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26話
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たくさん子作りすればいいと能天気に言っている月侑太に対して海翔がポカンとしている。まあ当然だよなと月時は焦って適当に誤魔化すことを言ったが、海翔はまだ少し妙な顔をしていた。
月侑太が派手めな顔に見合った派手な性格をしていたら案外スルリと流されていたのかもしれないが、まさか中身は子ども? と疑いたくなるほど純粋そうな性格だけに違和感しかなかったのだろう。
一番純粋なのは間違いないとは思う。その分、一番野生にも近い。月梨の料理をも美味しいと食べるのは味覚が不思議なのではなく、野生にも近いからこそなのかもしれないと月時は思う。もしくは少しの味すら感じられる、逆に鋭い味覚の持ち主か。そういえば犬の餌の違いもよく分かるらしい。月侑太が「こっちはね、甘味が強くてこっちはちょっと化学的な味がするんだよ」と食べ比べの結果を教えてくれた時は「へえ」しか言えなかった。
そんな月侑太だからか、まだ中身が幼いからか割と考えもぶっ飛んでいることがある。
ワーウルフはつがいをとても大事にする。この相手と決めたら一生添い遂げる。だから月侑太の考え方は基本的に大抵のワーウルフが思いもしないことだ。中には魔界の空気に染まって無節操な者も居るかもしれないが、居ても珍しいと思われる。
月梨は間違いなく今付き合っている魔界の相手と添い遂げる予定だろうし、月凪に関しては確かにフラフラと遊んでいるけれども真剣じゃない。おそらく真剣な相手を見つけたら一生大事にする気がなんとなくしている。
「博愛……? あー、ムウタくん、子ども好きなんだな」
海翔は我に返ったような表情を見せると月侑太に笑いかけた。適当に受け流したのか、本当に分かっていないのか定かではないが、月時としてはなんとなくホッとする。
「子ども、多分好きだよ。あまり身近に居ないからよく分からないんだけどね」
えへへと月侑太がまた無邪気に笑う。むしろムータが子どもだよ、と月時は内心思いつつも少しハラハラしてしまう。なんらかで正体がバレるようなことを言わないだろうかと思ってしまうのもあるが、それだけではない。
目を大きく開いて無邪気に海翔を見つめる月侑太は、明らかに「遊んで」という意思表示を見せている。感情が豊かであり、目にその感情が現れやすいワーウルフの特徴でもある。同じように見つめるにしても、ひたすら感情を込めずにじっと見つめるだけだと「脅し」や「警告」を意味したりする。
ちゃんと言葉を持つ生き物ではあるが、表情や態度でも出しやすい。また、人間の姿でいる時はあまり出さないようにしているが、触れ合うこともとても大事にしている。
月侑太が海翔に変に懐いて、こうやってアイコンタクトだけじゃなく顔や首などを舐めたり噛んだりしたり擦り寄ったりしたらどうしようと、正体がバレる心配にヤキモチも追加で気にしたりもしてしまう。
俺ですらなんとか普段抑えるようにしてるってのに。
つい何度かキスしてしまっているが、本当ならもっとワーウルフらしく海翔の至るところを舐めたり噛んだりしたい。性的な意味というより、ただひたすらそうやって愛を伝えたい。
もう少し月時に慣れてくれたらやってしまいたいなと思ったりはしているが、月侑太は無邪気にそういったことをやりそうでそういう面でもハラハラするのだ。
月梨もそばについているのもあるが、月侑太もちゃんと今まで学生生活を送ってきているのだ。あからさまに危ういとはさすがに月時も思っていない。でも、と考えに没頭した後で何気に海翔を見たら、案の定月侑太がやたらとくっついている。
「近い……」
「そう? でも俺、ひーくんが好きだからね、くっつきたくなるんだよ。頭とか撫でて欲しいし」
「頭? なんで」
「気持ちいいから!」
「そ、うか」
挙句、月時にとってあまりに自然な勢いで海翔に頭を撫でてもらっている。
「ムータずるい!」
ハッとなり思わず声を荒げると海翔がそれこそ「は?」という顔で月時を見てくる。とても冷たい。
月侑太は月侑太で「なんで? トキもじゃあ撫でてもらえばいいのに」と恐ろしい程に無邪気だ。
「なにがずるいの」
ふと部屋を覗いてきた月梨が、海翔に気づいて少し慌てている。いつもあまり慌てないのでそういうイレギュラーな月梨を見られたのは月時にとって少し楽しいと思えた。
「こんにちは、ひろくん」
改めて月梨がニッコリと挨拶をすると、月侑太を引きはがしたところだった海翔も「こんにちは、です」と返している。
「なんで敬語?」
海翔の言葉に、思わず月時は月侑太と声を揃えて口にしていた。月梨も「トキと同じように、私もひろくんと同じ歳だけど」と苦笑している。
「あ、す、すいません。なんとなくお姉さんっぽいのと、ルリさん綺麗だから」
「え、そ、そう? ありがとう、ひろくん」
真っ直ぐと月梨を見てそんなことを言う海翔に、月梨はとても気を良くしたように笑みを浮かべている。
これだもの……!
