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楽しむ虎
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「そうちゃんと同衾しちゃった」
渉がニコニコ言うと案の定、息するように颯一からボディーブローを食らった。
最近渉は腹筋を鍛えている。普段から体を鍛えるのを怠らないが、腹筋に力を特に入れるようにしていた。寮の同居人にも協力してもらい、腹にバスケットボールを落としてもらったりもしている。ちなみに同居人は毎回とても微妙な顔をして落としてくれる。
それでもやはり腹はキツイ。
重要な器官が沢山あるわりに骨にもさほど守られていない腹にくるパンチは、それがたとえ素人である颯一のパンチであっても結構くるのだ。
多分颯一自身、自分にあまり力がなく喧嘩慣れもしていないのを理解した上での腹パンチなのだろうなと渉は思っている。他の攻撃なら避けられたり防がれたりびくともしなかったりだろうが、腹ならそれなりに効果がある。腹に食らうとわりに足にくるのと、下手すれば呼吸ができなくなるため動けなくなることがある。
とはいえ、力のない颯一の攻撃なので深刻にはならない。現にかなり颯一の腹攻撃に慣れてきた渉はわりと平然としていた。
「こら、颯一! 渉に何してんだ」
ボディーブローをかましているのを兄の隼颯に見つかり、颯一は怒られている。
「だって渉が変なこと言うから!」
「ん? 何言ったんだ?」
当然だが聞かれ、颯一はグッと言葉に詰まっている。
「俺が、そうちゃんと同衾しちゃった、て言ったんです」
「してねえんだよ! 何もしてねえだろうが! お前敷いてもらった布団の中でぐうぐう寝てただろうが!」
颯一は真っ赤になって怒る。すると隼颯が「渉」と真面目な顔をしだした。
「はい」
「お前……駄目だろう」
それを聞いていた颯一は少し驚いているように見える。何に驚いているのかはさすがに渉にはわからない。
同衾て聞いてまさか本気にとったの?
男同士だってのに普通に本気にとったの?
ていうか本気にとったとしてその冷静さ?
にしても兄ちゃんも真面目な顔をして渉にちゃんと怒るんだ?
いやでも「駄目だろう」て言い聞かせるような内容じゃないだろう? 本気にとったなら……!
「そうですね、すみません、はや兄」
「だろ? 同じ布団で眠ったんじゃなく別の布団なら同衾て言わないからな。やっぱり言葉はちゃんと使わないとな」
「そうですよね」
「そこぉぉぉぉぉっ?」
思わず叫んできた颯一に、隼颯と渉は怪訝な表情を浮かべて颯一を見る。それに気づき、颯一が何やらぶつぶつと「まさか同じような反応を……兄ちゃんと渉……まさかの……」などと呟いており、渉はさらに首を傾げた。
「そんなことよりもそうちゃん。今日は何して過ごす? もう他の友人と約束でもしているのか?」
「いや、急に帰ることにしたから、何も予定はねえ……」
それを聞いて渉がニッコリ笑うと「いや、何かある! ある! 俺忙しい」などと言ってくる。
「そうちゃんの嘘つけないとこ、俺いいと思う。昔から好きだよ」
渉がニコニコ言うと「そ、そうか」とどこか照れくさそうにする。渉がそういう意味で「好きだ」と言うのに対しては全力で回避しようとしてくるが、こういう昔から言っていたような何でもない言葉には、昔と変わらない反応を見せてくれるところも渉は好きだった。
「だから忙しくないのもバレている。さて、そうちゃんはどこか行きたいところはないのか?」
「ぐ……。行きたいとこ? あ、そういや俺、行ってみたいとこあったんだよな。でもダチ誘ってもその気になってくんなくってさー。お化け屋敷が怖いのもあるかもだけど遊園地の乗り物は絶対乗らねぇとか言ったからかなー。でも渉なら怖いやつ、いけそうな気がする」
