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185話
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ニルスは答えを待っているようで、ただじっとエルヴィンを見てくる。非常に落ち着かない。
友人としての付き合いはかなり長い。おまけに遡ってからのニルスは子どもの頃から特別な友人の一人であり、気が置けない仲だった。
だが好きだと意識したのはそんな期間を思えばわりと最近だし恋人となったのも然りだ。何でも言えそうでありながら、そういった絡みの内容になるとまだまだ緊張したり羞恥心を感じたりして言えないことも少なくない。何よりずっと友人だっただけにむしろ言いにくいという可能性もあるかもしれないとエルヴィンはほんのり思う。
再度「勢いで言い切ればよかった」と思いながら、何とか口を開いた。
「あー、と、だな……」
「うん」
「……あー」
やはり言いにくい。とはいえ言いたいことや伝えたいこと、自分の考えなど、その内容が荒唐無稽でない限り飲み込まず出したほうがいいと、エルヴィンは遡る前を含め経験上実感している。
言え、俺。
深く息を吸い込むと、エルヴィンは口にした。
「ニルスは俺のこと好き、でいいんだよな」
「当然だ」
「……っ、俺も好き、だから、その、ニルスとは一緒にいたいとか何気ない時間を過ごしたいとか、そういうことはもちろんだけど、それだけじゃなくて、もっと深い関係になりたいし、くっつき合いたいし、繋がりたい。でもそう思うのは俺だけなのか? ニルスが俺のことを気遣ってくれてるのはわかる、わかるよ? でも、それ以上に俺が欲しくて仕方ないとか、何が何でも俺と愛し合いたいとか、そういう欲はないのか……?」
ゆっくり言えば躊躇してしまうかもしれないので、一気に話した。言い終えると羞恥心もあったが、正直少しすっきりした。
だって俺はお前が大好きだから。
ニルスの考えは一応わかってはいる。エルヴィンが怪我することのないよう、少しでも楽なよう、ゆっくり慣らし続けたいと思ってくれているのだろう。それはそれで気持ちは嬉しいが、エルヴィンとしては「エルヴィンを思ってゆっくりしたいけども、それ以上に我慢できない」と思うニルスを感じられたらもっと嬉しい。それに、時間は有限だとエルヴィンは痛いほど知っている。一刻一秒だって無駄にしたくない。
「……お前にひどいこと、したくない」
「ニルスは俺に突っ込むの、ひどいことだと思ってんの? なら逆になる? 俺がニルスに突っ込もうか? 俺はできるよ?」
エルヴィンが返すと、ニルスはおそらくポカンとした顔でエルヴィンを見てきた。逆、というのが思いもよらなかったのかもしれないし「俺はできる」と言われてポカンとなったのかもしれない。
「お前が……俺、に」
そして少し考えている気がする。考えもつかなかったのだとしたら、突っ込まれるということに躊躇はあるだろう。エルヴィンとしては元々どちらでもよかったし、すでにもう尻を弄られているので、本当はニルスにされる側で全然いいのだが、これも覚悟を決めてもらうためだ。
「ああ、そうそう。俺はできるってのはニルスにひどいことができるって意味じゃないからな? 俺はその行為をひどいことだと思ってないから。愛しい相手と愛し合う行為だとしか思ってないから」
「エルヴィン……」
「だから俺はできるよ。でも昨日だって散々慣らしたわけだし、本当なら俺がお前を受け入れるほうが順当だろうなとも思ってる。でもお前が俺にできないなら、俺がする」
「……いい、の……か?」
「いいって?」
じっとエルヴィンがニルスを見ると、ニルスもじっとエルヴィンを見つめてきた。なまじニルスの顔がよすぎるため、今大事なところだというのにうっとりしてしまいそうになる。
「……抱いて、いい、か……?」
それは低く囁くような声で、ともすれば聞き逃してしまいそうな声だった。だがエルヴィンが聞き逃すはずもない。とはいえ、今のだけでも体が小さくぞくりと震えたエルヴィンは自分でも欲深いと思いながら隣に座っているニルスの首に腕を回した。
「聞こえなかった。もう一度、耳元で言ってくれ」
「……ぁあ」
少し戸惑うような様子を見せてから、ニルスは首に腕を回しているエルヴィンを引き寄せて「お前を抱いていいか……?」と、やはり囁くように聞いてきた。耳元で聞くにはしかしあまりに低く色気のある声すぎて、そのまま耳の奥どころかエルヴィンの中まで淫靡で甘美な官能が広がった。
「いいよ……抱いてくれ」
引き寄せられたまま、エルヴィンは笑ってぎゅっとニルスを抱きしめた。お互い顔を合わせるとキスをする。何度も唇を合わせ、味わう。ニルスとのキスが気持ちよすぎて、これだけでかなり興奮してきたエルヴィンに、ニルスはもう一度キスしてから「本当は……耐え難いほど……お前が欲しい」とまた囁いてきた。
今のでイくかと思った……。
顔がまるで放火でもされたみたいに一気に熱くなった。とてつもなくドキドキしているし、下がかなりきつくなった。