月時は今、妙にベッドに突っ伏したい気分にさえなった。
海翔自身は気づいていないようだが、海翔は案外女子に人気がある。とはいえすぐに彼氏になって欲しい、といった類のものではないようだが「長月くんっていいよね」と言っている女子を多方で耳にしている。耳はとてもいいので聞き間違えでは決してない。
綺麗な顔立ちなのにあまり女子に興味を持っていなさそうに見える。なのに苦手だというのではなくて話しかけると普通に返してくれるどころかサラリと男前だったり紳士だったりといった言動をとるのだそうだ。
海翔曰く「機会があれば女の子と色んなことをしてみたい」だそうなので皆勘違いしてるよ! と触れ回りたい気持ちになりそうだが、海翔のマイナスになるようなことはだがしたくない。そもそも海翔が「女と色んなことをしてみたい」というのも女性好きというよりはただの好奇心でしかないようにも思える。
なんというか、勘違いとギャップに包まれているからか、一部の女子からはどこか神秘的にさえ見えるのかもしれない。
でも、俺はそんなひろが大好きだけども。
少し頬を赤くしつつ、心の中で好きだと言った後で「だけどもほんっとこういう部分もハラハラする」と同じく心の中で叫んだ。
さすがに月梨はちゃんと魔界に彼氏が居るし、浮気をするタイプではないので変に心配はしている訳ではないのだが、月侑太だけでなく海翔自身にもこうやって日々ハラハラさせられる気がする。月時が思い切ってしたキスも、月時じゃなくても海翔は受け入れそうだ。わざと手玉に取っているとか分かってやっているほうがまだマシだろう。天然だから怖い、と月時はじっとりした目を海翔に向けた。
「なに?」
視線に気づいた海翔が聞いてくるが「ううん」と首を振る。
ふと月梨が月時を見ていることに気づいた。月時も月梨を見返すとニッコリと笑われる。
「待ってて、いいもの持ってきてあげる」
そう言うと一旦出ていった。次に戻ってきた時にはアルバムを抱えている。
月時は一瞬ぎょっとした。
水白家のアルバムは基本門外不出だ。大袈裟な表現ではあるが、写っているものがほぼ赤ちゃんの頃の月時たちだから仕方がない。
赤ん坊の頃。要は力の制御など一切出来ない頃だ。
「ちょ、ちょっとルリ?」
焦ったように月梨を見れば「大丈夫」といったように笑顔が返ってきた。
「ひろくん、見て。可愛いでしょう」
バッと広げる月梨に、思わず月時は目を見開いて月梨を見つめたが、海翔の「ほんとだ。可愛いな」という穏やかな声に視線を下へ移した。
アルバムには月時たちがヒトの姿をしている写真ばかりが貼られている。後で「お客様用のアルバムがあるのよ」と月梨は教えてくれた。
「数はあまり多くないんだけどね。多分私たちが四つ子だから親も大変だったんでしょうね」
これがあれをしていた時、あれがそれをしていた時、と海翔に説明しながら月梨が優しく言う。
「ムータもだけど、トキもほんっと無邪気で愛される子だったのよ。まあ二人とも今と変わらないけどね」
あはは、と笑いながら言ってくることにだが月時は顔が熱くなる。余計なことまで言って、と思っていると海翔が「ああ、それはうん、なんか分かる気がします」と穏やかに笑いながら頷いてきた。
途端、自分の顔に火がついたのかと思うくらい更に熱くなるのが分かった。
皆でアルバムを見ていると月凪も帰ってきたのか「俺も混ぜてよ」と入ってきた。そして「そういえばユーキは今はずいぶんナルシストで好き勝手やってるけど、小さい頃は『大きくなったら、ぼく、ルリをおよめさんにするんだ』なんて言ってたのよ」と月梨におかしそうに言われ、月時とは違う意味で顔を真っ赤にしていた。
「ルリ、それはもう忘れてって言ったよねっ?」
「あら、何故忘れないといけないの? 今と違ってユーキ、可愛かったってのに」
「ああもう!」
珍しく月凪が顔を赤らめて焦っているのを見て、月時や月侑太だけではなく海翔まで少しポカンとした顔で月凪を見た後に笑っていた。
月侑太が派手めな顔に見合った派手な性格をしていたら案外スルリと流されていたのかもしれないが、まさか中身は子ども? と疑いたくなるほど純粋そうな性格だけに違和感しかなかったのだろう。