颯一は何やら思い出しニコニコしてきた。とある遊園地にある最恐と言われているお化け屋敷に行きたいのだそうだ。廃病院を元に作ったと言われており、その怖さたるやあり得ないとさえ言われているのだという。
渉はひっそりほくそ笑んだ。前に颯一がそのお化け屋敷に行ってみたいと言っていたのは覚えており、昨日何気にその記事が載っている雑誌のページを見えるようにしてリビングに置いていた。
男らしい颯一だが、あそこは本当に怖いと聞く。きっと万が一あまり怖がらなかったとしても驚くくらいはするだろう。もしかしたら渉に抱きついてくるであろう颯一を思うと、どうしても顔が綻ぶ。
「何かお前……。何でそんなニヤついてんだよ……」
「何もない。では行こうか」
「え? いいの? マジで? やった! 言ってみるもんだな。ともにも機会あれば行こうって誘ったことあるんだけど断られたんだよなー」
友悠の名前を聞いた途端、渉は軽く舌打ちをする。
「ん? どうかしたのか?」
「いや? あの友人はいつも胃を押さえている。お化け屋敷の恐怖に耐えられるとは思わん」
「そうかなぁ。結構ホラー平気そうだったんだけどなー」
その後二人は目的地へ向かった。公共の場ではあまり愛の表現されることはないと理解したからか、外で一緒にいることに颯一は特に嫌がっている様子を見せなかった。
遊園地に着くと、二人は早速目当てのお化け屋敷へ向かう。これから恐怖に包まれた中へ入るというのに、颯一の目は期待でワクワクと輝いていたし、渉も同じく、いや、期待の内容は少し違うがワクワクしていた。
お化け屋敷といえば「血」もあるかもしれない。だが颯一自身、本物の血でない限り遭遇しても一瞬のことで勘違いしたりなどでなければ何も思わなかった。昔ならそんなであっても怯えていたであろうが、多分颯一なりにずいぶん降服してきたのだろう。とはいえ、映像だと匂いがわからないのもあり、ついビクリとしてしまうようだ。
いざ中へ入ると、渉は早々に期待が打ち砕かれていた。颯一はあまりにも動じず、むしろ本気で男らしい勢いでサクサク歩いていく。途中お化けというかゾンビみたいなものが脅かしてくるのだが、一応驚きながらも間違いなく楽しんでいる。
「マジ怖ぇな」
「……だったら怖がったらどうだ」
「え? 怖がってるぞ?」
「……」
最後辺りに暗闇の病棟の中手さぐりで進む場所があるのだが、さすがにそこでは躊躇していた。しかし怖いというより見えないことにイラついている感じしかしなかった。
「あー怖かった! また来たら入りたい!」
「……そうちゃん……怖いなら怖がるべきだ」
「は? だから怖かったってば。渉は怖くなかったの?」
「まあ、怖かったぞ」
颯一の動じなさすぎる反応がな。と心の中で付け加える。
ちなみに絶叫マシーンには乗っていない。そしてデート、というと多分颯一は猛攻撃してくるだろうが、につきものの観覧車にも乗っていない。
高い所が苦手な颯一を知っている渉は、お化け屋敷から出た後はまた颯一の胃袋をつかむべく食事へ誘った。
「だったら色んなもん食わねえ? レストランに入って決まったメニュー頼むより、俺ちょこちょこ色んな店で食いたい!」
絶叫マシーンなどに乗ろうと言われなくてホッとしたのか、颯一がまた嬉しそうに言ってきた。
「いいぞ」
「マジで? やった! 渉だとこういうのとか諸々遠慮なく言えるのがいいよな」
颯一は昔を思い出しているのか無邪気に言ってくる。そんな颯一がかわいくてつい抱きしめたくなったが、さすがに子どもも沢山いる公共の場でそれはよくないなと、渉はグッと堪えた。
その後ファーストフード巡りした。そういったものを食べ慣れない渉は注文を颯一に任せる。
「ナイフとフォークはないのか?」
そんなこと言って呆れられながらも、思い切って被りついたハンバーガーやケバブ、そしてピザは思った以上に断然おいしいしかった。
「お、クレープある! クレープ! あれも食おうぜ!」
そして今度は渉が呆れる。
「そうちゃんの胃袋はどうなってんだ?」