だがそれ以上に嬉しくて、エルヴィンは「俺はずっと前からだよ」とまた笑いながらさらにキスを求めに行った。
友人としての付き合いはかなり長い。おまけに遡ってからのニルスは子どもの頃から特別な友人の一人であり、気が置けない仲だった。
だが好きだと意識したのはそんな期間を思えばわりと最近だし恋人となったのも然りだ。何でも言えそうでありながら、そういった絡みの内容になるとまだまだ緊張したり羞恥心を感じたりして言えないことも少なくない。何よりずっと友人だっただけにむしろ言いにくいという可能性もあるかもしれないとエルヴィンはほんのり思う。
再度「勢いで言い切ればよかった」と思いながら、何とか口を開いた。
「あー、と、だな……」
「うん」
「……あー」
やはり言いにくい。とはいえ言いたいことや伝えたいこと、自分の考えなど、その内容が荒唐無稽でない限り飲み込まず出したほうがいいと、エルヴィンは遡る前を含め経験上実感している。
言え、俺。
深く息を吸い込むと、エルヴィンは口にした。
「ニルスは俺のこと好き、でいいんだよな」
「当然だ」
「……っ、俺も好き、だから、その、ニルスとは一緒にいたいとか何気ない時間を過ごしたいとか、そういうことはもちろんだけど、それだけじゃなくて、もっと深い関係になりたいし、くっつき合いたいし、繋がりたい。でもそう思うのは俺だけなのか? ニルスが俺のことを気遣ってくれてるのはわかる、わかるよ? でも、それ以上に俺が欲しくて仕方ないとか、何が何でも俺と愛し合いたいとか、そういう欲はないのか……?」
ゆっくり言えば躊躇してしまうかもしれないので、一気に話した。言い終えると羞恥心もあったが、正直少しすっきりした。
だって俺はお前が大好きだから。
ニルスの考えは一応わかってはいる。エルヴィンが怪我することのないよう、少しでも楽なよう、ゆっくり慣らし続けたいと思ってくれているのだろう。それはそれで気持ちは嬉しいが、エルヴィンとしては「エルヴィンを思ってゆっくりしたいけども、それ以上に我慢できない」と思うニルスを感じられたらもっと嬉しい。それに、時間は有限だとエルヴィンは痛いほど知っている。一刻一秒だって無駄にしたくない。
「……お前にひどいこと、したくない」
「ニルスは俺に突っ込むの、ひどいことだと思ってんの? なら逆になる? 俺がニルスに突っ込もうか? 俺はできるよ?」
エルヴィンが返すと、ニルスはおそらくポカンとした顔でエルヴィンを見てきた。逆、というのが思いもよらなかったのかもしれないし「俺はできる」と言われてポカンとなったのかもしれない。
「お前が……俺、に」
そして少し考えている気がする。考えもつかなかったのだとしたら、突っ込まれるということに躊躇はあるだろう。エルヴィンとしては元々どちらでもよかったし、すでにもう尻を弄られているので、本当はニルスにされる側で全然いいのだが、これも覚悟を決めてもらうためだ。
「ああ、そうそう。俺はできるってのはニルスにひどいことができるって意味じゃないからな? 俺はその行為をひどいことだと思ってないから。愛しい相手と愛し合う行為だとしか思ってないから」
「エルヴィン……」
「だから俺はできるよ。でも昨日だって散々慣らしたわけだし、本当なら俺がお前を受け入れるほうが順当だろうなとも思ってる。でもお前が俺にできないなら、俺がする」
「……いい、の……か?」
「いいって?」
じっとエルヴィンがニルスを見ると、ニルスもじっとエルヴィンを見つめてきた。なまじニルスの顔がよすぎるため、今大事なところだというのにうっとりしてしまいそうになる。
「……抱いて、いい、か……?」
それは低く囁くような声で、ともすれば聞き逃してしまいそうな声だった。だがエルヴィンが聞き逃すはずもない。とはいえ、今のだけでも体が小さくぞくりと震えたエルヴィンは自分でも欲深いと思いながら隣に座っているニルスの首に腕を回した。
「聞こえなかった。もう一度、耳元で言ってくれ」
「……ぁあ」
少し戸惑うような様子を見せてから、ニルスは首に腕を回しているエルヴィンを引き寄せて「お前を抱いていいか……?」と、やはり囁くように聞いてきた。耳元で聞くにはしかしあまりに低く色気のある声すぎて、そのまま耳の奥どころかエルヴィンの中まで淫靡で甘美な官能が広がった。
「いいよ……抱いてくれ」
引き寄せられたまま、エルヴィンは笑ってぎゅっとニルスを抱きしめた。お互い顔を合わせるとキスをする。何度も唇を合わせ、味わう。ニルスとのキスが気持ちよすぎて、これだけでかなり興奮してきたエルヴィンに、ニルスはもう一度キスしてから「本当は……耐え難いほど……お前が欲しい」とまた囁いてきた。
今のでイくかと思った……。
顔がまるで放火でもされたみたいに一気に熱くなった。とてつもなくドキドキしているし、下がかなりきつくなった。
だがそれ以上に嬉しくて、エルヴィンは「俺はずっと前からだよ」とまた笑いながらさらにキスを求めに行った。
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