば最近ますます渉を見かけなくなったなと颯一は思った。入学した頃は怖いくらいいつもやってきては「そうちゃん、そうちゃん」と楽しそうに名前を呼んできていた。あれは何だったのだと首を傾げる勢いで、最近はめっきり颯一の元にやって来ない。
思いきりドノーマルな颯一に、再会していきなり「好きだ」などと言って抱きついてきた渉はその後も毎日傍をちょろちょろとしてきて気持ち悪い言動を取ってきた。学年すら違うというのに授業中にまでやってきては颯一にちょっかいをかけてきた。
「散々振り回しておいてあれか、飽きたとかなのか……!」
唖然となりながら言うと、クラスメイトに「何の話だ、痴話喧嘩でもしてたカップルの話か? ドラマ?」などと言われてしまった。
「痴話……ってカップル? 違う! あれ……? お前、何でそこでそれは俺の話だとか思わないの?」
「は? いやだって込谷だし」
「どういう意味だよ!」
笑われながら言われて颯一は憤慨した。なぜ自分だと恋愛がらみがあり得ないと思われるのだと思いつつ、ここが男子校だったと思い出した。そして机に突っ伏していた。
放課後、颯一は友悠に呼び止められる。
「どうしたんだよ」
「いや、俺先生に用事頼まれてるから先に帰ってて」
「ああ、うん」
「今この人が多い時にすぐにね」
「何だそれ」
「そう、だって変な先輩とかに追いかけられたくないだろ?」
「……あー、そっか。うん、わかった。じゃあお疲れ」
「ほんとすぐにだからね!」
何度も急いで帰るよう言ってくる友悠に苦笑しながら、颯一は教室を出た。
確かに追っかけてきたあの先輩は怖かったけれども、友悠は心配しすぎだ。そう思いながらも言われた通りすぐ寮へ帰るべく歩いていると「込谷くん」と声をかけられた。また変な人だったらどうしようと思いつつ、一応おずおずと振り返ると大人しそうな見知らぬ生徒がニッコリ立っている。いつも自分に言い寄ってくるようなタイプではないのでホッとしつつも怪訝に思い、「誰だっけ?」と颯一は首を傾げた。
「寂しいなあ。また忘れられちゃったんだね」
「……え? ……あ、もしかしてこの間ベンチのとこで……」
友悠に告白されて飛び出した時、声をかけてきた相手をふと思い出した。
「うん。よかった、覚えていてくれて」
「あ、うん。その、ごめん」
「いいよ。ああでもせっかくまた会えたんだし、よかったらちょっとだけ僕につき合ってもらえたら嬉しいな」
相手はニッコリ笑いながら手を差し出してきた。どういう意味だろうかと颯一は首を傾げる。
……握手?
まさかおててを握って仲よく歩こうって意味ではないとは思うと、内心苦笑しつつ颯一は逡巡していた。相手はどう見ても無害そうだ。颯一自身あまり強くはないが、その颯一よりも明らかに弱そうに見える。話し方も柔らかい感じだし、何も問題はなさそうに思えた。
だが、あのベンチで声をかけられた時を思うと逡巡する。
あの時確かに感じたのは「怖い」という感覚。
多分あの時は遅い時間帯だったし、他の生徒が何も喋らなかったから違和感を感じただけなのだろうとは思うのだが、何だか落ち着かなかった。
「……で、でもその……」
「ほら、行こう?」
颯一が困惑し戸惑っているも、その相手は気にした様子なく相変わらずニッコリしたまま颯一の手をつかんできた。そしてそのまま手をひっぱって歩きだす。
「あ、おい……!」
その手は思ってた以上に力強かった。
一方その頃友悠は先生に頼まれていたプリントを職員室に運んだ後、出たところでばったり晃二に会っていた。
「山本先輩」
「お。先生に使われてたのか?」
「ほんと生徒使い荒い先生で。先輩は今帰りですか? いつも一緒の田中先輩は?」
「ああ……。今からあいつのとこ向かうところ」
ニッコリ友悠が聞くと、晃二が呆れたように言ってきた。
「向かう?」
「あいつさー、あんなだろ? だから俺からしたら意味わかんねぇんだけど妙にモテて、ていうか狙われててな。まあデカいやつだし案外運動もできるしな、無理やりどうこうされることはまずないんだが、頭がほら、ヤベェだろ?」
同意を求められ、友悠は苦笑する。
「だからすぐ何か言われたことに乗ったりついてったりするんだよな、全く。今もそこへ迎えにいくとこ」
「えっ? 田中先輩大丈夫なんですか?」
「あいつの頭のことならもう手遅れだな」
「いや、違……!」
「はは、悪い。うん、大丈夫だ。今言ったように、基本アイツを無理やりどうこうするヤツはいねぇから。だけど上手いこと言われて流されそうな気はものっそいするからな。いつもは事前に止めるんだが、今日は間に合わなくて。だがホイホイ向かった先は知ってるし、とりあえず連れ戻しに行ってくるわ」
晃二は苦笑しながら手をあげる。