一番純粋なのは間違いないとは思う。その分、一番野生にも近い。月梨の料理をも美味しいと食べるのは味覚が不思議なのではなく、野生にも近いからこそなのかもしれないと月時は思う。もしくは少しの味すら感じられる、逆に鋭い味覚の持ち主か。そういえば犬の餌の違いもよく分かるらしい。月侑太が「こっちはね、甘味が強くてこっちはちょっと化学的な味がするんだよ」と食べ比べの結果を教えてくれた時は「へえ」しか言えなかった。
そんな月侑太だからか、まだ中身が幼いからか割と考えもぶっ飛んでいることがある。
ワーウルフはつがいをとても大事にする。この相手と決めたら一生添い遂げる。だから月侑太の考え方は基本的に大抵のワーウルフが思いもしないことだ。中には魔界の空気に染まって無節操な者も居るかもしれないが、居ても珍しいと思われる。
月梨は間違いなく今付き合っている魔界の相手と添い遂げる予定だろうし、月凪に関しては確かにフラフラと遊んでいるけれども真剣じゃない。おそらく真剣な相手を見つけたら一生大事にする気がなんとなくしている。
「博愛……? あー、ムウタくん、子ども好きなんだな」
海翔は我に返ったような表情を見せると月侑太に笑いかけた。適当に受け流したのか、本当に分かっていないのか定かではないが、月時としてはなんとなくホッとする。
「子ども、多分好きだよ。あまり身近に居ないからよく分からないんだけどね」
えへへと月侑太がまた無邪気に笑う。むしろムータが子どもだよ、と月時は内心思いつつも少しハラハラしてしまう。なんらかで正体がバレるようなことを言わないだろうかと思ってしまうのもあるが、それだけではない。
目を大きく開いて無邪気に海翔を見つめる月侑太は、明らかに「遊んで」という意思表示を見せている。感情が豊かであり、目にその感情が現れやすいワーウルフの特徴でもある。同じように見つめるにしても、ひたすら感情を込めずにじっと見つめるだけだと「脅し」や「警告」を意味したりする。
ちゃんと言葉を持つ生き物ではあるが、表情や態度でも出しやすい。また、人間の姿でいる時はあまり出さないようにしているが、触れ合うこともとても大事にしている。
月侑太が海翔に変に懐いて、こうやってアイコンタクトだけじゃなく顔や首などを舐めたり噛んだりしたり擦り寄ったりしたらどうしようと、正体がバレる心配にヤキモチも追加で気にしたりもしてしまう。
俺ですらなんとか普段抑えるようにしてるってのに。
つい何度かキスしてしまっているが、本当ならもっとワーウルフらしく海翔の至るところを舐めたり噛んだりしたい。性的な意味というより、ただひたすらそうやって愛を伝えたい。
もう少し月時に慣れてくれたらやってしまいたいなと思ったりはしているが、月侑太は無邪気にそういったことをやりそうでそういう面でもハラハラするのだ。
月梨もそばについているのもあるが、月侑太もちゃんと今まで学生生活を送ってきているのだ。あからさまに危ういとはさすがに月時も思っていない。でも、と考えに没頭した後で何気に海翔を見たら、案の定月侑太がやたらとくっついている。
「近い……」
「そう? でも俺、ひーくんが好きだからね、くっつきたくなるんだよ。頭とか撫でて欲しいし」
「頭? なんで」
「気持ちいいから!」
「そ、うか」
挙句、月時にとってあまりに自然な勢いで海翔に頭を撫でてもらっている。
「ムータずるい!」
ハッとなり思わず声を荒げると海翔がそれこそ「は?」という顔で月時を見てくる。とても冷たい。
月侑太は月侑太で「なんで? トキもじゃあ撫でてもらえばいいのに」と恐ろしい程に無邪気だ。
「なにがずるいの」
ふと部屋を覗いてきた月梨が、海翔に気づいて少し慌てている。いつもあまり慌てないのでそういうイレギュラーな月梨を見られたのは月時にとって少し楽しいと思えた。
「こんにちは、ひろくん」
改めて月梨がニッコリと挨拶をすると、月侑太を引きはがしたところだった海翔も「こんにちは、です」と返している。
「なんで敬語?」
海翔の言葉に、思わず月時は月侑太と声を揃えて口にしていた。月梨も「トキと同じように、私もひろくんと同じ歳だけど」と苦笑している。
「あ、す、すいません。なんとなくお姉さんっぽいのと、ルリさん綺麗だから」
「え、そ、そう? ありがとう、ひろくん」
真っ直ぐと月梨を見てそんなことを言う海翔に、月梨はとても気を良くしたように笑みを浮かべている。
これだもの……!