そんなこと言いながらも、だが渉は久しぶりに本気で楽しかった。
「お前もそんな風に笑うんだな」
颯一が渉を見て、やはり楽しげに言ってきた。
渉がニコニコ言うと案の定、息するように颯一からボディーブローを食らった。
最近渉は腹筋を鍛えている。普段から体を鍛えるのを怠らないが、腹筋に力を特に入れるようにしていた。寮の同居人にも協力してもらい、腹にバスケットボールを落としてもらったりもしている。ちなみに同居人は毎回とても微妙な顔をして落としてくれる。
それでもやはり腹はキツイ。
重要な器官が沢山あるわりに骨にもさほど守られていない腹にくるパンチは、それがたとえ素人である颯一のパンチであっても結構くるのだ。
多分颯一自身、自分にあまり力がなく喧嘩慣れもしていないのを理解した上での腹パンチなのだろうなと渉は思っている。他の攻撃なら避けられたり防がれたりびくともしなかったりだろうが、腹ならそれなりに効果がある。腹に食らうとわりに足にくるのと、下手すれば呼吸ができなくなるため動けなくなることがある。
とはいえ、力のない颯一の攻撃なので深刻にはならない。現にかなり颯一の腹攻撃に慣れてきた渉はわりと平然としていた。
「こら、颯一! 渉に何してんだ」
ボディーブローをかましているのを兄の隼颯に見つかり、颯一は怒られている。
「だって渉が変なこと言うから!」
「ん? 何言ったんだ?」
当然だが聞かれ、颯一はグッと言葉に詰まっている。
「俺が、そうちゃんと同衾しちゃった、て言ったんです」
「してねえんだよ! 何もしてねえだろうが! お前敷いてもらった布団の中でぐうぐう寝てただろうが!」
颯一は真っ赤になって怒る。すると隼颯が「渉」と真面目な顔をしだした。
「はい」
「お前……駄目だろう」
それを聞いていた颯一は少し驚いているように見える。何に驚いているのかはさすがに渉にはわからない。
同衾て聞いてまさか本気にとったの?
男同士だってのに普通に本気にとったの?
ていうか本気にとったとしてその冷静さ?
にしても兄ちゃんも真面目な顔をして渉にちゃんと怒るんだ?
いやでも「駄目だろう」て言い聞かせるような内容じゃないだろう? 本気にとったなら……!
「そうですね、すみません、はや兄」
「だろ? 同じ布団で眠ったんじゃなく別の布団なら同衾て言わないからな。やっぱり言葉はちゃんと使わないとな」
「そうですよね」
「そこぉぉぉぉぉっ?」
思わず叫んできた颯一に、隼颯と渉は怪訝な表情を浮かべて颯一を見る。それに気づき、颯一が何やらぶつぶつと「まさか同じような反応を……兄ちゃんと渉……まさかの……」などと呟いており、渉はさらに首を傾げた。
「そんなことよりもそうちゃん。今日は何して過ごす? もう他の友人と約束でもしているのか?」
「いや、急に帰ることにしたから、何も予定はねえ……」
それを聞いて渉がニッコリ笑うと「いや、何かある! ある! 俺忙しい」などと言ってくる。
「そうちゃんの嘘つけないとこ、俺いいと思う。昔から好きだよ」
渉がニコニコ言うと「そ、そうか」とどこか照れくさそうにする。渉がそういう意味で「好きだ」と言うのに対しては全力で回避しようとしてくるが、こういう昔から言っていたような何でもない言葉には、昔と変わらない反応を見せてくれるところも渉は好きだった。
「だから忙しくないのもバレている。さて、そうちゃんはどこか行きたいところはないのか?」
「ぐ……。行きたいとこ? あ、そういや俺、行ってみたいとこあったんだよな。でもダチ誘ってもその気になってくんなくってさー。お化け屋敷が怖いのもあるかもだけど遊園地の乗り物は絶対乗らねぇとか言ったからかなー。でも渉なら怖いやつ、いけそうな気がする」
颯一は何やら思い出しニコニコしてきた。とある遊園地にある最恐と言われているお化け屋敷に行きたいのだそうだ。廃病院を元に作ったと言われており、その怖さたるやあり得ないとさえ言われているのだという。