「ああはい。お疲れ様です。先輩、お気をつけて」
「サンキューな。藤田くんも気をつけて。最近変な薬が出回ってるらしいしな」
「え?」
「ん? 知らないのか? うーん、藤田くんの親友のこと思えば知ってた方がいい気するぞ? 田中のお迎えはすぐそこだから、ちょっと待っててくれたらすぐ終わらせて説明してやるが……」
気軽そうだった晃二が眉をひそめながら言ってきた。多分もう颯一は帰っているだろうしと、友悠は頷く。
「待ちます」
手をひっぱられ、とある教室に連れ込まれた颯一はその頃内心ほんのり怯えつつ、何とか笑顔を相手へ向けていた。
「な、なあ。俺もう帰る……」
「まあまあ。あ、ジュースあるんで、じゃあどうせならそれ飲んでいって? ね?」
「ジュースあるって……。何なの。ここ、お前の部活先の部室か何か? ていうかお前の名前、まだ聞いてもないし……」
「ああ、そうだね。僕は一之瀬。改めてよろしくね、込谷くん」
「……一之瀬、ね。でもそんな名前隣のクラスにいたっけ……?」
「……いるよ?」
怪訝に思う颯一に、一之瀬はまた笑いかけてきた。やはり当たりは柔らかい。なのになぜこうも落ち着かないのだろうかと、颯一は差し出された紙コップを受け取りながら思っていた。
とりあえずこれを飲んだら何がなんでも帰らせてもらおう。
受け取ったジュースを颯一は一気に飲み干す。緊張しているからか、ジュースがあまり美味しく感じられなかった。
「あの、飲んだし、俺帰る。一之瀬、また改めてゆっくり喋ろうよ。昼休みとかさ、そんな時に……」
「……さっきから込谷くん、落ち着かないみたいだねえ? なんでそんなに早く帰りたがるの?」
「え? いやその、えっとあれだ、ルームメイトと約束してて……」
「……ああ、あの背の高い彼、ね……? ほんといつも一緒だよねえ? おかげで中々タイミングがなくてイライラしちゃった」
一之瀬はやはりニッコリ笑っている。
「は……? どういう……」
「ああさっきの質問、一個答えてないねえ、ごめんね? そうだね、ここは部室みたいなもの、かな? 部活じゃないけども。まあ、僕らの溜まり場っていうか、ね?」
一之瀬がそう言うと、今までまるで待機していたかのように、何人かの生徒が教室へ入ってきた。その中に、あの颯一が怖いと思っている先輩を見つける。
「な、に……?」
「怯えた様子がまた、かわいい。込谷くん。前からね? 僕たち、込谷くんと遊びたいってずっと思ってたんだぁ」
思いきりドノーマルな颯一に、再会していきなり「好きだ」などと言って抱きついてきた渉はその後も毎日傍をちょろちょろとしてきて気持ち悪い言動を取ってきた。学年すら違うというのに授業中にまでやってきては颯一にちょっかいをかけてきた。
「散々振り回しておいてあれか、飽きたとかなのか……!」
唖然となりながら言うと、クラスメイトに「何の話だ、痴話喧嘩でもしてたカップルの話か? ドラマ?」などと言われてしまった。
「痴話……ってカップル? 違う! あれ……? お前、何でそこでそれは俺の話だとか思わないの?」
「は? いやだって込谷だし」
「どういう意味だよ!」
笑われながら言われて颯一は憤慨した。なぜ自分だと恋愛がらみがあり得ないと思われるのだと思いつつ、ここが男子校だったと思い出した。そして机に突っ伏していた。
放課後、颯一は友悠に呼び止められる。
「どうしたんだよ」
「いや、俺先生に用事頼まれてるから先に帰ってて」
「ああ、うん」
「今この人が多い時にすぐにね」
「何だそれ」
「そう、だって変な先輩とかに追いかけられたくないだろ?」
「……あー、そっか。うん、わかった。じゃあお疲れ」
「ほんとすぐにだからね!」
何度も急いで帰るよう言ってくる友悠に苦笑しながら、颯一は教室を出た。
確かに追っかけてきたあの先輩は怖かったけれども、友悠は心配しすぎだ。そう思いながらも言われた通りすぐ寮へ帰るべく歩いていると「込谷くん」と声をかけられた。また変な人だったらどうしようと思いつつ、一応おずおずと振り返ると大人しそうな見知らぬ生徒がニッコリ立っている。いつも自分に言い寄ってくるようなタイプではないのでホッとしつつも怪訝に思い、「誰だっけ?」と颯一は首を傾げた。
「寂しいなあ。また忘れられちゃったんだね」
「……え? ……あ、もしかしてこの間ベンチのとこで……」
友悠に告白されて飛び出した時、声をかけてきた相手をふと思い出した。
「うん。よかった、覚えていてくれて」
「あ、うん。その、ごめん」
「いいよ。ああでもせっかくまた会えたんだし、よかったらちょっとだけ僕につき合ってもらえたら嬉しいな」
相手はニッコリ笑いながら手を差し出してきた。どういう意味だろうかと颯一は首を傾げる。
……握手?