月時は今、妙にベッドに突っ伏したい気分にさえなった。
海翔自身は気づいていないようだが、海翔は案外女子に人気がある。とはいえすぐに彼氏になって欲しい、といった類のものではないようだが「長月くんっていいよね」と言っている女子を多方で耳にしている。耳はとてもいいので聞き間違えでは決してない。
綺麗な顔立ちなのにあまり女子に興味を持っていなさそうに見える。なのに苦手だというのではなくて話しかけると普通に返してくれるどころかサラリと男前だったり紳士だったりといった言動をとるのだそうだ。
海翔曰く「機会があれば女の子と色んなことをしてみたい」だそうなので皆勘違いしてるよ! と触れ回りたい気持ちになりそうだが、海翔のマイナスになるようなことはだがしたくない。そもそも海翔が「女と色んなことをしてみたい」というのも女性好きというよりはただの好奇心でしかないようにも思える。
なんというか、勘違いとギャップに包まれているからか、一部の女子からはどこか神秘的にさえ見えるのかもしれない。
でも、俺はそんなひろが大好きだけども。
少し頬を赤くしつつ、心の中で好きだと言った後で「だけどもほんっとこういう部分もハラハラする」と同じく心の中で叫んだ。
さすがに月梨はちゃんと魔界に彼氏が居るし、浮気をするタイプではないので変に心配はしている訳ではないのだが、月侑太だけでなく海翔自身にもこうやって日々ハラハラさせられる気がする。月時が思い切ってしたキスも、月時じゃなくても海翔は受け入れそうだ。わざと手玉に取っているとか分かってやっているほうがまだマシだろう。天然だから怖い、と月時はじっとりした目を海翔に向けた。
「なに?」
視線に気づいた海翔が聞いてくるが「ううん」と首を振る。
ふと月梨が月時を見ていることに気づいた。月時も月梨を見返すとニッコリと笑われる。
「待ってて、いいもの持ってきてあげる」
そう言うと一旦出ていった。次に戻ってきた時にはアルバムを抱えている。
月時は一瞬ぎょっとした。
水白家のアルバムは基本門外不出だ。大袈裟な表現ではあるが、写っているものがほぼ赤ちゃんの頃の月時たちだから仕方がない。
赤ん坊の頃。要は力の制御など一切出来ない頃だ。
「ちょ、ちょっとルリ?」
焦ったように月梨を見れば「大丈夫」といったように笑顔が返ってきた。
「ひろくん、見て。可愛いでしょう」
バッと広げる月梨に、思わず月時は目を見開いて月梨を見つめたが、海翔の「ほんとだ。可愛いな」という穏やかな声に視線を下へ移した。
アルバムには月時たちがヒトの姿をしている写真ばかりが貼られている。後で「お客様用のアルバムがあるのよ」と月梨は教えてくれた。
「数はあまり多くないんだけどね。多分私たちが四つ子だから親も大変だったんでしょうね」
これがあれをしていた時、あれがそれをしていた時、と海翔に説明しながら月梨が優しく言う。
「ムータもだけど、トキもほんっと無邪気で愛される子だったのよ。まあ二人とも今と変わらないけどね」
あはは、と笑いながら言ってくることにだが月時は顔が熱くなる。余計なことまで言って、と思っていると海翔が「ああ、それはうん、なんか分かる気がします」と穏やかに笑いながら頷いてきた。
途端、自分の顔に火がついたのかと思うくらい更に熱くなるのが分かった。
皆でアルバムを見ていると月凪も帰ってきたのか「俺も混ぜてよ」と入ってきた。そして「そういえばユーキは今はずいぶんナルシストで好き勝手やってるけど、小さい頃は『大きくなったら、ぼく、ルリをおよめさんにするんだ』なんて言ってたのよ」と月梨におかしそうに言われ、月時とは違う意味で顔を真っ赤にしていた。
「ルリ、それはもう忘れてって言ったよねっ?」
「あら、何故忘れないといけないの? 今と違ってユーキ、可愛かったってのに」
「ああもう!」
珍しく月凪が顔を赤らめて焦っているのを見て、月時や月侑太だけではなく海翔まで少しポカンとした顔で月凪を見た後に笑っていた。
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