渉はひっそりほくそ笑んだ。前に颯一がそのお化け屋敷に行ってみたいと言っていたのは覚えており、昨日何気にその記事が載っている雑誌のページを見えるようにしてリビングに置いていた。
男らしい颯一だが、あそこは本当に怖いと聞く。きっと万が一あまり怖がらなかったとしても驚くくらいはするだろう。もしかしたら渉に抱きついてくるであろう颯一を思うと、どうしても顔が綻ぶ。
「何かお前……。何でそんなニヤついてんだよ……」
「何もない。では行こうか」
「え? いいの? マジで? やった! 言ってみるもんだな。ともにも機会あれば行こうって誘ったことあるんだけど断られたんだよなー」
友悠の名前を聞いた途端、渉は軽く舌打ちをする。
「ん? どうかしたのか?」
「いや? あの友人はいつも胃を押さえている。お化け屋敷の恐怖に耐えられるとは思わん」
「そうかなぁ。結構ホラー平気そうだったんだけどなー」
その後二人は目的地へ向かった。公共の場ではあまり愛の表現されることはないと理解したからか、外で一緒にいることに颯一は特に嫌がっている様子を見せなかった。
遊園地に着くと、二人は早速目当てのお化け屋敷へ向かう。これから恐怖に包まれた中へ入るというのに、颯一の目は期待でワクワクと輝いていたし、渉も同じく、いや、期待の内容は少し違うがワクワクしていた。
お化け屋敷といえば「血」もあるかもしれない。だが颯一自身、本物の血でない限り遭遇しても一瞬のことで勘違いしたりなどでなければ何も思わなかった。昔ならそんなであっても怯えていたであろうが、多分颯一なりにずいぶん降服してきたのだろう。とはいえ、映像だと匂いがわからないのもあり、ついビクリとしてしまうようだ。
いざ中へ入ると、渉は早々に期待が打ち砕かれていた。颯一はあまりにも動じず、むしろ本気で男らしい勢いでサクサク歩いていく。途中お化けというかゾンビみたいなものが脅かしてくるのだが、一応驚きながらも間違いなく楽しんでいる。
「マジ怖ぇな」
「……だったら怖がったらどうだ」
「え? 怖がってるぞ?」
「……」
最後辺りに暗闇の病棟の中手さぐりで進む場所があるのだが、さすがにそこでは躊躇していた。しかし怖いというより見えないことにイラついている感じしかしなかった。
「あー怖かった! また来たら入りたい!」
「……そうちゃん……怖いなら怖がるべきだ」
「は? だから怖かったってば。渉は怖くなかったの?」
「まあ、怖かったぞ」
颯一の動じなさすぎる反応がな。と心の中で付け加える。
ちなみに絶叫マシーンには乗っていない。そしてデート、というと多分颯一は猛攻撃してくるだろうが、につきものの観覧車にも乗っていない。
高い所が苦手な颯一を知っている渉は、お化け屋敷から出た後はまた颯一の胃袋をつかむべく食事へ誘った。
「だったら色んなもん食わねえ? レストランに入って決まったメニュー頼むより、俺ちょこちょこ色んな店で食いたい!」
絶叫マシーンなどに乗ろうと言われなくてホッとしたのか、颯一がまた嬉しそうに言ってきた。
「いいぞ」
「マジで? やった! 渉だとこういうのとか諸々遠慮なく言えるのがいいよな」
颯一は昔を思い出しているのか無邪気に言ってくる。そんな颯一がかわいくてつい抱きしめたくなったが、さすがに子どもも沢山いる公共の場でそれはよくないなと、渉はグッと堪えた。
その後ファーストフード巡りした。そういったものを食べ慣れない渉は注文を颯一に任せる。
「ナイフとフォークはないのか?」
そんなこと言って呆れられながらも、思い切って被りついたハンバーガーやケバブ、そしてピザは思った以上に断然おいしいしかった。
「お、クレープある! クレープ! あれも食おうぜ!」
そして今度は渉が呆れる。
「そうちゃんの胃袋はどうなってんだ?」
そんなこと言いながらも、だが渉は久しぶりに本気で楽しかった。
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