まさかおててを握って仲よく歩こうって意味ではないとは思うと、内心苦笑しつつ颯一は逡巡していた。相手はどう見ても無害そうだ。颯一自身あまり強くはないが、その颯一よりも明らかに弱そうに見える。話し方も柔らかい感じだし、何も問題はなさそうに思えた。
だが、あのベンチで声をかけられた時を思うと逡巡する。
あの時確かに感じたのは「怖い」という感覚。
多分あの時は遅い時間帯だったし、他の生徒が何も喋らなかったから違和感を感じただけなのだろうとは思うのだが、何だか落ち着かなかった。
「……で、でもその……」
「ほら、行こう?」
颯一が困惑し戸惑っているも、その相手は気にした様子なく相変わらずニッコリしたまま颯一の手をつかんできた。そしてそのまま手をひっぱって歩きだす。
「あ、おい……!」
その手は思ってた以上に力強かった。
一方その頃友悠は先生に頼まれていたプリントを職員室に運んだ後、出たところでばったり晃二に会っていた。
「山本先輩」
「お。先生に使われてたのか?」
「ほんと生徒使い荒い先生で。先輩は今帰りですか? いつも一緒の田中先輩は?」
「ああ……。今からあいつのとこ向かうところ」
ニッコリ友悠が聞くと、晃二が呆れたように言ってきた。
「向かう?」
「あいつさー、あんなだろ? だから俺からしたら意味わかんねぇんだけど妙にモテて、ていうか狙われててな。まあデカいやつだし案外運動もできるしな、無理やりどうこうされることはまずないんだが、頭がほら、ヤベェだろ?」
同意を求められ、友悠は苦笑する。
「だからすぐ何か言われたことに乗ったりついてったりするんだよな、全く。今もそこへ迎えにいくとこ」
「えっ? 田中先輩大丈夫なんですか?」
「あいつの頭のことならもう手遅れだな」
「いや、違……!」
「はは、悪い。うん、大丈夫だ。今言ったように、基本アイツを無理やりどうこうするヤツはいねぇから。だけど上手いこと言われて流されそうな気はものっそいするからな。いつもは事前に止めるんだが、今日は間に合わなくて。だがホイホイ向かった先は知ってるし、とりあえず連れ戻しに行ってくるわ」
晃二は苦笑しながら手をあげる。
「ああはい。お疲れ様です。先輩、お気をつけて」
「サンキューな。藤田くんも気をつけて。最近変な薬が出回ってるらしいしな」
「え?」
「ん? 知らないのか? うーん、藤田くんの親友のこと思えば知ってた方がいい気するぞ? 田中のお迎えはすぐそこだから、ちょっと待っててくれたらすぐ終わらせて説明してやるが……」
気軽そうだった晃二が眉をひそめながら言ってきた。多分もう颯一は帰っているだろうしと、友悠は頷く。
「待ちます」
手をひっぱられ、とある教室に連れ込まれた颯一はその頃内心ほんのり怯えつつ、何とか笑顔を相手へ向けていた。
「な、なあ。俺もう帰る……」
「まあまあ。あ、ジュースあるんで、じゃあどうせならそれ飲んでいって? ね?」
「ジュースあるって……。何なの。ここ、お前の部活先の部室か何か? ていうかお前の名前、まだ聞いてもないし……」
「ああ、そうだね。僕は一之瀬。改めてよろしくね、込谷くん」
「……一之瀬、ね。でもそんな名前隣のクラスにいたっけ……?」
「……いるよ?」
怪訝に思う颯一に、一之瀬はまた笑いかけてきた。やはり当たりは柔らかい。なのになぜこうも落ち着かないのだろうかと、颯一は差し出された紙コップを受け取りながら思っていた。
とりあえずこれを飲んだら何がなんでも帰らせてもらおう。
受け取ったジュースを颯一は一気に飲み干す。緊張しているからか、ジュースがあまり美味しく感じられなかった。
「あの、飲んだし、俺帰る。一之瀬、また改めてゆっくり喋ろうよ。昼休みとかさ、そんな時に……」
「……さっきから込谷くん、落ち着かないみたいだねえ? なんでそんなに早く帰りたがるの?」
「え? いやその、えっとあれだ、ルームメイトと約束してて……」
「……ああ、あの背の高い彼、ね……? ほんといつも一緒だよねえ? おかげで中々タイミングがなくてイライラしちゃった」
一之瀬はやはりニッコリ笑っている。
「は……? どういう……」
「ああさっきの質問、一個答えてないねえ、ごめんね? そうだね、ここは部室みたいなもの、かな? 部活じゃないけども。まあ、僕らの溜まり場っていうか、ね?」
一之瀬がそう言うと、今までまるで待機していたかのように、何人かの生徒が教室へ入ってきた。その中に、あの颯一が怖いと思っている先輩を見つける。
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